Ba.明弥

Vo.ハロ

Gt.夢人

Dr.正人

5月4日に初のワンマンライヴを池袋サイバーで行うベル。この場所を選んだのには理由が。それは当日語られるだろうから、ぜひ、会場に足を運んでもらいたい。そして5月13日にはニューシングル「午前3時の環状線」をリリース。今回のインタヴューでは、収録曲について深く探ってみることに。驚きの裏話も飛び出しました。

 ——今回も、バンドコンセプトである“歌謡サスペンス”を貫いた1作になっていますね。テーマを決めてから曲作りに入っていったんですか?ハロ:まず、バンドのコンセプトに基づいてコンポザーが曲を持ってくんです。今回で言うと4曲なんですけど、それを、より1つの作品として寄せて行く感じ仕上げていくんですね。明弥:良い曲を持っていこうってなるとすぐにできるんですけど、歌謡曲ということや、ベルらしく、っていうのを考えると、簡単には作れないんですよ。ハロ:歌詞についてもそうですね。歌謡曲と提示している分、前に使った言葉は極力使わないと自分の中で決めているので。それは、ファーストシングルを作ったときより悩みました——でも、そうやって悩んだおかげで、一歩先に進めたのでは?ハロ:はい。やっぱり成長しないといけないじゃないですか。それで、もっと幅広い自分たちを見せていこうと思ったんです。夢人:そうだね。明弥:その分、今回も自信作になりました。——表題曲は、「午前3時の環状線」ですね。ハロ:今回、ファーストとは違うアプローチで、シャッフルというノリをバンドの1つのカラーとして提示しようと思ったんです。そうしたら、明弥が良い曲を持ってきてくれました。明弥:シャッフルの曲は個人的に好きなこともあって、よく聴いているんです。で、最初に浮かんだのがイントロでラッパがなっている部分。そこからどんどん作り上げていって、サビまでで1回メンバーに聴かせたんですけど、好評価が得られなかったので、変えたんですよ。まず、メンバーを納得させるのが大変でした(笑)
——シャッフルともなれば、ここはやはりドラマーの腕の見せ所ではないでしょうか?正人:そうですね。以前出したミニアルバムでシャッフルに挑戦したんですけど、自分の中でどれぐらい成長できたのかっていうのを考えながらドラムは作っていったんです。でも、作っていくたびにどんどん難しくなっていくなぁて(笑)。明弥:2サビ前のフィルはすごく変わっている。ここでこういうのを入れるんだって思ったよ。しかし、予想以上に難しくなったよね(笑)。だけど、その方が自分もフレーズの作り甲斐があるので、今回は前回よりも成長したリズム隊の良さが見られると思います。正人:うまく絡んだときって気持ち良くない?明弥:そうだね。正人:しかも、明弥はこの曲でひたすら動いているよね。僕は、曲を作るときにこういうドラムどう?ってすぐ投げ掛けてしまうんですけど、明弥はそういう風にはしなくて。そこは信頼しているので、できあがったものを聴いてかっこいいなっていつも思っています。——お互い良いやり取りができていますね。ハロ:そうそう、今回のレコーディングはツアー最中に行っていたんです。滞在先でベースは録っていたよね?正人:僕の実家で(笑)。明弥:福岡で何日か泊まる機会があって。それだったらホテルじゃなく家に泊まりに来れば?って正人が誘ってくれたので、メンバーみんなでお邪魔したんです。ハロ:まさに合宿ですよ。明弥:ご飯もたべさせてもらったし(笑)。ここで歌詞も書いたよね?ハロ:書いてた(笑)。正人の家のお風呂に浸かりながら歌詞を書いていたんですよ。あと、僕は朝走りに行ってましたからね。4人でスタジオにも入ったし。——ほんと、合宿スタイル(笑)。明弥:面白かったですよ。ハロ:さらに面白いのが、4人一部屋に布団ひいて寝たんです。あれは部活っぽかったね(笑)。でも、他のメンバーがレコーディングをしているのってそこまで詳しく見たことがなかったんです。でも、こうしたスタイルを取ったおかげで見ることができたので、とても良かったと思います。福岡の後は、四日市に行ったので、そこでは夢人の実家にお世話になって。本当にずっとセカンドシングルのことを考えながら回っていたツアーになりました。——ライヴを挟んだことで制作に良い影響をもたらしたんでしょうね。これが東京にいたら違っていたかもしれません。ハロ:そうですね。だれていたと思います。やっぱり、自分の家にいるとついついテレビを観るとか、甘えてしまうんじゃないですか。だけど、4人で一緒にいると他のメンバーの目もあるんで、甘えているわけにはいかないんですよ。みんなが一生懸命やっているからこそ、だらけられなくて。おかげでツアーも乗り切ることができたので一石二鳥でした。——そんな裏話があったとは。ちなみに「午前3時の環状線」で明弥さん夢人さんに、これだけは!とお願いしたことは何かありましたか?明弥:ギターに関しては、2人で相談しながら決めていったんです。夢人:普通に良い曲だなと思ったので、シングルでいきましょうっていう感じでしたね。——自分の作った曲が表題曲にならないのは嫌だ、とは思いませんでした?夢人:いやいや、そんなことはまったくおもいませんでした(笑)でも、そこは自分が作った曲じゃないと嫌だ、目立たないと嫌だ、っていうのがあったんですけど、自分の成長したのか、メンバーの作ってきた曲も良いって素直に褒めることができるし、お互い譲り合うことができるんですよね。もちろん、前のようなハングリー西進が消えたわけではないんですけど、それを越えて活動できている気がするんですよね。——それこそ、前のバンドときは、夢人さんは自信が作った曲は必ずと言っていいほど、自分のパートが目立つ部分がありました。でも、今作では自分が目立とうとするより、バンド全体を引き立たせることを第一に考えている気がして。夢人:それはあります。今は、ギターソロなんて曲によってはなくてもいいし。音楽作りに対しての考えが変わりましたね。柔軟になったと思います。——合宿も楽しかったですか?夢人:楽しかったです。正人くんのご家族にもよくしてもらったし。ハロ:夢の家も楽しかったよ。朝おじいちゃんとおばあちゃんが「これ持っていきな」って、ライヴ前においなりさん持たせてくれたんですよ。夢人:ヴィジュアル系バンドやってますけど、僕ら、温かい家族に囲まれているんです。ただ、ツアーを通して実家に行く機会が多いから、いつか「またきたのか!」って言われそうで怖いです(笑)。正人:でも、俺なんか1年3ヶ月ぶりに実家に帰りましたからね。夢人:だからこそ、ツアーは毎回実家の近くでライヴの予定入れないと。ハロ:あはは(笑)。でも、僕らだけでなく、色々な人に支えられてバンドってやっていけるんだなって実感しました。——でも、よく自分の家を離れて歌詞がすらすらと書けましたね?ハロ:逆に外に出た方が書けるんですよ。さっきも言ったように、家にいるとテレビ観てしまったり、ちょっと横になろうって思ってしまったりするのでダメです(笑)。「午前3時の環状線」では、デモをもらったときに最初のプラスの音が印象的だったので、そこからイメージを膨らませていったんです。そこで遊園地っぽさが感じられたので、サビでメリーゴーランドを暗喩として使っているんです。メリーゴーランドって、一緒に乗っても前と後ろで同じ方向にスピードで動くので、ずっと交わることがないじゃないですか。そういう人間模様をここでは表しています。——歌謡曲という縛りがあるゆえ、使ってくる言葉も難しいと思いますが、良い閃きがありましたね。ハロ:今回ツアーで知らない土地に行って、各々で作業する時間があった。そいうところに助けられた部分は大きいですね。あとは、こういうテイストの楽曲を初めて聴いてくれたお客さんにどう届くのか。ベルという鐘がどう響いていくか、そこは僕たちも楽しみなところではあります。夢人:そう、鐘を鳴らすのはあなたですよ。——それだと意味合いが変わってきてします(笑)。また今回はカップリングにも素敵な曲が揃いました。夢人:僕の曲は今回2曲入ってます。両方とも、こういう曲を作るって考えて作った感じですね。——「飴と無知」と「バイバイ」は同時進行でしたか。夢人:あ、それは違うんです。「バイバイ」はライヴで盛り上がる曲をどういう動きで、どんなコード進行で、って先に決めて作ったんです。——そこまで考えて作られるんですね。夢人:昔、レジ打ちのバイトをしていたことがあるんですけど、そのときはレジを打ちながら曲を作っていたことがあります。何か、2つのことがいっぺんにできちゃうんですよね(笑)。これも、お風呂に入りながら作ってました。もう片方の「飴と無知」はシャッフルなんですけど、「午前3時の環状線」とは違うシャッフルなんですよね。だから、違いを楽しむのも面白いかもしれません。ハロ:「飴と無知」は初めて男目線で歌詞を書いたので、それは挑戦でしたね。——そして、明弥さんが作られたのはもう1曲、「熱帯夜」。夢人:すいません、これ1番ギターが難しかったです!正人:ドラムも難しかったです!明弥:あはは(笑)。ラテンっぽい感じの曲なんですけど、ずっと自分がやりたかったタイプの曲なんですよね。それで、ベルならできるだろうと。——ラテンという馴染みない音楽を取り込もうとする勇気がすごいですよ。明弥:ヴィジュアル系だと馴染みが薄いかもしれないです。でも、たとえば、、J-POPだと部分的には少なからず使用されているんですよね。でも、こういう楽曲をヴィジュアル系に寄せたいという想いはすぐにメンバーも汲み取ってくれたので嬉しかったですね。夢人:って言ってますけど、こうやって弾いてって言われたギターのフレーズがすごく難しくて。明弥:まぁまぁ。夢人さんなた弾けるじゃないですか。夢人:そう言ってくれるならすぐに弾いちゃうよ(笑)。明弥:僕の中では楽曲として聴かせるというのもあるんですけど、ライヴのノリが見える曲になればいいかなと思って作っていったんですよね。夢人:どれも実演で活きる曲だよね、だから、ぜひ、遊びに来てほしいなと思ですよ。ワンマンもあるので。ハロ:音源のインタヴューは真面目に話していますけど、ライヴはけっこう自由にやっているよね(笑)。夢人:うん。メンバー全員、ベルにかける熱意がすごいんです。それがライヴ重ねるごとにちょっとずつではありますけど、ちゃんと形になってきているかなって思うんです。ハロ:お客さんを飽きさせないっていうのはもちろんなんですけど、まずは自分たちが飽きない曲を作らないと。夢人:今後の目標としては、“ベルといえば、歌謡曲”って言われるぐらいになりたなって。明弥:ほんと、その通りだと思う。夢人:歌謡曲がベルになるぐらいの勢いでやっていきたいですね。——というからにはもちろん、本作リリース後にはライヴざんまいですか?明弥:全国ツアーやります。派手に動いてますよ。夢人:1ヶ月ほとんどライヴだよね。正人:7月と8月の予定がすごいことになっているんですよ(笑)。でも、その忙しさがいいんだよね。逆に、2、3日メンバーと会えないと不安になるから。ハロ:わかる、そうだよね。顔見ると安心する(笑)。でも、せっかくなので、お客さんにも僕たちについてきてもらえたらなって思います。きっと、色々な楽しみ方ができると思うんですよ。きっと、歌謡曲を前提としている分、後ろでじっくりと聴いてくれるお客さんもいるし、前の方で体動かして楽しんでくれている人もいるし。そうやって、聴く人が自由に楽しめるというのも、ベルのライヴの面白さだと自負しているので、どんなノリかわからなくてライヴに行くのが怖いなと思っている方も、物怖じせずに足を運んでもらいたいですね。後は僕たちが誘導していくので。明弥:長いツアーをやればやるほど、バンド内の雰囲気って良くっていくと思うので、今回もさらに良くなると思います。あと、始動して短期間ながらも自分たちの活路を見出すことができたので、後はそれを聴いてくれるみんなに伝えに行くだけかなと。ハロ:最後に大事なことを。5月4日に、僕たち初めてのワンマンライヴを池袋サイバーでやります。メンバーゆかりの地でもあるサイバーでワンマンができることを嬉しく思いますし、また良い思い出を作れたらなと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

ベル ハロ生誕記念 単独公演
「歌謡サスペンス劇場-序-」
■日程:2015年5月4日(月・祝)
■会場:池袋CYBER