Gt.陽

Ba.緋雨

Vo.狂鬼

Dr.優冴

Gt.碌

ドラムの優冴が加入し、新体制となったグリーヴァが、4月29日にシングルを3枚同時にリリースするという。最近では珍しい手法だが、その内容とはいかに。収録曲に詳しく迫るとともに、次回作についても訊いてみた。

––––新体制となってしばらく経ちましたが、いかがですか?
狂鬼:優冴が入ってから2ヶ月ちょっとが経ったんですけど、ずっと一緒にバンドをやってきたかと思うぐらい馴染んでいて。ライヴのバンドサウンドでも感じられるように、すっかり、グリーヴァに染まっています。
––––となると、2月1日に行われた新体制初単独公演でも、そのことは十二分に感じられましたか?
優冴:緊張しすぎていたせいか、あんまり覚えていないんです。それだけ一生懸命だったので、やってたときはすごく楽しかったですね。手応えもありましたし。
狂鬼:「緊張」って言ってますけど、僕はそれを全然感じなかったです。彼なりにパワフルなドラムを背中で感じて歌うことができたので。でも、見た目とは裏腹にけっこう緊張するんだね?
優冴:そうなんです(笑)
––––ドラムというパート上、ライヴでは1番に登場しなければなりません。そうなれば、緊張しないわけがないですよね?
優冴:ええ。最初、SEを流して順番に登場しようという話が出ていたんです。だけど、それだけは絶対に嫌だっていったんですよ。そしたら、みんなやさしいので僕のワガママを聞いてくれて。結局、楽器隊は一斉に出て、最後に狂鬼が出るっていう形になりました。
緋雨:自分もこの日はさすがに緊張しました。だから、優冴は相当緊張していたんじゃないですか(笑)
––––ライヴ慣れしている緋雨さんでも緊張しましたか。
緋雨:そうですね。普段はそんなことないんですけど、この日はちょっと緊張しましたね。
––––どうでしょう、リズム隊の相性はバッチリですか?
優冴:バッチグーです。
緋雨:ライヴ中もお互いに目があって楽しいねっていう感じになるのが、良いと思います。
––––そういったリズム隊の強靭さ、他のメンバーにも伝わっていますか?
碌:リズム隊でしっかりしているからこそ、自由にギターが弾けるっていうところはあります。それは陽も同じだと思うんですけど。
陽:そうですね。
––––碌さんとしては、当日のライヴをどのような想いで取り組まれたでしょう?
碌:意気込みとしては、この5人で進んでいくんだぞっていうところを、まず見せ付けたかったんです。結果的にい、見せ付けられる良いライヴになったんじゃないかなと、終わってみて思いますね。
––––それだけ意気込まれていたとは。その鬼気迫る姿、ファンの方にも伝わったことと思います。
碌:そうですね。ライヴ頭からかなり全員気合いが入っていて。来てくれている人たちも最高の暴れっぷりだったので伝わったんじゃないかなと。
陽:僕も、始動するぐらいの意気込みで挑ませていただいたので、良い意味で、緊張感を持ってステージに臨めたなという感じですね。
––––陽さんは、初心に立ち返るという気持ちだったのですね。
陽:そうです。衣装もこの日で新しくなりましたし、新曲も何曲か披露出来たので。さらに、自分たちにとって1番大きなところでの単独公演となったので、心機一転やろうと。
––––ライヴ慣れしている皆さんだからこそ、緊張していたという言葉はすごく響きます。たくさんある中の1本ではなく、その日にしか見せられない大事な1本と捉えているのだなと。
陽:後日、自分たちのライヴを客観的に見ることもできましたからね。そういった意味でも、いい機会だったと思います。
––––いかに楽器陣の志が高かったのかわかります。
狂鬼さんから見て、当日のライヴはいかがでした?
狂鬼:ライヴ自体はいつも緊張感をもってやっているんです。でも、この日は、5人で1発目の音を鳴らしたときにあぁこれだ、この5人でこれから走っていくんだな、っていうのを実感しました。やっぱり、メンバー1人変わるだけで全く違うんですよ。怖い面もあったんですけど、そういった不安も最初の音画出た瞬間から消えましたね。優冴とだったら一生一緒にバンドやっていける、そう思ったのもこのときでした。
––––そこまでの決心を。
狂鬼:はい。逆にこの5人じゃなかったらバンドはもういいかなって。それぐらい色々なことが巡ったライヴだったんですよね。2月1日のWESTは。
––––そう思うと、本当にいいメンバーに出会えましたね。
狂鬼:これだっていうメンバーでなかったら、やる気はなかったんです。それこそ、4人でいいやって言っていたぐらいなので。でも、5人になって抜群に音は良くなりました。リズムがバーンと前にきてくれるんですよ。そういったときに、すごく音楽やっているなって思うんですよね。
––––昔はよく聴きましたけど最近3枚同時リリースをすることを決めたのですか?
狂鬼:そうなんです。当時好きだったバンドさんは同時売りとかよくやっていたんですけど、今はタイプ別売りが主流ですからね。
––––それぞれSEが入っているにせよ、PVなしの1曲入り。自分たちの音楽に自信がなければ、この出し方はできません。
狂鬼:それもありますし。新体制となって初のリリースとなるので、他がやっていないことを意味がないなって思ったんですよね。僕人身、ヴィジュアル系バンドがずっとすきなこともあって、こういった形でリリースしたいなと前から思っていたんです。
––––新体制となって最初の音源というだけに、中には不安がっているファンの方もいると思うんです。音がまるで変わってしまうのかなと。実際、私もそう思っていたのですが、先程聴かせてもらって驚きました。全部良いですね。
狂鬼:ありがとうございます。根本を変える気は全くなくて。最初から僕らが掲げているコンセプトを曲げるきはありませんでした。ただ、その中で新しいことを混ぜていけたらなという気持ちで製作していったんです。それと今回は、どちらもカップリングにはしたくないなと、グリーヴァの顔とも言える曲、それを並べることができたからこそ、3枚同時リリースができたんだと思います。
––––ちなみに、今おっしゃった“新しいこと”とは具体的には?
狂鬼:僕が原曲を持ってきた4枚目のシングル「絶望の朝」で言うと、“静と動”をテーマにしているのでピアノの音が打ち込みであって。グリーヴァでは同期を押し出した曲というのが今まであまりなかったので、そういったところでも変化を付けています。だからと言って、大きく変わったわけではなく。聴いてもらえると、やっぱりグリーヴァだというところが感じられると思います。
––––今まで使ってこなかった同期を入れようと思ったのは、なぜなのでしょう?
狂鬼:いままではライヴ感を出したくて,敢えて同期を入れてこなかったというのもあるんです。でも、そこに縛りを入れることもないのかなって。それでちょっとピアノを入れてみようと思ったんです。
––––結果、良いアクセントになりました。せっかくですから、各々の聴きどころも教えて下さい。
優冴:ピアノが終わって、ドラムのフィルからバンドインするところですね。あの部分で「よっしゃ、いくぞ!」と気合いが入るので、音源だけではなくライヴでも注目してもらいたいですね。
碌:これはデモとそこまで変えることはしていなくて。何でかというと、構成もすっきりとしていたので、歌を聴かせるギターというのに徹底しました。
陽:自分もこれは歌を1番に聴かせたい曲だと思ったので、歌とリズムをユニゾンさせているところを始め、ギターでめだとうというよりも、グルーヴ感をだそうというところでアレンジを進めていきました。
狂鬼:シンプルにすればするほど難しい曲だと思うんです。
でも、みんなが頑張ってくれました。その分、歌を乗せるのがすごく楽でした。歌詞では、綺麗なものと汚いものが入り交じった感じを表現したかったので、“綺麗なものから生まれる,憎悪”がテーマになっているんです。雲一つない空って平和そうじゃないですか。でも、精神が落ち込んだときにそういった綺麗なものを見ると腹が立ったりする。そういったところに焦点をあてて書いていきましたね。悲し気な感じが歌で表現できたと思います。
––––5枚目のシングル「操り人間」は、またタイプの異なる1曲ですね。
狂鬼:これは、ザ・グリーヴァっていう感じです。これがグリーヴァだという曲は3作のどれかに持ってきたかったので、この5人でのグリーヴァというものがうまく提示できたと思いますね。ライヴも浮かびやすい曲になったのではないかなと。
陽:この曲を弾いていると、速さゆえ次第に肩がパンパンになってくるんですよ。ライヴは想定しながらも、レコーディングなんで綺麗に弾かなくてはいけないと思い、自分を抑え、淡々と弾いていきました。
––––誰が走っていったら崩れてしまいますもんね。
優冴:これ、クリック聴いて叩いていったんですけど、若干走るぐらいの方が面白いのかなと。
緋雨:そうしたら、こっちも走るしかないですね(笑)。
––––ファンの肩にはライヴでどう聴いてもらいたいですか?
碌:ライヴに関しては、自分は自由にやってもらえたらいいってずっと言っているんです。なので、これも聴いたまま、観たまま、感じたままにノッてくれればいいかなと思います。
––––ライヴ曲とは言え、歌詞が聞き取りやすいのもポイントではないでしょうか?
歌詞カードを見なければ内容はわからないと思うんですけど、歌詞も伝えたいところであるので、聞き取りやすいというのは嬉しいですね。ただ、書かれている内容は不気味ではありますが(笑)。僕好きなんです。だから、こういった内容を考えるのも楽しいんですよね。
––––6枚目のシングル「Fake」も、良い意味で狂った曲でした。
陽:原曲は僕が作ってきました。グリーヴァらしさも詰め込みたかったのですが、自分がかっこいいなと思うものを入れ、とにかく目まぐるしく展開の曲にしようと。いくつかに分割できそうなぐらい、構成は多めとなっています。最初は嫌がられるかなと思ったんですけど、メンバーは楽しんでくれているようでした(笑)/それぞれの良いところが随所にあるので、そこを聴いてもらいたいですね。
狂鬼:メロ付けは自分がやったんですけど、そのときに歌詞はぶっ飛んだのを書いた方が曲に合うなと思ったんです。それでも起承転結を付け、さらにはラストにどんでん返しも入れることができたので,自分も気に入った仕上がりとなっています。
優冴:じつは3曲を1日でレコーディングしたんですけど、1番大変そうだなと思ったのがこれだったので、最初にレコーディングしたんです。でも、覚えてしまえばすんなりといったので良かったです。
緋雨:優冴とは逆に、ベースはこの曲を最後に取ったんです。難解な分、他の曲の3倍ぐらいの時間が掛かるだろうと思ったので(笑)。でも、そのおかげで、1曲の中で全く違う色のフレーズを付けるってことを意識しながら弾いていくことができたので、結果オーライでしたね。
碌:自分で言うのも何ですけど、俺は記憶力が良いんですよ。だから、構成がややこしくても大丈夫。やりたいことが詰め込めた曲になりました。この曲こそ静と動を意識しながら弾いていくことができたので、結果オーライでしたね。
陽:デモを作る段階で全員の見せ場というのは計算していたので。自分としても、アレンジは迷いませんでしたね。
––––しかし、これだけ良い音をきかせられると、次回作が気になります。
狂鬼:掻き立てられているならば,こちらの作戦勝ちですね(笑)。7月1日にリリースするセカンドミニアルバム「妄想主義者ノ背徳。」ですが、着実に準備が進んでいます。とにかく激しく、そして僕の妄想が爆発している作品になると思うので、期待して下さい。そして、ライヴもたくさんあります。どんなイベントでも全力で、1回1回気持ちをリセットしてやっているんですけど、やっぱり僕らはライヴが好きなんでしょうね。だからこそ、1本も多くライヴをやりたくなるんだと思います。

Interview:ERI MIZUTANI

MadWink. PRESENTS
グリーヴァ 単独公演 LIVE 2015「Dead[en]D」
■日程:2015年11月3日(祝・火)
■会場:恵比寿 LIQUIDROOM