Gt.皐-satsuki

Ba.零-zero-

 Vo.朔-saku-

Dr.颯-hayate-

 Gt.茜-akane-

──2015年、最初に立てた目標って何だったんですか?
朔:「2014年よりもライヴをガンガンやりたい」って言った気がします。
──となると、まさに有言実行ですね。2015年、ゴシップはライヴだけではなく、音源もたくさんリリースしたではないですか。
朔:結果的に、そうなりましたね。でも、もう少し加速してもいいかなぁって。
──1年でこれだけの数を出しているのに?
朔:そうですね。ミニ・アルバム『出戻り鬼畜サイコ野郎(再犯)』なんて、3月に出したんですけど懐かしい感じがしますよ。だから、もっと、あっという間に時間が過ぎていってもいいかなっていう感覚ではありますね。
──朔さんは2015年を振り返ってみて、何か印象に残っている出来事はありますか?
朔:今年は音源のリリースも多かったんですけど、自分としてもやりたい事が明確になってきた年だったなと。ヴォーカルとして、どういう風になっていきたいかっていうのもその1つではありますね。もちろん、その気持ちは結成当初からブレてはいないんですけど、もっと深く、自分と向き合える時間が増えていったような気がします。
──ちなみに、やりたい事が明確になってきた要因の1つとして挙げられるものは?
朔:ライヴですね。1本1本やっていく中で、得るものだったり考える事だったりが重要だなって、改めて気付く事が出来て。それはやっぱり、作品の中にも出ていると思うんですよね。だからこそ、自分を知るという機会も多かったのかなと思います。
──他バンドと一緒に廻るイベント・ライヴも多かった分、触発されたところもあるのかもしれませんね?
朔:他と比較はしないんですけど、良い影響を受けたいという気持ちが強くて。だから、他のバンドさんの良い部分を見たり触れたりすると、自分達の中にも新しいものが出てくるし。その上で、自分の歌が武器だなというのは、前と比べても一層分かるようにはなりました。
──成長しましたね。
朔:ですかね。そこは、実際どうなのか、茜さんに聞いてもらいたいです。
──いかがでしょう?
茜:成長は朔に限らず、全員していると思うんです。それこそ、始動した頃は右も左も分からなかったんですけど、今年は自分達で作り上げるというか、バンドコンセプト然り、自分達がやりたいものを提示する事ができたので、事務所の社長を含め、みんなで良いものを作っていったなという感じがしますね。
朔:本当に、その点に関しては、事務所からも理解をもらえているというか。良い環境でやらせてもらっているからこそ、自分達で発信しないといけないって思ったんでしょうね。
──やりたい事をやる為には、周りの大人を説得するのも必要となります。メンバーの中で、1番プレゼンテーションがうまいのはどなたですか?
朔:やっぱり、リーダーでしょうね。
皐:そうですね。僕の意志は誰よりも固いんで。だから、何事も突き通しますよ。
朔:そういうところでは、割と強気なんですよ。たとえば、「一気に10曲作れるか?」って聞かれても、即答で「できます!」って答えるんで。
皐:実際、ちゃんと作りましたからね。
朔:だからこそ、大人にも納得してもらえるというか。
──それは何よりです。では、茜さんはこの1年で、何か変わったところはありますか?
茜:バンドとしてではなく、自分の中で決めていた事があって。それは、始動して1年が経つまでに自分のキャラクターを色々な人に知ってもらおうって。それに関しては実現する事が出来たので、次はギターをもっと頑張ろうって思ってるんです。なので、変わったというよりかは、今も変わり続けているという感じですね。
皐:でも、最初と比べたら、ギターの腕は上がったと思いますよ。
茜:最初の頃は、ギターをちゃんと弾くよりも、観ている人に何かを残さないといけないっていう事を主に考えていて。だから、メンバーと同じ事をしていてもしょうがないって思ったんですよね。やっぱり、メンバーは仲間とは言え、ステージに立てばライバルですから。それで、負けたくないっていう気持ちから、バンド内に1人ぐらい変な奴がいてもいいだろうって思ってやってきたんですよね。なので、皐の事もライバルとして見てはいるんですけど、ライヴではあんまり上手の位置まで来ないんで、まぁいいかって(笑)。でも、ヴィジュアル系としてやっているからには、その言葉どおり、見た目も大事だなとは思いますね。その上で、観ている人が楽しんだり、笑ってくれたりしたらいいかなって。
──これからもっと楽しくなりそうですね?
茜:そうですね。自分がそうやって頑張っていけば、バンドも力を付けていくと思うので。だから、これから先、上を目指していく為には、自分にしか出来ない事を突き詰めていきたいと思います。
──短期間で目指す方向が見つかって良かったです。皐さんも負けていられませんね?
皐:そうですね。ライヴに関しては、周りを広く見られるようにはなったなって思うんですよ。それだけに、メンバー間でアイコンタクトもスムーズに取れるようになったし。
零:僕の位置から見ていると、ライヴでの皐の動きはだいぶ良くなってきたなって思いますよ。
皐:あ、ほんとに(笑)。何か、ライヴをやっているうちに色々と気付く事が出来たんですよね。きっと、心の余裕が出てきたんだと思います。余裕が出てきたからこそ、自分もライヴをやっていて楽しいし、それがお客さんにも伝わっているなと感じますね。あと、そうしたお客さんのノリを、自分の中で消化した上で曲作りに活かしているところもあるので、周りを広く見られるようになったのは、自分としては大きな出来事でした。
──ますますのライヴ・パフォーマンスを期待していますよ。零さんとしては、今年を振り返ってみていかがですか?
零:ライヴに対する考え方が、自分の中ではすごく変わったなと思います。ツアーを重ねた事で、ステージ上での皐の動きが読めるようになってきたんですよ。相手の余裕が分かるからこそ、自分はここで少し引こうとか考えられるんですよね。それは、朔と茜の動きに対してもそうで。あとは、颯の方を見てアイコンタクトを取るっていうのも楽しくなってきたし。そう思うと、始動した頃は、この曲をちゃんと弾かないといけないっていう事を考えすぎていたような気がします。でも、今となっては、考えているのはもちろんの事、曲へ対しての集中の仕方が変わってきましたね。
──なるほど。颯さんはいかがです、今年を振り返ってみて?
颯:ずっと積み上げてきたものが現実になったり、目の前に結果となって表われたりした1年だったなと思います。それもあって、自分の人生の中で1番充実した年でしたね。あとはとにかく、周りの人から助けられたなと。その分、自分も頑張らないとって思う事が多かったですね。
──その中でも、嬉しかった事って何ですか?
颯:楽器メーカーと契約が決まった事ですね。それは楽器を始めた時からの夢でもあったので、カタログやホームページに載るっていうのは嬉しい事でもありました。
零:その時の颯、テンション高かったですよ(笑)。
颯:いやいや、そんな。何ヵ月も前の話なので。
──確実に、バンドとして成長されていますね?
茜:ようやく、バンドとして認知されるようになったかなと思います。そこは、Ainsツアーで全国を廻れたのが大きいんですよね。過去最大キャパでもライヴをやる事が出来ましたからね。
──そうでしたね。しかも、そうした成長具合は、新作の「東京スキャンダル」に反映されていると思います。
朔:そう言っていただけるのなら嬉しいです。俺達は、リリースする作品に対して、いつもその時の全力を出しているので。
零:全力でやっているからこそ、リリースした作品に悔いがないんだと思います。
──演奏も歌も良くなっていますが、変わらないのは歌詞の世界観ではないですか?
朔:言ってしまえば、四六時中、中二病ですからね(笑)。でも、それだけに、最初の頃の歌詞も自信があるし、何年経っても歌えると思うんですよ。俺がやりたい世界観っていうのは、全て歌詞に込められているので。新作の「東京スキャンダル」も遊び心の詰まった作品であると思うんですよね。俺が書く歌詞も人間の内面が剥き出しとなっているし、みんなが作ってくる音にしてもそう。1つ1つを深く掘り下げてこそ、バンドとしての進化が見えるんじゃないかなって。だから、この作品にはゴシップの“深化”が出ていると思います。
──深い部分でこそ変わっていきたいという事で、“深化”なんですね。それにしても、今回もエグいなぁと。
朔:「スキャンダル1 .秘飼イ妄想ト地下室 type.B」を始め、俺のやりたい事が詰まっていますね。今回、リード曲なしの4曲入りなんですけど、なぜ、リード曲を打ち出さないのかというと、4曲を通して聴いた時に相乗効果を感じてもらいたいからなんです。だから、曲のテイストが違っていても、お互いに曲の側面を引き出し合える楽曲を揃えたかった。だからこそ、エグさはブレずに出していくべきだろうと。
──聴かせる楽曲あり、ライヴでの定番曲となりそうな暴れ曲あり、今回も多岐に渡っていますが、違和感なく聴けるのはそういった意図があったからなんですね?
朔:そうした俺の想いを、皐と茜が汲み取って作曲してくれているというのもありますけどね。だから、俺は俺らしくあり続ける事が、曲にとって良い事なんじゃないかって思うんです。
──「東京スキャンダル」が完成した今、それぞれに何を思いますか?
皐:レコーディングが終わってからもちゃんと通して聴いているんですけど、次は、ここをもっと活かしていこうっていうのが見える作品でもありますね。
茜:僕は、ドラムを全部作ってからギターを乗せていくという形で曲を作っているので、基本、ノリ重視なんです。だから、今回も手がそこにいったからという感覚で2曲作っていきました。でも、今回の作品は「スキャンダル1 .秘飼イ妄想ト地下室 type.B」がなかったら成り立っていないと思うんですよ。だから、この曲のデモを皐が持ってきた段階で、これは良い作品になるなって感じたし、結果としてゴシップの新たなる表現を見せられたなと思います。
零:4曲の中では、「スキャンダル2.antiTABLOID」が1番変わっていくような感じがするんですよね。自分としては、ここでシャウトしなくてはいけないんだろうなぁとか考えているんですけど。だから、これからはスタジオでの練習に励むだけです。
──俺がみんなを引っ張っていくぞ、という意識でやっていきますか?
零:そうですね、もちろん。
颯:俺は、各パートの音量バランスにこだわったんですよ。なので、その時は楽しんで聴くというよりも、理想の形に近付けるという感じでした。あとは、ライヴに向けて譜面を引っ張り出して自分の音と向き合うだけです。
──ライヴでは音源どおりに演奏しますか? それとも、アレンジをしますか?
颯:そもそも、レコーディングの段階でアレンジしているようなものなので(笑)。基本的には、そこと同じように叩くだけですね。個人的には、「スキャンダル4.スキャンダル【スキャンダリィ】スキャンダラス」をライヴでやるのが楽しみでもあります。ここでは、ベースとドラムの掛け合いがあるんですけど、そこだけ切り取って何度かループして演奏するのも面白そうだなって。そういう意味で、扇り曲の方が尺とか変えてもいけるんじゃないかなって。反対に、「スキャンダル1 .秘飼イ妄想ト地下室 type.B」や「スキャンダル3.縁切リ日記」などは歌メロがしっかりしているので、お客さんもCDどおりに聴きたいと思うんですよね。
──確かに。では、今の意見は全部採用でお願いします。
朔:考えておきます(笑)。
──そして、2月21日には目黒鹿鳴館で単独公演「縁切リ」が行われますね?
朔:はい。やっぱり、ここに収録されている曲もライヴで成長させていきたいっていう気持ちはありますね。と言いながら、演奏しないかもしれないですけど。
零:天の邪鬼だな(笑)。
朔:でも、とにかく観る人達にびっくりしてもらいたいっていうのはありますよ。俺としては、楽しみというのは、まず期待を裏切るところにあると思っているので。
──イベント・ライヴでゴシップを知った人も、この日たくさんいるかもしれませんしね?
朔:それは重大ですね。じゃあ、「俺達のワンマンはこういうものなんだ!」っていうのを見せてやりたいと思いますよ。それこそ、みんなの心にトラウマを残すぐらい、強烈なものをね(笑)。

Interview ERI MIZUTANI