Ba.明弥 |
Vo.ハロ |
Dr.正人 |
Gt.夢人 |
──振り返ってみると、2015年はベルにとって忙しい年となりましたね?
明弥:そうですね、めちゃ忙しかったです。
ハロ:年末はカウントダウンライヴにも出ましたからね。しかも、2箇所。
──そうして迎えた2016年。バンドでの目標は立てましたか?
明弥:大きな目標としては、5月にやる東京キネマ倶楽部でのワンマンを成功させる事。そして、2月に発売される初のフルアルバムの制作ですね。でも、去年よりもたくさんライヴをやりたいので、常に進化していきたいというのが、バンドでの目標です。
ハロ:ついこの間、1周年のワンマンをやったんですけど、もう2周年の事をみんなで話しているので、もう頭が追い付いていないです(笑)。
──バンドとしての目標はそうやってたくさん決まっていますが、それぞれの今年の目標は?
明弥:個人的な目標は、滑舌を良くする事です。いや、これはマジですよ。何だったら、手術でもしようかなと。って、今、手術もうまく言えてないんですけど(笑)。
ハロ:でも、あっきーが滑舌良くなったら、普段いじれなくなるから困る。
──それは、滑舌を良くしてライヴで活かしたいと考えているんですか?
明弥:そうですね、MCとか。ほら、ワンマンも今年はたくさんあるし。
ハロ:やだよ、ハキハキと喋るあっきーなんて(笑)。
明弥:まぁ、そんな冗談はさて置き(笑)。真面目な話をすると、ベルは自主バンドなので、自分たちでやらなきゃいけない事も多いんですね。だから、去年は楽器に対して触れる時間が少なかったかなって自分では思うんですよ。だから、今年はいっぱいベースに触れて、プレイヤーとして成長していきたいなと。
──なるほど。夢人さんはいかがですか、今年の目標は。
夢人:僕、今日体調が良いんですよ。
──珍しいですよね。いつも作曲作業に追われていて、インタヴューのときはグッタリとしている事が多いだけに(笑)。
夢人:そう、珍しく体調が良いので、今日はインタヴューに来る前に掃除と洗濯をしてきました。
──じゃあ、今年は体調面に気を付けるというのが、夢人さんの目標ですか?
夢人:ですね。とはいえ、アルバムの制作が控えているので、その忙しさから、また体調崩しそうなんですけど(苦笑)。だから、ギターも頑張ってレコーディングしますけど、それと同じぐらい、掃除と洗濯も頑張りたい。人間らしい生活をするっていうのが、今年の僕の目標です。
──そこに関しては、ブログで逐一発表してくれる事を期待しています(笑)。正人さんはいかがです、今年の目標は?
正人:今年最初の目標は、おみくじで大吉をひくって事だったんですね。そうしたら、一発でひいちゃったので、目標達成できました(笑)。
──仕事運は、何て書いてありました?
正人:あっ、大吉をひいた事が嬉しくて、中身はそんなに見てなかったです。
──あら(笑)。でも、良いスタートが切れましたね。
正人:はい。あと、プレイ面に関しては、去年の自分がびっくりするぐらいの自分になれたらなって。でも、大吉をひいたんで、この目標も大丈夫かなと思います。
ハロ:ちなみに、僕もおみくじを今年最初にひいたんですよ。そうしたら何と、大吉でした!
夢人:僕は、吉だったんですよ。
ハロ:誰も悪い感じのおみくじはひいてなかったね。あとは、これからあっきーがひきに行くみたいなんで、結果に期待です。
明弥:去年は大吉でした。
ハロ:もし、あっきーが悪い感じのおみくじひいたら、滝行に行ってもらいます。やっぱり、バンドに悪い気が持ってきてもらいたくないので。
夢人:ちょっと、それ見たい。
正人:うん、見たい(笑)。
明弥:しんどいわー。
──さて、どうなりますか(笑)。では、ハロさんの今年の目標は?
ハロ:去年は、歌や歌詞を通して自分に向き合うという作業の連続だったので、今年はバンドがもっと上に行けるように精進していくっていうのが、僕の目標ですね。あと、音楽とは掛け離れたところで言うと、旅に出たいんですよ。元々、目的地とか決めずにリュック持ってフラッと旅行に行く事が趣味でもあるので、今年はちょっと行きたいなぁって。
──滝行に?
ハロ:いやいや、何でそうなるんですか(笑)。でも、歌詞を書くときって、場面を変えないと言葉が生まれてこないんですよ。だから、見る景色を変えて、自分のボキャブラリーを増やしていきたいなって考えています。
──表現者として大事な事ですよね。しかし、今年が始まったばかりにも関わらず、皆さんは既にフルアルバム『歌謡サスペンス劇場』の制作にいそしんでいて。
ハロ:そうですね。
明弥:去年は、ミニアルバムも出したので、1年間で20曲ぐらい作ったんですよ。今回はフルアルバムに新曲が8曲入るんですけど、そうすると28曲になるんですよね。始動から1年半も経ってないバンドなのに多いなぁって(笑)。
──既存曲を多くしてもフルアルバムは成り立つと思うんですけど、そこまで多く新曲を入れたのはなぜですか?
明弥:やっぱり、「ベルは曲が良い」ってみんなに言ってもらえるからですね。それで、今まで出した曲に新しい要素を加えて、“歌謡サスペンス”というバンドコンセプトの集大成をファンに届けたいなという気持ちが強かったんです。
──まだ歌が入っていない状態の新曲を聴かせていただきましたが、どれもワクワクする内容でした。
夢人:ありがとうございます。バンドとしてやりたい方向性が見えているので、まとまった感じになっているのかなって。
──リードトラックには、夢人さん作曲の「はぐれ刑事(仮)」が収録されます。今のところ、この曲は仮タイトルのようですが。
夢人:そうですね、今は仮タイトルとなっています。
ハロ:歌詞は見てもらった内容から変わらないと思います。僕の中で、ゴールは見えたので(笑)。
──短い期間の中で、新曲の歌詞を書く作業は、ハロさんにとってかなり大変だったのではないですか?
ハロ:一気に歌詞を書きすぎたせいか、今朝は錯乱状態に陥って、独り言を喋ってました。「気持ち良い~」って。
──それ、ランナーズハイと同じ現象じゃないですか。
ハロ:ほんとですよね。確かに、歌詞を書く事は大変な作業でもあるけれど、暇な方が1番嫌なので、追い込まれる状況すら気持ち良くなってしまったというか。
──もはや、悟りをひらいた修行僧。
ハロ:いやいや(笑)。本当は、年末までに全部書き終えたかったんですけど終わらなかったので、正月返上して書いてました。
──歌詞を作り出す苦しみというのは、夢人さんなら理解できるのではないですか?
夢人:分かります。僕だったら、一気に新曲8曲の歌詞書けって言われたら、嫌ですもん。とか言いつつ、ハロくんを励ましもしなかったんですけど(笑)。
ハロ:でも、夢とあっきーは曲を作る苦しさがあるし、正人は新曲ができて、その数日後にレックだったので、それぞれに大変だったとは思うんですよ。
明弥:正人のドラム、本当にかっこいいんですよ。年末でライヴが忙しい中、よくやってくれたなって。
正人:今回のドラムレックは、2日に分けて新曲を4曲ずつ録っていったんです。曲が上がってくるタイミングがギリギリという事もあって、そこから細かくフィルを考えて、尚且つ覚えないといけないっていう作業に、僕も途中で錯乱状態に陥りましたけど、かっこいいって言われたら、頑張っちゃおうっていう気にはなりますよ(笑)。
ハロ:でも、今回は本当に全員で甘えが許されなかったですね。
──甘えが許されないというのも、バンドにとっては良い事かもしれませんね。
夢人:ですね。僕はスイッチが入ったら作曲するのは大変ではないんですよ。ただ、すぐにスイッチが入ればいいんですけど、なかなかそうもいかなくて。だから今回も、夏休みの宿題を9月2日にやった感じです(笑)。
──でも、夢人さんの場合、作り出すと早いから。
夢人:明弥が先に曲を作っていてくれたんで、僕はそこにない曲を出すっていう。ストックがあればいいんですけど、やりたいものしか出したくないという性格なので、どうしても余分なバリエーションの曲を作っておく事ができないんですよね。だから、必要なものが出てきた上で新曲を作りたいんです。
──だからこそ、常に瑞々しい曲ができるんですね。
夢人:うん。だから、今回もビッシャビシャな曲が揃ってます(笑)。まだ完成してはいないんですけど、自信作になりそうだなって。
──フルアルバムというだけに、曲の並びも気になります。
夢人:そこは、明弥先生から全員に課題が出されて。
明弥:メンバー全員で曲順を考えるのではなく、まずはそれぞれに雛形を考えてくるのも面白いかなと思い、「とりあえず考えてきてね!」って、昨日みんなにメールしました(笑)。で、結果的に意見が分かれたら、あみだくじで決めても良いかなって。
夢人:って言われて、そういえば学生時代、クラスにこういうやつ1人はいたなぁって思い出した。
正人:分かる、学級委員長的な(笑)。
ハロ:このあと、メンバーでミーティングしようと思っているので、そこで決まると思います。
──その話を聞くと、ますます曲の並びが楽しみです。どんなフルアルバムになりそうか、もう少しヒントを下さい。
夢人:良い意味で、黒鉛筆と赤鉛筆しかないなっていう感じですね。
──他の色は?
夢人:ないんですよ。それだけ、色がハッキリとしている。
明弥:確かに、内容としては濃いよね。
夢人:今、色鉛筆でアルバムをたとえましたけど、そうやって黒い気分と赤い気分の人が聴いてくれたらいいなって。それこそ、私は青い気分だっていう人がいたら、僕たちではなくて他の作品を聴けばいいし。
──それだけ、1本のスジが通った作品になると。
夢人:そうです。色が濃いだけに、聴いているとベストアルバムって感じがしちゃう。
ハロ:あぁ、それはすごく分かるわ。
夢人:たとえ、その濃さを和らげようとしても……。
明弥:無理!(笑)。アルバムって、リピートして聴く事が多いじゃないですか。だから、1曲の持つ力が強いと聴いている側が疲れてしまうかなと思ったんですけど、僕たちが今回出すフルアルバムは、どれもが自信作。本当に捨て曲と呼ばれるものがないんですよね。
夢人:全部、シングルカットできるよっていうぐらいの感じはあります。
明弥:自分たちで言うもの何ですけど、良い曲ばっかりです。
──その中には、「万華鏡2」という曲もあります。これはもしかして?
ハロ:以前出した「万華鏡」のアンサーソングとなります。
明弥:「万華鏡」は自分が作曲したんですけど、初めてメンバーに聴かせたのが、この曲なんですよね。それだけに思い入れも強くて。そこで今回、「万華鏡2」として、バラード曲を入れる事になりました。
──両方を聴いてみるのも面白そうですね。他も良い曲が揃っているので、仕上がりを楽しみにしています。
明弥:僕たちとしても楽しみです。
──そして、このアルバムが発売された後には、初の東名阪ワンマンツアーが控えています。まずは、2月下旬に名古屋と大阪でのライヴがありますが、どんな感じにしたいですか?
ハロ:きっと、アルバムができた事によってライヴの流れも変わると思うんですよね。バンドも始動から2年目に入るので、これを機に、もっと良いライヴを見せていけたらと思います。
──5月5日には、東京キネマ倶楽部でファイナルがあります。インタヴュー冒頭、明弥さんが今年の目標として、この場所は成功させたいとおっしゃっていましたね。
明弥:はい。名古屋と大阪でのライヴが終わった後は、イベントライヴもたくさんあるので、それらをグルッと廻って、最後のキネマ倶楽部に辿り着きたいなと。
──もちろん、アルバムの曲も披露してくれますよね?
夢人:ワンマンツアーではやります。名古屋、大阪、東京、3つの会場すべてを合わせると、アルバムの曲が全部聴けるんじゃないかなと思います。でも、早く新曲は披露したいですね。というよりも、早くアルバム完成しないかな!
明弥:ほんとだよね。
夢人:僕としては、アルバムができあがって、それを聴いてくれたファンの子たちの意見を聞いて、とりあえずゴールを迎えられるかなって。
──その上で、ライヴで披露してもう1つのゴールが見えるんじゃありませんか?
ハロ:そうですね。
夢人:じゃあ、1年後にアルバム完成記念ライヴでもしようか。
明弥:それだと遅いし、その間にまた新曲できちゃうから(笑)。
ハロ:今年は、キネマ以降もライヴがたくさんあるので、そこは楽しみにしていてもらいたいですね。
Interview:ERI MIZUTANI