Gt.みくる

Ba.悠

Vo.レン

Dr.凪

Gt.nisa

──ニューシングル「人生つらみちゃん」が4月13日にリリースされます。本作は、テーマ先行で作られていったのですか?
レン:自分達は、割と先にコンセプトを決めてから曲を作っていますね。こういうテーマでやりたいというのを最初にメンバーに言っておくんですよ。
──そこで中心となって発言するのは、レンさんなんですね?
レン:まぁ、そうですね。何をやりたいというのは言います。そこから、みんなが感じるものを持ってきてもらって選んでいくんですよ。
──今回、テーマに置いた事というのは?
レン:“つらい”ですね。
──つらい出来事でもあったのですか?
レン:(メンバーに向かって)つらいよね?
一同:うん、つらい。
レン:あははは(笑)。
──それで、つらさを表現した曲でいこうとなったんですね?
レン:そうなんです。それに、ヴィジュアル系だからこそ伝えられる事ってあるじゃないですか。綺麗な部分では無い部分を伝えられたらと思っていたので、こうしたテーマにしたんです。そうしたら、メンバーもそれでいこうよってなったので、これで決まりました。
──そういったきっかけがあったのですね。しかし、そういう風にテーマが先にあると、作曲する際に大変になってきそうですが?
レン:いや、そこは大丈夫だと思いますよ、つらい人間ばっかりなので(笑)。
悠:いつも、テーマありきで僕とnisaとみくるが曲を作って、「せーの!」で持ってくるんですけど、今回は良いのがなくて1度持ち帰りになったんですよ。今までそんな事は無かったんですけど、それでまた持ち寄って、そこでもまたダメで。
──それは、もっと良いものが出来るだろうという期待があってのダメ出しですよね?
レン:そうですね。自分で作ってもいないのに、「もっといけるんじゃない?」とは言いました(笑)。でも、後もうちょっとっていう感じがしたんですよね。きっと、リスナーと同じ感覚で物を言っているんですよ。
──良い感性だと思います。
悠:作っている側としても、最初はみんなそんなに自信が無かったんですよ。だから、これで100%いけるでしょとは思って無かった。
レン:あぁ、じゃあ俺はそこに逸早く気付いたのか。
悠:ただ、自分としては1度出来た曲を作り直すというのがすごく苦手なんですよ。「これは、これ」という感じなので、そこでもう1曲作ろうと思って出来たのが、今ある形なんです。
──改めて作った時は、アイディアがふと降りてきた感じだったのですか?
悠:そうですね。結構サラッと出来ました、この曲は。
──サビが印象的でもありますね。ほんと、これで通って良かったです。
レン:さすがにそこで落としたら、俺のせいになりますよね(笑)。でも、インスピレーションというか、聴いてすぐに「そう!そう!」と思えたので、これしか無いかなと。
──でも、作曲に対してハードルを上げたわけだから、作詞も同じように頑張らないといけないですよね?
レン:おっと(苦笑)。
nisa:確かに、それはそうですよね(笑)。
悠:やられた分、やり返すっていう(笑)。
レン:でも、自分の中ではハードル上げましたよ!
──レンさんは歌詞を書くのは早い方ですか?
レン:めちゃくちゃ遅い方だと思います。というのも、流れはこれで良いだろうかとか、伝えたい事はちゃんと伝わるだろうかとか、すごく考えてしまうんですよね。だから、変えたい部分が出てくれば、レコーディングの前日になっても平気で変えてしまうし。
──でも、この曲にはちゃんとメッセージ性があります。
レン:前は、言葉を難しく言うのがかっこいいっていうところがあったんですけど、最近ではストレートに表現する方が自分らしさは出るなと思って、書きたい事を書こうと思って書きましたね。
──それにしても、タイトルのインパクトがすごい。
レン:それはみんなで考えたんですよ。
悠:タイトルは1番最後だったんです。
レン:初めは“つらみ”だったんですけど、そこから“つらみちゃん”になって、最終的に「人生つらみちゃん」になりました。
──それだけキチッと決まった上でレコーディングに臨んだとなると、進行もかなり早かったのではないですか?
悠:ドラムに関して言うと、僕が作った曲ではある程度こういうのを叩いてくれっていうのを先に言うんですよ。なので、リズム隊同士、特に話し合うっていう感じでは無いですね。
凪:「こうします!」っていうやつをデータで送って、それに対して悠がベースを付けてきてくれるので。
──そういう風にやり取りがスムーズなのは、息が合っている証拠ですね。
凪:けど、レコーディングを振り返ってみると、つらかったですね。
──何も、そこまで曲に合わせなくても(笑)。
凪:でも、このシングルは今までで1番レコーディングに時間が掛かって。ものすごくテイクを重ねてましたね。もちろん、その場にメンバーも立ち会って意見を出してはくれるんですけど、自分が納得するまでひたすら演奏してました。
──そんな中、自分の聴きどころを挙げるとすると?
凪:全部ですね。とりあえず速いしフレーズも詰まっているところが多いので、全体的に聴いてもらいたいです。
悠:今回、ドラムの音が本当に良くて。そこはもう素晴らしいですね。
nisa:今回、勢いのある音してるんですよ。
悠:そうそう。だから、曲にすごく合ってましたね。
──となると、ベースも負けてはいられません。
悠:ベースは今回、裏方じゃないですけど、そこまで目立つ事はしていないんですよ。リズムとメロが大事かなと思ったので、音も前に出てくる感じでは無いですね。
──曲を引き立たせる為にそうしたのですね。
悠:自分の曲だったらそんなに目立とうとしないんですよね。逆に、他のメンバーが作った曲だと、こういうのを付けたら面白いんじゃないかって思うんですけど、自分の曲だとやっぱり歌が大事だなって。だから、裏方に徹しました。
──なるほど。ギター隊はこの曲のレコーディングを振り返ってみていかがですか?
nisa:うちには、作曲者絶対制度があるので、作曲者からOKをもらえばそれで大丈夫なんですよ。なので、そこからレコーディングに入っていくという感じでした。
みくる:レコーディングは、僕は割とすんなりいけましたね。今回の作品は今までの自分のギターに比べたら音色も少ないし割とシンプルなんですけど、今までの培ってきたものをぶつけた感じですね。ただ、ギターソロにはこだわったので、何回も録り直しました。アーミングがエロいです。
一同:うんうん、エロかった、エロかった。
みくる:急に褒め出した(笑)。
──楽器陣それぞれにバランスが取れていますよね?
みくる:会話はあまり無いんですけどね。
──そこは、音で会話しているから?
一同:そうなんですよ。
みくる:音と心で会話してます。
レン:そんなわけ!(笑)。
──良いオチが付きました(笑)。もう1曲の「ウザい歌」も「人生つらみちゃん」と同じように覚えやすい曲ですね?
レン:ここではテーマは無かったんですよ。
悠:いつもカップリングはそうですね。曲で選ぶっていう。
──それはそれで難しそうです。
nisa:そうですね。ただ、ワンマンをやっていくと、こういう曲が欲しいっていうのが出てくるんですよね。そこを考えながら作ったのが、これですね。今までレイヴにファンク要素が無かったので、こういう曲があっても面白いかなと。
──nisaさんは普段からファンクをよく聴かれるのですか?
nisa:いや、そこまでは。なので、大まかなイメージで作っていったんですよ。
──でも、逆にそれが良かったのかもしれませんね?
悠:聴いた時はすごく難しそうだなって思ったんですよ。でも、それぞれの音のデータを単体で聴いてみると、意外と単調だったんです。だから、レコーディングはそんなに苦戦する事は無かったですね。
──ここでもシンプルに徹したんですね。
悠:最初はもっとベースは動いてくれっていう感じだったんですけど、それはちょっと違う気がすると思って極限まで削ったんですよ。
──大人っぽさが出ていますね。
悠:大人の色気ですよ(笑)。でも、この曲ってそうじゃないですか。
──確かにそうです。けど、歌詞に描かれている世界は色気とは無縁で。
レン:はい。ただ単に、こういうヤツっているよなぁと思って書いていったんですけど、ムカつく感じになりましたね。「人生つらみちゃん」もそうだったんですけど、「ウザい歌」も女性目線で書いていきました。
──歌詞に出てくる“自慢話の多い女性”というのは、皆さんのタイプではありませんか?
一同:うーん(頷く)。
凪:でも、確かにこういう人っていますよね。
nisa:それをファンクのノリで歌っているところが面白いですよね。
レン:だからこそ、ウイスキーを片手に聴いてもらいたいですね。
──大人の雰囲気ですね。未成年のファンはどうしましょう?
レン:麦茶で!(笑)。
──この2曲を聴いただけでも、今後のライヴが面白くなりそうな予感がしました。8月13日には恵比寿リキッドルームにてワンマンライヴ「サディスティックヒロイン~同情するなら愛をくれ~」が行われます。
レン:はい。ただ、メンバー全員、リキッドルームに行った事が無いんですけど(笑)。
悠:でも、4周年記念のワンマンだし、パーッとやろうかなと。
──お祭り感が出そうですか?
悠:それも有りだと思います。
──楽しみですね。ちなみに、この4年間というのは皆さんにとって早かったですか?
レン:あっという間でしたね。
悠:ほんと、一瞬です。でも、「もっとこうしよう」っていうのは、まだまだ出てきますね。
──目標がたくさんあるという事ですね?
悠:そうですね。個人の意識は確実に上がってます。
──昔と比べて変化したなと思うのは、誰でしょう?
nisa:凪じゃないの?
凪:そう思う。昔は、バンドって楽しいなって事しか考えて無かったんですよ。でも、東京に出てきてから意識が変わってきて。東京ってバンドも数多くいるじゃないですか。そこで、負けたくないっていう気持ちが芽生えてきたんですよね。だから、それをちゃんと音で出せるように頑張りたいと思います。
悠:ドラムがまたうまくなったなっていうのは結構感じるんですよね。昔はどちらかというと、ベースで引っ張ろうと思っていたんですけど、最近はこっちが乗っかってしまおうかなと思えるようになってきて。それだけに、自分の気持ちにゆとりが出てきました。
──ギター隊もこの4年で変化はありましたか?
nisa:るんるんはめっちゃギターがうまくなったと思います。それこそ、さっきの凪の話じゃないけど、東京の刺激を結構受けたと思うんです。
みくる:僕も凪と近いところがあって。昔は、楽をしていたところもあったんです。ツインギターでもソロを弾く事も無かったし、前に出る事も無かった。だけど、東京に出てきてから自分を怒ってくれる先輩の存在もあって、いちギタリストとしての目標が出来たんですよね。そこから自分は変わっていきました。
──4年間で色々と見つけたのですね。レンさんも楽器隊と同じように、自分はこの4年で変われたなと思いますか?
レンそ:そうですね。色々と模索して変わってきたと思います。ただ、やりたい事は原点に戻ったなと思うんですよ。発信する側として嘘は付けないし、やりたい事は完璧に自分の中で描けているので、それをちゃんと口に出して言う事も出来る。やりたい事に気付くまでに4年掛かりましたけど、今、俺の夢は明確になっていますね。だからこそ、8月のリキッドルームはヴィジュアル系の良さとライヴの良さを伝えられたらなと思います。
──きっと、素晴らしい景色が観られると思います。でも、ここを成功させる為にも、ワンマンライヴ「道場破り2016」はきちんとやらないといけませんね?
レン:道場破りは2月に1本やったんですけど、めっちゃ楽しいっすよ(笑)。
──この後に3本行われますが、それぞれ主旨が異なるそうですね?
nisa:その分、気負わなくていいというか。ラフな気持ちで出来るのでバンドの一体感が高まると思います。
悠:どれも面白いと思うんですけど、博多でやるリクエストアワードは自分としてもめっちゃ楽しみで。ここではファン投票によって選ばれた20位から1位までを順番に演奏していくんですけど、懐かしい曲も出ると思うので、今から思い出す作業をしていかないとなって(笑)。
──その為にも、日々の練習を頑張って下さいね。
一同:頑張ります!(笑)。
Interview:ERI MIZUTANI