Gt.たら

Ba.CHINATSU

Vo.ペロ

Dr.shou

Gt.しゅうた

──現体制になったのはいつですか?
しゅうた:今年の2月14日からなので、生まれたてという感じですね。僕らの中では復活というよりも、Glam Grammarの血を受け継いだ別のモノという感覚でやっているので、新しいバンドとして見てもらえたらなとは思っています。
──新しいメンバーが3人も入りましたが、声を掛けたのはしゅうたさんですか?
しゅうた:元々、ギターのたらはGlam Grammar時代にローディーをやっていたんです。それで、音楽の趣味も合うし、ギターも上手いので、これは良いんじゃないかなという事で声を掛けたんですね。そこからの流れで、たらと友達だったshouが来て。そして、shouの知り合いだったCHINATSUが加入するという。
──ものすごいいきさつですね(笑)。ただ、たらさんにとって、ペロさんとしゅうたさんは先輩にあたるわけですから、最初は緊張しませんでしたか?
たら:緊張は無かったです。それよりもずっと、2人のステージがかっこいいなって近くで見ていて、そこに、自分も入れるという事に楽しみを感じていました、ただ、僕も入ったら同じように出来ると思っていたんですけど、実際にライヴをやってみると、なかなか自分の思っていたとおりの動きをする事が出来なくて。やっぱり、上のメンバーにはかなわないところがあるなってすごく思いましたね。でも、これからちょっとずつでも追い付いていけたらいいなぁと。
──目標があった方がやりやすいですよね?
たら:そうですね。僕にとっては、その対象がメンバーなので、余計にそう思います。比べやすいというか、意識しやすいというか。仲間でもあり、憧れでもあるんだけど、ライバルでもあって。そういった環境の中で音楽が出来ているのは良い事だなと思います。
──そのうち、先輩に指図するようになっているかも?
たら:あ、そうですね(笑)。でも、実際のところ、先輩と後輩っていう感じがあまり無いんですよ。
しゅうた:言われてみると、無いね(笑)。逆に、メンバーなのに、先輩っていう感じでずっと見られていたら、こっちとしてもやりづらいというか。だから、敬語とか遠慮みたいのはお互いに一切無しでやろうって一緒にやる時に言ったんですよ。先輩後輩ってよりは兄弟って感じ。
──しゅうたさんにとっても、新メンバーの加入は刺激となったようですね?
しゅうた:それは当然ありますね。特にたらは同じパートなので、フレージングにしてもステージングにしても刺激を受けるところはこちらとしてもいっぱいありますからね、普通にいちギタリストとして、たらっていうプレーヤーをリスペクトしてますよ。
──ギターチームは相性バッチリという事で。
しゅうた:はい。もう、相性は完璧だと思います。
──そして、たらさんがshouさんを誘ったそうですが、そもそも、どういった経緯で2人は知り合いに?
たら:このバンドに入る前に、セッションバンドをちょこちょこやっていたんです。そこでshouと何度か会う機会があったんですけど、同じ歳でこんなにドラムの上手い人がいるんだなって思って、shouに声を掛けたんです。
shou:そうだっけ?
たら:そうだよ!(笑)。
──そこから、じょじょに連絡を取るようになったんですか?
たら:そうですね。それからしばらくして、僕はGLAM GRAMM@Rに加入。そして、ドラムを探しているのをきっかけに、shouを誘う事になるんです。ちょっとスタジオに来て!って。
shou:いきなり言われたから、整理が付かなかったです(笑)。しかも、曲を突然渡されて。その時はまさか加入するなんて思ってもいなかったから、これは何だろうっていう感じでしたね。
しゅうた:こっちとしては、もう入れた気でいましたけどね(笑)。
shou:ただ、曲を全く覚えてこなかったんですよね。
しゅうた:まぁ、それはそうですよね。前日に渡して聴いておいてって言っただけなんで。
shou:で、聴いてはいたんですけど、当日スタジオに行ってみたら、じゃあ合わせてみようかって言われて、えっ!?ってなって(笑)。
しゅうた:それなのに、ちょっと叩いてみてよって、こっちも引き下がらないっていう(笑)。ところが、それがまた良かったんですよ。曲を覚えてきて無いにも関わらず、良いドラムを叩くっていう。
──でも、それってアドリブですよね?
しゅうた:そうですね。アドリブだからこそ聴ける、ドラマーとしての引き出しみたいのも凄く感じれて、ソコも含めて凄くかっこ良かった。
shou:そうそう、僕、スタジオ終わった後に自分から聞いたんですよ。まだ新メンバーって募集してますか?募集してたら一緒にやりたいって。
しゅうた:公に募集しているわけでは無かったんですけどね。でも、shouに白羽の矢は当てていたので、それを聞いて是非って。shouには考えてもらった上で後日返事下さい的な事言われたんですけど、この瞬間からメンバーになってよって感じでした。
shou:そうだったね(笑)。やっぱり、僕の好きな音楽性だったし、そういうところに惹かれてこのバンドをやってみたいって思ったんです。
──その後、shouさんがCHINATSUさんに声を掛けたんですよね?
shou:何て声を掛けたっけ?
CHINATSU:何だっけ?
しゅうた:ひょっとして、ちゃんと誘って無いんじゃないの(笑)。
たら:あれ、勝手に入ってきたの(笑)?
shou:そうかな(笑)。
しゅうた:でも、後1人、ベースだけってなったときに、面白い奴がいるってshouから紹介されたのがCHINATSUです。
CHINATSU:僕はshouしか知らなかったので、他のメンバーに関しては一切分からなかったんですよ。だから、最初に会った時は、どうしようって緊張していましたね。
しゅうた:緊張していたのが分かったので、怖いふりをしておきました。
──何て事を(笑)。
しゅうた:嘘ですよ。優しくしました(笑)。
CHINATSU:最初からすごくフランクに接してくれました。でも、GLAM GRAMM@Rに加入しようと思ったのは、色々とバンドをやってきた中で、このバンドならいけるって思ったからなんです。フィーリングというか、自分の感覚を信じてみました。
しゅうた:結果的に、すごく良いメンバーが揃ったと思います。
──新体制となり、変わったのはバンドの表記と、コンセプトもですか?
ペロ:Glam Grammar時代に掲げてた、“何でもかっこいい事をやっていこう”というコンセプトを、もっと具体的に、どう、かっこいい事をやるのか!?って部分を突き詰めたのが今の形かなって思っています。元々メンヘラちっくな歌詞は書いてはいたのですが、今は一層そこに焦点合わせ、そこから世界観作っていくって形でやっていますね。
しゅうた:1番最初に言った、元々の血を受け継いだ新しいモノって、要はこういう事なんですよね。
──6月1日に発売されるミニ・アルバム「“私”じゃないもう一人の“私”の見つけ方」を早速聴かせていただきましたが、とてもまとまりのある内容になっていましたね。ところで、シングルではなく、ミニ・アルバムという形にしたのは何か理由がありますか?
しゅうた:やっぱり、この5人での曲をより多く形にしたいという気持ちが強くて、シングルでは無く、ミニ・アルバムにしたんです。本当はフル・アルバムでも良いぐらいのプランは僕の頭の中にはあったんですよ。ただ、そうなるとどうしても制作期間が長くなってしまうんですよね、曲はたくさん出したい、でもリリースも早くしたい、なら、間を取ってミニ・アルバムだな、って事でこの形ですね。
──フル・アルバムを出そうという気持ちでいただけに、しゅうたさんは曲のストックをいっぱい作っておいたんですね?
しゅうた:いいえ、全く(笑)。
──おやまぁ(笑)。
しゅうた:ただ、今回バンド新たに“メンヘラパニックホラー”っていうコンセプトを掲げ、自分の中のメンヘラパニックホラーって何だろう?って時に頭の中で鳴っている音はたくさんあったんですよ、後はそれをかき集めて形にするだけと言うか、さぁミニアルバム作ろう!って時は曲が全く無かった割には、その辺は手詰まりせずスムーズに出来たのでは無いかと思っています。
──本作は1曲毎に聴きやすいし、バンドがパワーアップしたのが感じられました。
しゅうた:実際バンドの音が、より響くようなアレンジアプローチにしてるんですよ、昔だったら、ここはシンセ使って世界観広げて~って考えそうな所も、あくまでバンドの音に拘ってやってたり。そういう考え方をするようになったのも新メンバーの力は大きいですね、それを出来るだけの技術を持ってるし、普通に上手いんすよコイツ等、shouなんてレコーディング中エンジニアさんに褒められっぱなし(笑)
shou:嬉しいですね(照笑)。
ペロ:あと、今回は歌詞でも割と遊べたと思います。かっこいい楽曲にかっこいい歌詞を乗せるよりかは、世界観を重視したり、ふざけている感じの方が僕は好きなので、自分なりに今はこれだというものが書けたと思いますね。
しゅうた:結局そこが、うちの良い所に繋がるワケですよね、捻くれてて本当面白いな、このバンド、って思わせてくれる。
──表題曲の「リトル・マーメイド~the First Love~」は、MVも撮影されたんですね?
しゅうた:題材が人魚姫って事もあり、水に関する映像を作りたいなと思ったので、プールのある撮影スタジオで撮ってきました。
shou:そして、スネアが水没するという。
CHINATSU:あった、あった(笑)。
しゅうた:その瞬間、現場にいたみんなの動きが一瞬止まってから…一同笑い!みたいな(笑)。
shou:本当焦りましたね、まぁ、何とかなったから良いけど、いろんな意味で人生初のMV撮影は想い出に残る物になりましたよ。
──この曲はそもそも、どういう経緯で表題曲に決まったんですか?
ペロ:この曲はしゅうたが作ってきたんですけど、デモの段階から光っていたんですよね。凄く変則でなかなか他に無いですよね、こういう曲って、コンセプト的にもハマってるし、これが良いって推したんです。出来上がりは更に予想以上に良くなったので、やっぱりこれだったなと。
──色々な展開が詰まっていますよね?
しゅうた:そうですね、展開の仕方も一筋縄ではいかない展開と言いますか、そこが変則って部分に繋がるワケですけど、そういう変則な部分が僕達の持ち味でもあると思っているので、展開の多さというのは意識して作曲していきました。
──CHINATSUさんはレコーディングを振り返ってみていかがですか?
CHINATSU:うちはその変則って部分が多いので弾きこなすまでに多少時間は要するんですけど、身体に馴染むとそれが癖になるんですよね、普通のロックバンドで7/8拍子なんてやらないじゃないですか(笑)変則的にもフレーズ的にも1番手を焼いたのは、最後に入っている「メンヘラ」っていう曲ですね。これは自分的にもやってやったぞ!って感じです(笑)。
──ライヴでの見せ所にもなりそうです。shouさんはエンジニアさんに褒められたぐらいですから、レコーディングには慣れていそうですね?
shou:いや、これが初レコーディングです。
しゅうた:ほんと、嘘付いているんじゃないかっていうぐらいに上手いですよね。僕が最初にレコーディングした音なんて、今聴くと緊張しているのが伝わってきますからね。でも、shouはそういうところがまるで見られない。
shou:いや、ガチガチに緊張してましたよ(笑)。ただ、緊張していたように見られないのは、僕もローディー経験があるからだと思います。目の前でレコーディングの風景を見ていたから良かったのかなって。
しゅうた:頼もしい。
shou:とにかく、今は全曲早くライヴで演奏したいですね。
──たらさんはレコーディングいかがでしたか?
たら:ローディー時代に、Glam Grammarのレコーディング現場にお邪魔させてもらったんですけど、shouの言うとおり、やっぱり現場を見る事って大事だなって。だからこそ、今回の作品の録りも自分では上手くいったと思います。
しゅうた:新しい風を入れてくれたと思います。きっと、ファンの中にはバンドが新体制となった事で、不安に思っている子もいるかもしれないんですけど、音を聴いてもらえれば、その不安吹き飛ばせますよ。
──これからが楽しみですね。
ペロ:そうですね。新曲が増えた分、それらがどれだけワンマンまでに化ける事が出来るのかというのは、自分達としても楽しみです。
Interview:ERI MIZUTANI