Ba.翔也

Dr.達也

Vo.yo-ka

Gt.佳衣

──8月3日にニュー・シングル「月光」がリリースされます。今回、制作がスムーズだったそうですね?
yo-ka:この作品だけでなく、2016年に入ってから制作のペースは早いですね。
──そこまで順調なのは、何が理由だと思います?
yo-ka:4人全員の考え方が変わったというのは大きいと思います。DIAURAは今年の1月に結成5周年を迎えたんですけど、そこに向かう中、迎えた後で、より色んなDIAURAを描きたいという欲が出てきたんですよね。だから、楽曲が出来るペースも上がっていったんだと思います。
──それにしても、バラード曲を本作の表題曲に持ってくるとは思ってもみませんでした。
佳衣:前作からの「月光」という事なので、DIAURAのまた違った一面を見せる事が出来たんじゃないかと思います。ただ、そこは制作の前から考えていた事でもあるので、上手く出せたかなと。バンドとしても新しい挑戦ではあったんですけど、演奏面に関してはやりやすかったというか。
──これまでにもミドルテンポの楽曲はありましたが、そうした過去の曲と「月光」で大きく違うところは、一体どこでしょう?
佳衣:個人的なプレイ面で言うのであれば、ギターを効果音的に使いたいなという思いがあって。幻想的な雰囲気をギターで出したかったんですけど、今までなかなかやってこなかったので、そういった面では挑戦出来ましたね。
──音だけで、情景がすぐに浮かびます。
佳衣:そうですね。情景を如何に音で伝えるかというのは意識したところではあるので。
──達也さんは「月光」の第1印象はいかがでしたか?
達也:デモを聴いた時点で、綺麗な歌が映える曲だなという印象があったので、ドラムのフレーズを考えるにあたって、主張するよりも、曲を活かす為に雰囲気を出して叩いていこうと思ったんです。なので、ベースやギター、ストリングスがすごく聴きやすいドラムの音になっているんじゃないかと思います。
──ドラムは、弦楽器のように細かなニュアンスが出しにくい楽器でもありますから、繊細な雰囲気を出すのは難しかったと思いますが?
達也:そうですね。音色もそうですし、強弱の面も気にしながらレコーディングはやりましたね。
──その時、メンバーからアドバイスはもらいました?
達也:これは、よーちゃん(yo-ka)の作曲なので、ブースでずっとドラム録りを見ていてくれて。途中、閃いたかのように、ここをこうしてくれないかって言われたりしましたね。後半の最後に出てくるAメロもそうですけど、終わる場面とかは最初はドラムを入れないはずだったんです。でも、最終的に入れる事になりました。
yo-ka:この曲、全体を通して霧がかったイメージがあったんです。そこを演奏でも表現したかったんですけど、達也の叩くドラムを見ていた時、急に閃いてしまって。それで、さっき達也が言っていたところに繋がるんですけど、お互いのやり取りの末に良いフレーズが出来たと思っています。でも、これは本当に難しかったと思いますよ。DIAURAにこういうの無かったもんね?
達也:結構、何回も録り直しましたね(笑)。
──同じように、翔也さんにも何かリクエストはされました?
yo-ka:いや、翔也には特に言ってないです。というのも、プリプロの段階で翔也の作ってきた音を聴いていたので、後は任せようと。結果的に、プリプロよりも断然良いものが上がってきましたね。
翔也:こういうフレーズ付けたいなというのは、最初から明確にあったんです。ただ、その引き出しが自分には無いものだったので、ある程度研究して、こういうものが良いんだろうなって思いながら作っていきましたね。
──その際、曲がイメージする霧がかった景色というのは、翔也さんにも見えていたのでしょうか?
翔也:完成するまでは、そのイメージは自分の中には無かったかもしれないですね。ドラムの音も直前で変わっていたので、そこは探りながらというか。でも、出来上がった音を聴いて、これで正解だと思いましたね。
──やはり、歌が乗ってから景色が色濃くなるというのは大いにありますよね?
yo-ka:うん、そうですね。この曲、今までのDIAURAがやってきたバラードと圧倒的に違うのが、歌の起伏なんです。それまでは、静と動を意識して歌ってきたんですけど、この曲ではサビに入っても、あまり動に振り切っていないんです。だからこそ、自分にとっても違う面を見せられたというか。ある種、淡々と進む曲なんですけど、その淡々とした感じを出すのが意外にも難しくて。
──淡々としているけれど、もたついて聴こえないのはさすがだなと。おかげで、飽きる事なく最後まで聴けますからね。
yo-ka:書いている時からそうだったんですけど、この曲を色で例えるならば、白でも黒でも無く、グレーなんです。ハッキリとはせずに曖昧なところを出しているという点では、淡々とした感じが適しているなと思ったし、自分の感情面としても、その時のフィーリングを大事にして歌っていったんです。だから、やりながら見つけていった感じですね。でも、俺の最初のデモではここまでの空気を作る事は出来ていなかったので、そこはやっぱり、演奏が乗った事によって曲の印象が変わったなと。それぞれが、それぞれを引き上げてくれたなと思います。ライヴでは、俺もアコギを持って歌うので、今までの曲とは違って、大人っぽい感じがすると思います。もちろん、幅を広げたかったというのもありますし、一筋縄じゃいかないというか。自分達としてもDIAURAを1つの型に押し込めたくは無いので、ある意味で反抗的な作品になったと思いますね。
──バラード曲なのに、反抗的な作品と表現するあたり、DIAURAらしくて良いですね(笑)。
yo-ka:全てはそこなんです。常に抗っているんですよ。
達也:また、そうした精神が衣装にも出ていますよね。
──確かに尖っている。ちなみに、今回の衣装のテーマですが、それぞれどういった感じでしょう?
yo-ka:今回はシックですね。
翔也:俺なんて、装飾品を一切着けていませんからね。そしたら、衣装さんに「何か着けなくて大丈夫なの?」って心配されました。
──装飾品を省いた意図とは?
翔也:楽曲で勝負したいなという気持ちがありましたし、常に新しい事をやっている中で、ちょっと振り返ってみようって自分では思ったんです。だから、1度ゼロに戻すという意味を込めて、ありのままの自分を出してみようかなと思いました。
yo-ka:翔也に至っては唇も黒いしね。
翔也:尖ってます(笑)。
──それこそ、バンドを始めた頃の感覚に戻れているのではないですか。それも、DIAURA結成時では無く、学生時代に初めてバンドを組んだ時のような?
yo-ka:そうそう、そうです。それに対して、よく、原点回帰っていう言葉を使うじゃないですか。でも、俺は、その言葉が過去の焼き直しのように聞こえて、あまり好きでは無くて。それに、今のDIAURAが原点に立ち返ったとしたら、経験や知識が違った上での回帰となるわけだから、ただの原点回帰とは呼ばせないぞっていう気持ちはありますね。今のDIAURAは、本当にフレッシュ。まるで、新しいバンドかと思ってしまうほどなんですよ。だから、「月光」を出す事で、DIAURAはこう変わってしまったかと捉える人もいると思うんです。でも、そこは、これもDIAURAなんだよ、と声を大にして言いたいですね。
──その上で、yo-kaさんはどういった思いを込めて、今回の衣装にしたのでしょう?
yo-ka:俺は好きなようにやりました。あと、自分がギターを持って歌うという事が前提としてあったので、ギターが合うというのも条件の1つでしたね。おかげで、新しいパフォーマンスが作れるようになったと思います。
──そういった意図があったんですね。では、佳衣さんは、今回の衣装にどのような思いを込めましたか?
佳衣:これはもう、めっちゃ尖ってますよね。曲を聴かなかったら、ゴリゴリのメタラーかと思ってしまうぐらいに(笑)。でも、衣装自体はとてもシンプルで、ジャケットとパンツだけなんですよ。自分の歴代の衣装と比べると、1番物が少ないと思います。それに、こうした髪型は初めてやったので、自分にとっては冒険でしたね。あと、何よりも、こうした出で立ちで「月光」のような曲を演奏してしまうのが良いんじゃないかなと。自分の中では、上手く静と動が融合出来たと思っています。
──達也さんもすごくシンプルな格好ですよね?
達也:今回は、落ち着いた自分といいますか、内から出る感情を見せたかったので、衣装はあまり目立たせないっていう感じで考えていったんです。
──MVでは、それぞれの衣装にも注目ですね。
yo-ka:今ちょうど編集中なんですけど、4人全員で楽器を持っているのはこれが初めてだし、曲を引き立てる映像になっているので、そこに注目して観てもらいたいですね。とりあえず、DIAURA舐めるなよって言いたいです。
──「月光」は長く愛される曲になると思います。また、本作は2タイプでのリリースとなりますので、カップリング曲の「棘」と、ボーナス・トラックの「DARK AGE」について、聴きどころを教えて下さい。
yo-ka:「棘」は「月光」と同時期に作った曲です。DIAURAのライヴを変えていきたいという思いから、想像で色々なライヴの形が見えていて。そんな中、自然と「棘」が出来上がったんですよね。内容的には暗いんですけど、サビで明るくなるなど、1曲の中でのギャップが面白い曲だと思います。
佳衣「DARK AGE」は、前にライヴで何度かやってはいたんですけど、それよりももっと勢いのあるものにしたかったので、レコーディングの時からライヴの絵は見えていましたね。だからこそ、今ライヴでやったら、前には無いような勢いが出せそうな感じがするので、それはすごく楽しみですね。
──今が良い状態にあるからこそ、これらの曲がライヴでどう変わっていくか楽しみです。ライヴの近い予定を挙げると、7月31日に、ワンマン・ライヴ「混沌たる世界、照らす月光。」が行われますね?
yo-ka:今は構想段階ではあるんですけど、こんなDIAURAのライヴは観た事が無いっていうライヴにしたいなとは考えていますね。
──その後には、DIAURA、グリーヴァ、アルルカン、ペンタゴンの4バンドで廻る「闇戦」ツアーが控えています。こういった対バン形式のツアーをやる際は、自分と一緒のパートの方と仲良くなる事が多いのでしょうか?
翔也:(広告を見ながら)この並びはすごいですね。俺と眠花ちゃん(ペンタゴン)のところなんてエグいですよ。
yo-ka:(笑)。ただ、バンドの活動年数だけでいうと、DIAURAが1番先輩になるんですよ。だからと言って、声が掛けにくいって思われるのは嫌だなって。
達也:グリーヴァとアルルカンは対バンを結構しているんですけど、ペンタゴンのメンバーとはほぼ初対面なので、どういう人達なのかというのを知った上でライヴをやった方が、こちらとしても闘争心が沸くんじゃないかなと思います。
翔也:でも、仲良くなれるのであれば、出演バンド全員と仲良くなりたいですね。もちろん、ライヴ以外で。
──普段は仲が良くても、ステージに立てばライバルですからね。
翔也:戦なんで。
佳衣:「闇戦」というタイトルに相応しいステージになると思いますよ。
──そして、女子限定と男子限定のワンマン・ライヴもあります。
yo-ka:先に言っておきます。女子限定ライヴで俺達は女装しません。
達也:やっぱり、見た目に頼っちゃいけないなという事で(笑)、今回の女子限定ライヴは、女の子にしか味わえないよっていうところをライヴで示したいですね。
yo-ka:ここでは、女の子達の化けの皮をはいで、根性を鍛え直してやろうかなと思いますよ。
翔也:男子限定ライヴは去年初めてやったんですけど、すごく真っ直ぐだなと思いましたね。それにより、こっちも真っ直ぐにぶつかれたというか。なので今年も来る人はそれを臨んでいるはずなので、その気持ちに応えたいなと思います。
──この後には、ファンクラブ入会者を対象としたツアーや、年末から来年にかけての全国ツアーがあるんですよね?
yo-ka:12月から始まる「deadly “13” circuit」は、DIAURAが活動2年目で行った関東集中小箱ツアーをもじっているんです。それを敢えてこのタイミングでやる事により、バンドと愚民を再教育していこうと。お互いにもっと欲しくなる関係でいたいし、俺達に対してもっと可能性を感じて欲しい。だからこそ、むさぼり合うツアーにしたいですね。
Interview:ERI MIZUTANI