Ba.結良

Dr.靖乃

Vo.景夕

Gt.タイゾ

──5月5日に東京キネマ倶楽部にてファイナルを迎えた東名阪ワンマン・ツアー。振り返ってみてどのようなツアーだったと言えるでしょう?
ハロ:ベルとして、地方でワンマンをやる事は初めてだったので、やっぱり最初は不安もたくさんあったんです。あと、アルバムを出した事によってセットリストもガラッと変わったんですよね。そこで、新しい自分達をどう提示出来るかという挑戦もあったけど、しっかりと成長出来たツアーになったなと思います。
──最初は不安もあったんですね?
ハロ:アルバム曲は初披露という事もあって、プレッシャーはありましたね。なので、歌詞を間違えちゃいけないと思い、本番直前までずっと歌詞カードを見てました。
──そういう時は、メンバーから「大丈夫!」と声をかけてもらうんですか?
ハロ:無いっすね(笑)。みんな他にやる事があるんで。
明弥:ライヴ前ってバタバタしてるんですよ。まだチェキが間に合ってない!っていうのは結構ありますね(笑)でも、逆に時間があると緊張してきちゃうから、それぐらいバタバタしている方が良いかなって。
──明弥さんはワンマン・ツアーに対する不安はありましたか?
明弥:アルバムを出して、今の自分達が出せる最高の物が出来上がったという自信があったので、ワンマン・ツアーに対しての不安は無かったんですよね。初日は名古屋だったんですけど、1曲目の「シャボン玉」は、正人がライヴでこうしたいって言った事をそのままに演奏したんです。この曲を初めに持ってきた事によって、その後の流れも良くなりました。あと、僕は、ライヴがやりたくて曲を作っているというところはあるので、そこは自信を持ってみんなに披露出来たなと思います。すごく良いツアーになりましたね。
──正人さんは、ワンマン・ツアーを振り返ってみていかがですか?
正人:メンバーとお客さんの大切さが分かったツアーでしたね。やっぱりベルの楽曲好きだなぁって、ライヴ中にも思いました。ただ、名古屋のライヴは緊張しましたよ。「シャボン玉」の入りは特に(笑)。でも、全部を通して良いツアーになったし、成長しているな自分達というのが分かりましたね。
──夢人さんは緊張する事なく、ワンマン・ツアーに挑めたのではないですか?
夢人:初めてワンマン・ツアーをする事が出来て良かったなと思います。
──廻る前に、何か目標は決めました?
夢人:アルバムの良さをライヴで表現するという。CDだと何でも出来るんですけど、いざライヴで弾くとなると動くわけだから違うものにはなってくるんですよね。でも、それをいかに音源に近付かせてプレイ出来るかというのは考えましたけど、基本的には、ワンマンが出来る!やったー!っていう感じだったので、そこまで気負いする事は無かったですね。やっぱり、お客さんとしても気負いしている僕らを観たくは無いと思うので、特に何も考えずに自然にライヴが出来たと思います。
──各地、思い描いていたとおりの景色を見る事が出来ましたか?
夢人:それ以上でしたね。ファイナルのキネマ倶楽部も初めての場所ではあるんですけど、ベルにピッタリの場所だったなと。
ハロ:そういえば、キネマ倶楽部の当日、会場の周りに人がすごく集まっていたんですよ。何かテレビのロケでもやっているのかなって思いつつ、そのまま中に入って荷物を置いてから僕はステージを見に行ったんですけど、そこでいきなり「ヴォーカルさん?」って声をかけられて。スタッフさんかなと思って顔を上げたら、まさかの徳光和夫さんがいて。
──えっ!?
ハロ:そうなんです。どうやら、テレビのロケで鴬谷周辺を歩いていて、その流れでキネマ倶楽部を撮影していたみたいなんです。僕が声をかけられた時は、既にあっきーへの取材が終わった後でした(笑)。しかも、その様子はライヴの10日後ぐらいにテレビで放送されて。何と、ライヴの映像まで流していただいたんですよ。
──それは観たかったです。
ハロ:ちゃんとナレーションまで入ってましたからね。「先程まですっぴんだった明弥さんも、今ではすっかりアーティストの顔に」って(笑)。
明弥:そうそう。メディア的にもヴィジュアル系って珍しかったのかなぁって。
──女装している時に撮られなくて、本当に良かったです。
明弥:はい(笑)。でも、こういう形で、全国のみんなに観ていただける機会が出来たのはビックリしました。ここだけの話、ステージより緊張しました。
──そんな裏エピソードもありつつ(笑)。そして、ファイナルでは色々な発表がありました。
明弥:キネマ倶楽部で、7月13日にリリースされるシングルと、色々なライヴの告知をしたんですけど、こういう形で発表出来てすごく嬉しいです。
──これだけたくさんの事を発表するとは、随分と積極的ではないですか?
明弥:そうですね。でも、先の大きな動きを発表するのはキネマが1番なんじゃないかなって。
──これから結成2周年も控えていますよね。やはり、そこは意識してニューシングルは作られたのでしょうか?
ハロ:2周年に向けてというのもあるんですけど、今回、このシングルを持って夏の全国ツアーを廻るんです。やっぱり、新しい物を持って全国を廻りたかったし、それを経て2周年に繋げていきたいなと思ったのはありますね。あとは、アルバムを出して1発目のシングルなので、コンポーザー陣も大変だったとは思いますけど。
夢人:今後の方向性をどうしようかというところでは迷いましたね。でも、とりあえず作って聴いてもらおうと思って、4人で色々と決めていきました。
──夢人さんが作曲したのは「真夏のバラッド」と「名もなき絵画」の2曲です。どちらの方が先に出来たのですか?
夢人:「名もなき絵画」は6年前からある曲で。これは、自分が歌謡曲をやりたいと思うようになったきっかけの曲でもあるんです。それを今になってみんなに聴かせたら、いいんじゃないって言ってもらえたので、メロディを1から作り直していきました。
──6年前の夢人さんというと、作曲してきた物の多くがポップでしたよね。そんな中、よくここまで哀愁の漂った曲が作れたなぁと。
夢人:ほんと、そうなんですよ。反対に、「真夏のバラッド」の方が昔の僕っぽいかも(笑)。
ハロ:「真夏のバラッド」に関しては、リリースのタイミングも考えて、季節感を組みつつ歌詞を書いていった感じですね。
──「週末レイトショー」と「きみのまま」は、明弥さんが作曲されています。こちらも、前の2曲同様に、歌詞はハロさんが手掛けていますね?
ハロ:「週末レイトショー」は、早稲田にある古い映画館の前で歌詞を書いたんですよ。
──そうやって、外から刺激を受けるのは大事ですよね。また、明弥さんは、アルバムを作った事により、コンポーザーとしての視点が何か変わったのではないかなと思ったのですが?
明弥:アルバムで自分達のやりたい事がすごく表現出来たので、これから2周年に向けてどういう曲をやっていこうかは考えましたね。もちろん、歌謡というのは基本にあるんですけど、多少の変化はバンドとして見せていきたいと思ったので、それを形にしていこうと思いました。「週末レイトショー」は前にみんなに聴かせた事があるんですけど、もう1回アレンジをして選曲会に持っていきました。楽曲的に今までの曲とどうメリハリを付けようかというのはあったので、リズムに関しては正人と話し合いながらやっていったので、イントロでは今までに無いアプローチをしていますね。
──最初に作った時からだいぶ変わったのではないですか?
明弥:リズムが変わる事によってウワモノのフレーズも変わってくるので、結構派手になったなという印象ですね。「きみのまま」は、今回のシングルの選曲会に持っていく為に新たに作ったんですけど、この手の曲はベルの王道です。
──そういえば、今回はレコーディングだけに集中出来たようですね?
明弥:間にライヴは挟みませんでした。
ハロ:ただ、ライヴが無いと発散する場所が無くて。だから、レコーディングが続いた今は、早くライヴがやりたいですね。
──正人さんもレコーディングはスムーズにいきましたか?
正人:僕は、ライヴとレコーディングが一緒じゃなくて良かったなと思いましたね(笑)。レコーディング中はレコーディングする曲だけに集中したいので、今回はメリハリを付けてレコーディング出来ましたね。おかげで、すんなりと終える事が出来ました。
──それは、アルバムのレコーディングで慣れた部分もあるのでは?
正人:あぁ、それはあります。アルバムの曲数に比べたら、シングルは楽だなぁって。レコーディングを担当してくれているエンジニアさんとも意思疏通しながら演奏していきました。
ハロ:正人がドラムを叩いている時、僕らはスタジオのサブルームにいるんですけど、すごくうまくなったよねっていう話しをしていて。その場に僕達はいるけれど、何も口を出すところが無かったんです。
夢人:おかげで、早く帰れたよね(笑)。
正人:やっぱり、最初に叩いた方が勢いのあるテイクが録れるんですよね。だから、いかに最初のテイクをクオリティ高くするかっていう。
──早さも技術の内ですからね。
夢人:正人には才能しか感じないです。
正人:ありがとうございます(笑)。
夢人:僕と明弥に関しては、自宅で生音を録音して、それをスタジオでアンプを通して鳴らすっていう方法を取っていて。それで、自分の曲は僕1人でレコーディングするんですけど、明弥の作った曲は、明弥が僕の家に来てくれて録ったんです。
明弥:部屋を綺麗に片付けてくれたので、超快適空間で作業する事が出来ました。
夢人:効率が超アップしましたね。自宅であっきーと一緒にレコーディングするのは楽しかったです。
──今後もそのやり方でいきますか?
明弥:そうですね。
夢人:あっきーが来る事によって部屋の清潔感も保たれるので、良いですよね(笑)。
──ハロさんは、レコーディングはいかがでしたか?
ハロ:同じ曲って絶対に無いじゃないですか。だから、その時その時の解釈で歌を歌っているんですけど、自分としてはずっと焦っていますね。いつでも満足する事は無いです。
明弥:でも、歌唱力においては問題無いので、ハロくんにしか出せない声色にこだわってディレクションしていきましたね。
夢人:まだ素材を並べた段階なので完成はしていないんですけど、すっきりさせつつ、アナログさを残したミックスをしていきたいですね。
──今回、MVの見所は?
夢人:先日撮影をしたんですけど、今までと比べたらコメディ要素も無いし、ある意味で普通になっていると思います。
明弥:楽曲により合った映像になっていると思いますね。
ハロ:今までは、ストーリーが進んでいくという感じだったんですけど、今回は楽曲の疾走感に合わせているので、見所はそこですね。
──シングルのリリース後には、ライヴが目白押しです。
ハロ:8月には2部制のワンマンをやりますし、9月22日にもワンマンもやるんですよ。去年に比べてワンマンをやれる機会が増えたのは、本当にバンドにとっての成長だなと思いますね。
夢人:僕の地元、四日市のライヴは、地元のゆるキャラとか呼べたら楽しいなと思うんですけどね。
──四日市ライヴの翌月には、結成2周年記念公演があります。
ハロ:同じハコで2度目のワンマンをやるのは初なんですけど、確実に1度目と比べられると思うんですよ。そのハードルを越えられるようなライヴにしたいですね。もちろん、新曲もライヴでは披露出来たらなと思います。あと、年内にはもう1枚作品を出したいなという気持ちはありますね。
──アルバムを?
ハロ:えっ、今から作るのはさすがに無理です。
夢人:アルバムは勘弁して下さい(笑)。でも、「真夏のバラッド」は確実に後の作品に影響をもたらすと思うので、今回のシングルは良い軸にはなるかなとは思います。
──冬には五大都市ワンマン・ツアーも控えていますからね。タイトルが「歌の大事件」となっていますけど、各地で事件は起きそうですか?
正人:先に言っておきますけど、地元の福岡では、僕は歌います。
明弥:それは大事件だ(笑)。
ハロ:名古屋と大阪でもライヴをやるんですけど、この間のツアーよりもキャパを上げているんです。仙台に関しても、行かなきゃ始まらないという気持ちでやりたいなと。そして、ファイナルは来年1月8日にWESTでやります。バンドの登竜門とも呼ばれるWESTをしっかりと成功させて、良い年明けを迎えたいですね。
Interview:ERI MIZUTANI