Ba.LAYHA

Vo.春

Gt.さゅら

Dr.たつき

──今回のツアーは気合いが入っていた事もあって、いつもより長く感じられたのではないですか?
LAYHA:今回は、約2ヶ月ぐらい廻っていたんですけど、そうですね。
春:10箇所12公演、これだけ廻ったのは久々です。
──まず、地方公演を振り返ってみていかがですか?
春:俺達の熱がすごく伝わっていた感じはしますね。あと、俺達のライヴのスタイルがこのツアーから明確になった感じはしました。それこそ、「被害者の会」をどう表現するかというのが分かりやすかったので、初日から気合いが入っていたんですよね。だから、見せる事に徹する事が出来たんだと思います。
──観ている側に自分達の熱量が伝わるのは嬉しいですよね?
春:そうですね。ツアーを重ねてどんどん良くなっていった感じがします。
──ライヴが終わってから、メンバーで反省会はしたんですか?
春:割と、今回のツアーは多かったかもしれないです。ライヴが続いている日程もあったので、今日はこんな感じだったから明日はもうちょっとこうしよう、とか話し合ってはいましたね。
──そうした話し合いも、今回のツアーを良くした秘訣だったのかもしれませんよね?
さゅら:口に出す事によって、みんなが同じ事を思ってやっているんだなって。ちなみに、ッツアーの初日は僕のバースデー企画だったんですけど、いつもだったら、お祭り感覚でワーッと終わるんですけど、今回のツアーでは「被害者の会」をちゃんと見せよう、見て欲しいという気持ちがあったので、しっかりと見せる事が出来たと思います。
──その時に、このツアーはうまく行くぞと思いましたか?
さゅら:あぁ、それは思ってましたね。だから、どうなるのかなとダメな方向には考えず、来る人みんなを楽しませようという事しか思ってなかったです。なので、完全に良くなる事しか考えていなかったし、それに対しての自信もありました。
──昔なら、動員とか、些細な事が気になっていたのでは?
さゅら:そうですね。昔は正直へこむ事もありましたけど、長く活動していくうちに、俺達は何を見せようかっていう方が先行していったんですよね。でも、そう思えるという事は、きっとバンドが楽しいからなんですよね。
──そう感じられるのは良い事ですね。
さゅら:それと、今回のツアーは、真ん中で10日ぐらい空いたんですけど、それでも何か、持続出来たというか。イベントは挟んだんですけど、それもツアーの一貫という感じでやっていたので、ライヴが終わっても、メンバーみんなが自然と口数が増えているんですよね。今思えば、本当に良いツアーだったなと。
──良いライヴが出来た際には口数が増えるという事ですが、もしも、自分達で納得のいかないライヴをしてしまったら、口数は減っていくものですか?
LAYHA:ですね。そうなった時は、誰も喋らない。そのまま、淡々と片付けに入ります(笑)。
さゅら:そうそう。このツアーはそういう事が無かったけど、片付けのスピードが早くなるよね(笑)。
LAYHA:(たつきを指して)1番、口数減るよね?
たつき:落ち込みやすいんで(苦笑)。
さゅら:でも、そういう不調の時に限って、不思議とお客さんの反応は良いんですよ。
──演奏している側からすると、ついつい自分達を厳しい目で見てしまうんでしょうね。ちなみに、今回のツアーですが、どの箇所もうまくいったなぁと思うのは、何故だと思います?
LAYHA:やっぱり、ファイナルのWESTに対して、全員で向かっていったから良かったんじゃないですかね。メンバーとファンで一緒に上を目指そうという気持ちが大きかったかもしれないです。
──なるほど。たつきさんは、このツアーいかがでしたか?
たつき:濃厚でしたね。ファンがいて良いライヴが出来てこそ、僕らメンバーの絆も深まるんだなと。よく、みんなが支えてくれたからここまでやってこられたって言うじゃないですか。このツアーは、まさにそのとおりなんだなって思いましたね。
──ツアー中、絆を感じる場面は何度もありましたか?
春:ライヴ中は、もちろんそうですね。
さゅら:ライヴ以外だと、食べたいものが揃ったとか(笑)。
LAYHA:ラーメン率は高かったよね。
たつき:福岡でもラーメン、北海道でもラーメン。
さゅら:だいたい、着いた先で食べるものと言えば、ラーメン(笑)。
LAYHA:そういえば、北海道から帰る時、フェリーが出るまでに少し時間があったんですよ。で、それぞれに自由行動をしてたんですけど、俺は戻る前にラーメン食べて帰るかと思って店に行ったら、既にたっきーが並んでいて。さすがに、あの時は絆を感じましたね(笑)。
たつき:結局、行き先は一緒なんだなって(笑)。
──楽しくツアーが廻れて何よりです(笑)。それもあって、ストレスを感じる事は少なかったのではないですか?
さゅら:今回、メンバーと同じぐらいに仲の良いバンドが多かったので、普通に楽しかったですね。逆に、楽しすぎて本番前に疲れちゃうぐらい。
LAYHA:そうだね。楽屋にいる時点で疲れるっていう(笑)。
さゅら:そこで、今日一緒にご飯食べに行こうよっていう話をするんですよ。
──その際、今日のライヴはカッコ良かったよ、とお互いを讃えたりするのですか?
さゅら:しますね。新曲良いねって言われたりとか、ここはこういう風にした方が良いんじゃないって提案されたりとか。自分達がSCAPEGOATってこうだなって思っていても、傍から見るとそう思われているんだなっていうのが分かって面白かったです。仲が良いと相手の事を褒めがちだけど、そうやって思った事をちゃんと言ってくれるのって貴重だなって。
──また、そうした意見を皆さんがきちんと受け止めるのもえらいと思います。
さゅら:仲が良いからこそ、すんなりと聞けるんですよね。それで、自分の中で消化して次のライヴに活かしていくんです。
──そう思うと、ファンやバンド仲間によって、バンドが成長させられているところはありますよね?
春:ほんと、そうです。
たつき:長く続いているバンドだからこそ、お客さんや仲間がついてきてくれるんだと思います。
──だからこそ、ツアー・ファイナルも良い形で締め括れたのではないですか?
春:そうですね。集大成でもありつつ、次に繋がる可能性を感じられたライヴだったのかなという感じがします。
──舞台となったShibuya TSUTAYA O-WESTは、昔からバンドの登竜門と言われているハコだけに、ライヴを成功させるのは緊張も伴ったと思うのですが、実際にはいかがでした?
春:やっぱり、軽い気持ちでは出来ないなというのはあります。ですけど、俺らは場所的に相応しかったかなと。なので、このツアー・ファイナルにWESTを選んで良かったなと思いましたね。
──こうして1つの集大成を迎え、次のステップへと進んでいくわけですが、9月14日にはニューシングル「ヘドロ」がリリースされるんですよね?
春:はい、常に攻めていたいので。あとは、良い意味で変わらないものを出していきたいなという感じはありますね。
LAYHA:この作品は、ツアーの合間にレコーディングしてたんですよ。
──それは大変でしたね。
春:でも、慌ただしい中で制作をする方が、うちらに似合っている気がするんですよね。
さゅら:それこそ、ゆっくりしてたら、俺がずっとゆっくりしちゃうからね(笑)。
──今回は、どういった想いを込めて作曲をしていったんですか?
さゅら:ツアー中、来年1月にリキッドワンマンをやろうと決めていたので、それを踏まえて曲を作りました。
──リキッドありきの曲作りだったんですね。
春:このツアーがあったからこそ、リキッドでやろうと踏ん切りが付いたんですよ。俺ら、WEST以上のハコでワンマンをした事が無いので、最初はリキッドに対して不安はありましたけど、そろそろ、この辺りで見えてくるんじゃないかなっていうイメージがあって。もちろん、リキッドでやって、お客さんが入ったとしても、自分達が見せられなかったら意味が無いわけだから、そういう部分でも不安はありましたね。だけど、メンバーは誰1人としてリキッドでワンマンをやるのをやめようとは言わなかったんです。
さゅら:そう、誰もやめようとは言わなかった。
春:言ってしまえば、やるか、やらないかじゃないですか。そこに対して不安が無いわけじゃないけど、今まで一緒に活動してきたバンドが最近になって解散してしまって。そうやって、解散していったバンドの想いも引き継いでいるので、自分達は攻めていきたいなという感じはありましたね。それも、絆と言えるんでしょうけど。
LAYHA:解散したバンドから、あとはSCAPEGOATに任せたからね、っていう事も言われたので。
さゅら:じゃあ、リキッドをやる為にはどうしたら良いのかっていうのは散々考えましたよ。それで、もっと攻撃的に曲を作ろうって。そういう風に気持ちを切り替えられたから、ツアーも良くなったんだと思います。
たつき:リキッドでワンマンをやるのが固まった事で、みんなの迷いが無くなったんですよね。
──攻撃的に曲を作りたい、そんな想いを持って制作した「ヘドロ」は、とても聴き応えがありました。
春:単純に、かっこいい事をしようというのはありましたね。良い歌を歌おうというよりも、自分達がかっっこいいと思った事をやりたいなって。
──バンドって、活動歴が長くなるほど落ち着く傾向にありますが、SCAPEGOATの場合、どんどんとヴィジュアル系になっているなと思います。
春:それはあるかもしれないですね。
さゅら:元々、ヴィジュアル系が好きだしね。
──そうでなかったら、「拒絶」みたいな曲は生まれませんよね。「被害者の会」もそうでしたが、この曲もかなりディープな世界観を打ち出しています。
さゅら:そうですね。でも結局、言いたい事や歌いたい事は変わらないという。
──歌詞の持つ力が一層強くなってきた気がしますよ?
春:最近、何曲も書いてますけど、ある意味、昔よりも難しく考えずに書けるようになってきたというか。言いたい事がたくさんあるので、ついついストーリーを長めにしたくなってしまうんですけど、敢えて簡潔に書く事で伝わりやすくなるかなと。
──アー写から想像しにくいような歌詞の内容にしているのも、春さんの狙いではありましたか?
春:あぁ、そうですね。アー写は出来るだけ汚いところで撮りたくて。これ、渋谷で撮影したんですよ。
さゅら:明治通りの裏にある川なんですけど、かなり汚かったですね。
たつき:そんな中、まさか、衣装着て下に降りるとは思わなかったです。
さゅら:新しい衣装を初めて着た日に汚すという(笑)。
LAYHA:前日まで雨も降ってたしね(笑)。
春:でも、イメージに近い形で撮れて良かったと思います。また、場所は違うんですけど、MVでも演奏シーンで水を張って撮影したので、そこはポイントとなっていますね。撮影が終わったばかりで編集が終わったものをまだ僕らも観れていないんですけど、仕上がりが楽しみです。それこそ、曲と歌詞の内容で意外性を感じてもらえると思うので、その辺も映像と併せて楽しんでもらいたいですね。
──カップリングの「invidia」は、SCAPEGOATの良さが出ている1曲ですね?
春:これ、たつきさんが気に入っているので、セットリストをたつきさんが組んだら、絶対に入ってきますよ。
さゅら:ここぞ、という時に入れてくるよね(笑)。
──もし、この曲を入れてセットリストを組むとしたら、他にはどんな曲を並べます?
たつき:いやぁ、どうしようかな。とりあえず、「サイコな晩餐」と「告白_時々、雨」と「赤いバスルーム」ですかね。
──イベント・ライヴにはぴったりのセットリストじゃないですか?
春:そうですね。
たつき:また、今回新曲が加わる事で、飛び道具も増えてくると思うんですよ。ライヴの最後をバラード曲で締め括れるというのも僕達の強みだと思うから、そこは自慢できる点ではありますね。
春:だからこそ、新曲の2曲も、これからのライヴでテッパン曲になってくると思います。多分、リリース前には披露出来るんじゃないかなと。
──楽しみにしています。年内はライヴの予定がたくさん入っているんですよね?
さゅら:そうですね。全ては、リキッドワンマンの為にと言っても過言では無いかなと思います。ツアー・ファイナルとなったWESTがスタートという気持ちで、引き続き頑張りたいですね。
Interview:ERI MIZUTANI