Gt.かなで

Ba.帝華

Vo.ROY

Dr.玲牙

Gt.りお

──初のフル・アルバム『少年事変』が10月12日にリリースされますが、今の皆さんのお気持ちとしては、ワクワクと緊張、どちらの方が大きいですか?
玲牙:どっちもかなぁ。
りお:でも、世に出す前ってなると、ワクワクですね。
──それは良い事です。ところで、本作はテーマを決めてから曲作りに取り掛かっていったのですか?
玲牙:そうですね。
りあ:やりたい曲や、作りたい曲を並べて、みんなで作っていったっていう感じですね。
ROY:今回、オープニング・アクトで出演させてもらったツアー中に作っていくっていう形だったんですよ。なので、かなでちゃんや玲牙くんが寝る間を惜しんで作ってくれました(笑)。
──ただでさえ、ツアー中は寝る間が無いのに、曲を作るのってかなり大変な事ですよね?
ROY:そうですね。でも、みんなでこういう曲を作りたいねっていう話をしていた後に先輩のライヴを観る事が出来たので、やっぱりここはこうしていこうっていう風に、良い意味で曲が変わっていきましたね。
──やはり、影響は受けましたか?
ROY:はい。それで、ライヴを楽しんでもらいたいという方向で、自分達が出したいものとお客さんが求めているものをうまく合わせようという感じになりました。だから、自分達主体で考えるのでは無く、色々な案を出していったという感じですね。
──忙しい合間をぬって作った甲斐がありましたね?
ROY:良い塩梅で作品が出来たと思います。
──取材をしている今は9月上旬という事もあって、聴かせていただいた音源には仮段階の曲もありましたが、とても勢いがあって良い作品だと思いました。ちなみに、作品タイトル『少年事変』には、どういった想いが込められているのでしょう?
ROY:みんなで話し合ってタイトルは決めたんです。僕達はバンド名がコンセプトでもあるので、そこをガツンと出しつつ、あとは僕ら、世間から「若いからね」「若いってこうだよね」「あぁ、さとり世代だもんね」って言われる事が多くて。でも、そうやって言われるのが悔しかったんですよね。若い僕らだから出来る事、変化を起こせるんだよという想いを込めて、『少年事変』というタイトルを付けました。
帝華:ナメるなよって。
──それで、誰にも負けないという想いを曲に込めたんですね?
玲牙:変えてやろうっていう気持ちはありましたね。
ROY:それだけ悔しかったんですよ(笑)。それで、若いからこそ出来る事や純粋さをアルバムで出そうって。
──今しか出せない色がちゃんと詰まっていますよね。きっと、活動歴が長くなるにつれて、こうした想いって薄れていってしまうのかなと?
玲牙:あぁ、確かに。
──とはいえ、LONDBOYはこれまでにシングルは2枚しか出していませんよね。それでよく、フル・アルバムを作り上げたなと思いましたよ?
かなで:そうなんですよね(笑)。このバンドを始めてから、曲が完成に至るまでの工程が安定していなくて。それぐらい、僕達は基準を決めていないんです。そういった中でアルバムを作る事になったので、それぞれが出来る事をやろうって。おかげで、新曲が急に増えました(笑)。
りお:ライヴの事を想定したというのはもちろん、聴いてくれる子達が嬉しそうな時の表情を曲に詰めたという感じなので、多分、ライヴではお互いに良い表情が見せられるんじゃないかなと思います。
ROY:ちなみに、僕は4日間で11曲録りました。
──それは過酷ですね!
ROY:でも、その時のメンバーの思いやりが、僕は1番嬉しかったですね(笑)。水を買ってきてくれたり、お疲れって言ってくれたり、些細な事から気を使ってくれたなぁって。でも、それがあったからこそ頑張れたし、ありがとうっていう感じですね。
かなで:ROYだけスタジオに泊まってたんですよ。
りお:往復の時間がもったいないからって。
ROY:それで、歌詞を書いたりしてました。でも、疲れたっていう感じはあまり無かったんですよ。それよりも、チャレンジ出来た事が多かったので有意義でしたね。今回、かなでちゃんと玲牙ちゃんの曲はもちろん、帝華が案を出してくれた歌詞があったり、りおくんが作ってくれた曲もあったりしたので、曲に合わせて自分の声色を出す事が出来たんです。だから、それはすごく楽しかったですね。
──同時に、これだけ曲があると気持ちの切り替えも難しかったのではないですか?
ROY:難しかったです。ただ、曲にキャラクター性が出ていたので、それぞれの色が出ているなぁとは思いましたね。それと、歌録りの時は作曲者が立ち会ってくれるんですよ。曲を作っているだけあって、こういった歌い方が良いって言ってくれるんですね。それが僕としてはすごく助かりました。
──では、ROYさんが本作の中で歌詞を付けるのに苦労したという曲はありますか?
ROY:あぁ、結構、かなでちゃんの曲は難しかったですね(笑)。
──だそうですよ、かなでさん。
かなで:あはは(笑)。
ROY:かなでちゃんの曲は、ライヴを想定して明るい曲というのが強かったんですけど、全部明るく歌ってもなぁと思ったんです。曲調が明るいにせよ、ちょっと意味深な歌詞でも良いのかなと思ったので、歌詞を付ける際は少し悩みましたね。
──そうだったんですね。それにしても、かなでさんは新曲をたくさん作ってきましたね?
かなで:そうですね、どうしようかと思いました(笑)。でも、新しい曲を出すってなってから、お祭りみたいな曲、明るくて幸せな曲っていう風に、大体のイメージを挙げてから曲を作っていったんですよね。
──個人的には、「DATURA」がとても好きです。
りお:僕もこの曲は好きですね。これから始まるツアーのタイトルにもなっているぐらいだし、みんなのソロも入っているので、ライヴでも大事になりそうだなと思いますね。
かなで:この曲、PVも撮ったんですけど、その時はまだ、キーが低かったんですよね。それで、撮ってから、もっと良くなる気がするって言って、自分とROYで変えていったんです。フレーズ自体は変わっていないんですけど、転調でガラッと変わりましたね。
──新しさも感じる1曲ですよね?
かなで:やる時はやるんだぞっていう。1番攻めた感じですね。
──かなでさんが作った他の曲は、基本的に明るいですよね?
かなで:そうですね。アルバムを聴いていて、暗い曲がくるのは自分はあまり好きでは無いというか。あっても良いんですけど、今はちょっと暗い曲よりかは明るい曲の方が良いかなって。
りお:幸せを求めているからね(笑)。
──あと、シングル1作目となった「Open your heart.」が、アルバムの1曲目を飾るというのも感慨深いのではないかなと?
かなで:そうですね。そもそも、曲順をどうするってなった時に、この曲が1曲目以外になるっていうのは想像も付かなかったんですよね。
ROY:これは始まりの曲でもあったし、他の曲の間にくるのは何か違うかなって思ったんです。
──確かに、この曲を最初に持ってきたのは正解だったと思います。本作では、ギターも良い音を出していますが、レコーディングに入る前に2人で何か話し合いはしましたか?
かなで:作曲した人のギターに関しては、あまりチャチャを入れないっていう(笑)。
りお:暗黙の了解ですね(笑)。
かなで:変えても良いんですけど、最初からこれが良いと思ってお互いに作っていると思うんで。
りお:そう。尊重はした上でアレンジをみんなでしようっていう感じですね。
玲牙:リスペクトし合ってるんだよな(笑)。
りお:今まで、かなでが僕の事を尊重してくれたからギター・ソロを弾けているというのもあるので、アルバムとツアーを通して、2人での掛け合いも出来たら良いなと思ってます。
──本作には、りおさんが作曲した曲もいくつかありますが、どのような事をイメージしながら作っていったんですか?
りお:ずっとやりたかった曲というのがあって、そこに重きを置いて作ったのがこの3曲になります。
──「東京マイノリティ」では、作詞にも挑戦されているんですね?
りお:はい。
帝華:あと、この中には、りおが3年間温めてきた曲があって。
ROY:3年も温めてたの!?
りお:そう、恥ずかしい(笑)。「reLANDtune.」っていうバラード曲なんですけど、イントロは3年前から変わっていないんですよ。でも、何か、みんなでアレンジをする段階まで行って無かったんですよね、この曲は。それで温め続けてきたんですけど、ついにタイミングを見て出す事が出来ました。
──こうして出せて良かったです。また、玲牙さんの曲もアルバムの中で目立っていますね?
玲牙:本当ですか。
──ええ。今回、アルバムだから、という視点で曲を作っていったんですか?
玲牙:アルバムを意識して曲は作っていきました。自分が曲を作ると、良い意味でも悪い意味でも、シングルっぽくなっちゃうんですよ。それで、アルバムの中にうまく溶け込むような曲を作っていきました。ただ、他の曲を考慮して作ったというのでは無く、こういう曲があったら良いなっていう感じで考えていきましたね。
──なるほど。リズム隊は、レコーディングに入る際、何か話し合いはありましたか?
帝華:無いです。
玲牙:俺らは毎回話し合わないんですよ。あと、今回、自分で書いた曲に帝華に歌詞を書いてもらおうと思っていて。それで出来たのが「黎明アブソリュート」なんです。
帝華:でも、そこでも話し合いなんてものは一切していないです。ここは通じているものがあるので、目を見れば分かるかなって。
玲牙:そうそう。フィーリングで曲を聴かせて、余計な事は言わないでおこうって。だから、具体的なキーワードやテーマも全く無くて。でも、ほんと、良い歌詞を付けてくれました。
帝華:歌詞は、見て、感じてほしいですね。
ROY:この曲、レコーディングは難しかったですね。サビがすごく速いんですよ。で、自分が作詞したものなら好きなように歌えていたんですけど、《ゆらりゆらり流れてく》のところとか、横の雰囲気なんでガツッといけない感じなんですよね。でも、裏声をあまり入れたく無かったので、強すぎず、優しすぎずってところを意識しながら歌っていきました。
玲牙:挑戦してもらいたいという気持ちで作ったんじゃないんですけど、結果的に挑戦してもらう形になりましたね。でも、ライヴの事を考えて作ったので、めちゃくちゃシンプルな曲になりました。
──「-GLORIA-」と「アイリス」も良い曲に仕上がりましたよね?
玲牙:あぁ、そうですね。
ROY:ちなみに、「黎明アブソリュート」の最後の部分、《枯らせない僕の華》っていうのが、「アイリス」につながっているんだよっていうのを後で帝華から聞かされて、やるなぁって思いましたね。
──それだけに、歌詞カードもしっかりと読んでもらいたいですよね?
ROY:それは本当に思います。
──アルバム、完成が楽しみです。
ROY:良いものになると思いますよ。
玲牙:そこは自信があります。
かなで:あと、これだけの曲数でアルバムが出せたのは、最初にも言ったように、ツアーを廻れたというのが大きいですね。もしも、やっていなかったらこのタイミングでアルバムは出していなかったかもしれません。
──そして、アルバムのリリース後には、東名阪で初のワンマンツアー「punishment of“DATURA”」を行うんですよね?
ROY:歌詞覚えられるか不安(笑)。とりあえず、MIXが終わったら、歌詞カード見て曲を聴き込みます。
──という事は、このツアーでは新曲を披露していただけるんですね?
かなで:ほとんど新曲だと思います。
──3箇所ありますが、内容は変えてきますか?
帝華:そこは、トップシークレットです。
ROY:変えるかどうかは、5人の気持ち次第ですね。
──ツアーファイナルは、10月22日、渋谷 TSUTAYA O-WESTです。これはもう、チケットをソールド・アウトさせたいですよね?
玲牙:させたいですねー。
──特に、WESTは若手バンドの登竜門とも言われますからね。
帝華:でも、緊張はまだしてないです。するとしても、事前になってからとか。
ROY:言っても、3分前ぐらいじゃない(笑)。
帝華:結局、みんな緊張しないんじゃないかな。
──ライヴ慣れはしてきたぞ、と?
かなで:そうですね、さすがに。
りお:僕、それまではSEから緊張してたんですよ(笑)。でも、最近は平気になってきたので、このツアーでは完全に克服したいですね。
ROY:その前には2MANツアーもあるので、頑張りたいと思います。