Vo.狂鬼

Gt.陽

Dr.優冴

Ba.緋雨

Gt.碌

──今回はまた、飛び切りかっこいい曲を並べてきましたね?
狂鬼:ありがとうございます。
──ニュー・シングルを作る際、まず、テーマに挙げていた事は何だったのでしょう?
狂鬼:バンドサウンドで激しくガッツリと押す。男らしいグリーヴァというのを見せようかなと。こういう感じの曲調を揃えてリリースというのはこれまでに無かったので、新しい挑戦にはなりましたね。
──グリーヴァにはこういう一面もあるんだなというのを、8枚目のシングルにして再確認出来ました。しかも、新しいヴィジュアルもとても素敵で。
狂鬼:ヴィジュアル面も、これまでとはガラッと変えました。
──碌さんなんて、妖艶さに拍車がかかっています。
碌:そこは、メイクさんのおかげです(笑)。
──今までの良さも残しながら、これほどまでに変化するとは驚きました。
狂鬼:グリーヴァも活動5年目に入ったので、じょじょに大人になった自分達を見せていこうかなと思ったんですよね。
──雰囲気で見せられるようになりましたね?
狂鬼:何せ、5年目なんで。こういうキャラクターも出来るようになったんですよ。
碌:緋雨なんて、顔が写ってませんからね。
──ヴィジュアル系たるもの顔が大事、というところは昔からあるので、これは実に大胆な試みです。
緋雨:衣装も、いつもよりスタイリッシュでシルエットが割と良く出る感じなので、それだったら、いつもみたいに眼力を活かすよりかは、顔を隠した方が雰囲気出るんじゃないかなと思って挑戦してみました。
碌:これは、緋雨じゃないと出せない雰囲気かなとは思いますけどね。
──陽さんと碌さんは、お互いのバランスを考えてヴィジュアル面を決めていったのですか?
碌:写真を撮る際、ギター同士でバランスを考える事はあまりしないんです。それよりも、全体のバランスを見ながらポージングがかぶらないようにするという感じですね。
陽:そうですね。僕は、撮る時はそこまで深くは考えてはいなかったです。4人の隙間をぬって入っていこうと。
──なるほど。優冴さんも、落ち着いた感じを出していますよね?
優冴:そうなんです。集合の時、陽とポーズがかぶっているって言われたんですけど、俺は断固として変えなかったんですよ(笑)。陽には申し訳無かったんですけど、かっこよく写ってくれたんで、俺は曲げずに行って良かったなと思ってます。
──狂鬼さんも随分と雰囲気が変わりました。
狂鬼:そこは意識しましたね。今回、初めて髪の毛を逆立てていないんですよ。あと、トレードマークとしてきた涙メイクも見えるところには描いていなくて。曲も新たな挑戦だったので、写真でも違う狂鬼を見せようかなと。おかげで、前回のアー写とかなり振り幅が出たんじゃないかなと思います。
──今回は本当に、音に自信が出てきたからこそ、撮る事の出来た写真になっていると思いました。
狂鬼:ここでこういう写真を撮るぞってなって、バシッと決められるメンバーがいるというのは自分でも嬉しかったですね。
──ちなみに、この曲はMVも撮ったそうですね?
碌:この間、MVのフルのやつが上がってきていたんですけど、結構かっこよかったので、そっちも楽しみにしてもらえたらなと思います。
──わかりました。では、曲について詳しく聞いていきたいと思います。表題曲の「Liar…」は、原曲者は碌さんとの事ですが、何をテーマに挙げて作っていったのですか?
碌:バンドサウンドでリフで攻めていくっていうのは重視した事ではありますね。歌の入っていない状態でメンバーに投げたんですけど、Bメロにコーラス欲しいなっていう想いで作ってはいました。
──今までも、バンドサウンドを大事にしてきたではないですか。それとこの曲では、大きくどこが違うと思います?
碌:テイストが違うというか。前はジャキジャキとした音で、リフというよりはコードをなぞるという感じだったんですけど、今回は、ちょっとロックな感じのゴリゴリとした男らしいサウンドなんですよね。ただ、曲のテイストが違うからと言っても、僕自身、心境の変化があったというわけではないんです。昔からこういう雰囲気の曲は提出していて。でも、それがグリーヴァに合ってきたというか。今の僕達がこの曲に寄ってきた感じがしたので、表題曲になったんだと思います。
──男らしいロックサウンドではあるけれど、“古き良き時代の継承者”というバンドコンセプトが損なわれていないところが良いなと思いました。
狂鬼:碌はテイスト変えずに貫いてきたと言っていたけど、僕から見ると、作曲センスは変わっているような気がしていて。だからこそ、ここにきて、碌の作る音楽とグリーヴァのやりたい事が合致したように思うんです。
緋雨:狂鬼さんが言うように、今までの碌さんって、全力の碌さん、いわゆる、個性がマックスだったんですけど、最近特に、この曲もそうですけど、今までのグリーヴァ感というのがうまく混ざっている気がして、本人も知らず知らずの内に進化しているのかなと思いましたね。
碌:ずっとグリーヴァをやってきたけど、活動5年目にして、グリーヴァっていうものが潜在的に入ってきたのかなと思いますね。
──活動5年目というと、中だるみをしてもおかしくない時期です。けれども、グリーヴァの場合はそういう事は全く無さそうですね?
碌:そうですね。
──より、過激になっている感じがしますよ。
狂鬼:確かに、丸くはなっていませんね。トゲはバンバン出していこうかなと。
──その強気な感情が曲にうまく表われていると思います。陽さんとしては、この曲の第一印象はいかがでしたか?
陽:この4年の間に色々と音源をリリースしてきて、メンバーそれぞれ、何曲作ってきたんだろうってちょっと思ったんですよね。数え切れないぐらい作ってきたので、そういう意味でも進化はあったと思うんですけど、この曲は碌さんらしさが全面に出た曲になっていたので、聴いた時にかっこいい曲だなと思いましたね。それと、タイミング的にも、メンバーの思考が碌さんの曲に当てはまっていたのかなと。
碌:例えば、この曲を1年前に出していたらカップリングにも入っていなかったと思うんですよ。だから、タイミングが良かったんだと思います。
──優冴さんとしても、この曲は今こそ出すべきだと感じましたか?
優冴:はい、感じましたね。俺と碌って、好きな音楽が似ているんですよ。それもあって、「Liar…」を聴いた時は、純粋にめっちゃ良いやんって思ったんですよね。あと、ドラムのフィルとかも自分がやりたいなと思ったものを入れてきてくれるんで、すごくやりやすいし、ライヴでもちょこちょこ演奏しているんですけど、普通に楽しいです。
──今、ライヴでも演奏しているとおっしゃいましたが、手応えはいかがですか?
優冴:パワーコーラスの部分もあるので、どうしたらいいんだろうと最初はとまどいもあったんですけど、今は結構やってきて、その部分ではお客さんが拳をあげてくれているので、発売前ですけど、今のうちからノッてくれたら良いんじゃないかなって思います。
──例えば、どんな風にノッてもらいたいですか?
碌:それはもう、自由で良いです。自分自身、ステージでは自由にやっているので、お客さんにも強制はしたくないんですよね。ただ、今優冴が言ったように、Bメロでメンバーのパワーコーラスがあるので、そこは声を出してくれたら嬉しいかな。
──間違いなく、グリーヴァの代表曲になると思います。また、カップリングも個性の強い曲を持ってきましたね?
狂鬼:シングルって、全部がA面になれるぐらいの曲が良いんですよね。もちろん、B TYPEに付いている「奈落」もA面だと思っているので、是非買って聴いてもらいたいですね。
──この曲、聴きどころは?
狂鬼:奈落はひたすらダークなところですかね。重苦しいというか。でも、そこにクリーンのアルペジオやジャッキっとした音が入ってない分、僕らとしては違うアプローチを見せる事が出来たと思います。
──「Invective」は緋雨さんが原曲を持ってきたそうですが、どういったイメージで組み立てていったのでしょう?
緋雨:これは、作る際にテーマがあって。能力者達がスタイリッシュに戦うバトルアニメのオープニングのタイアップ風っていう。
──今までも、そうやって具体的なテーマを掲げて曲を作った事はあるんですか?
緋雨:ないですね。でも、いつかは本当にアニメのタイアップが付いたら良いなと思っているので、今回はその第1弾という事で(笑)。まぁ、ちょっとした遊び心から出来た曲ですよね。
──そんな緋雨さんの想いを汲み取って、皆さんはレコーディングに臨んでいったんですか?
優冴:タイアップ風っていうのは、そこまで意識してなかったんですけど、いきなりサビから入るっていうのは今までのグリーヴァにはなかった曲だなと思いますね。あと、この曲ってテンポが速いんですよ。それだけに、最初は部分録りをしても良いよっていう話になったんですけど、速さゆえの疾走感を出したかったので、最後までやり切りました。荒々しい部分もたくさんあるんですけど、それもロックかなって思ってます。
陽:僕もクリックどおりに弾くタイプではないので、人間的なドラムだから合うところもあって。だからこそ、生まれる疾走感があるのかなと思います。
碌:クリックに合わせて弾くと、どうしても機械的になってしまうんですよね。なので、打ち込みでは出せないロックさというのが、この曲には出ていると思います。
緋雨:自分で作っておいて言うのも何ですけど、テンポが速すぎる。デモ作って、アレンジして、いざレコーディングしようとしたら、速くて追い付かなくて。だから、次に作る曲は、もうちょっとテンポを遅くしようかなって(笑)。
狂鬼:確かに速かったですね、この曲は。それだけに、歌詞では言葉をあまり詰めないようにしました。やっぱり、歌詞を聞き取れなかったら意味がないので、そこは意識しながら譜割りは決めていきましたね。
──これで、本当に何かのタイアップが取れたらどうします?
緋雨:シングルカットします。
狂鬼:シングルからのシングルカットって新しいな(笑)。まぁ、次もタイアップ風シリーズで曲を作ればいいんじゃない。
緋雨:次は、アニメのエンディングを狙って作ります(笑)。
──「Dirt Show[case]」は、狂鬼さんが原曲者だそうで。
狂鬼:アルバム『混沌ノ匣』に入っている「水中沈む透明な匣」で、今までにないような楽曲に挑戦したんですけど、メンバーからもお客さんも良いと言ってもらえる事が多かったんですね。それで、グリーヴァってこうあるべきだっていう固定概念にとらわれなくても良いんだなって思い、「Dirt Show[case]」を作ったんですよね。
優冴:ただ、狂鬼の作るデモって、ドラムは手と足が多くないと叩けないんですよね(笑)。でも、その中で自分のやりたいように出来るっていうのが狂鬼の作る曲でもあるので、基本の土台は崩さずに叩いていきました。あと、Aメロは昔からやってみたい事を入れてみたんですけど、狂鬼がいない間に変えてしまったので、後から来て聴いた時にビックリされました(笑)。
──良い具合に変えましたね(笑)。弦楽器隊は、録りはいかがでした?
緋雨:ベースって、弦楽器と言われるだけにギターの仲間でもあると思うので、いつもベースのアレンジは派手にしているんですけど、この曲は割とドラムに近い、支えるフレーズにしました。あと、歌が上がってからレコーディングしたのも大きかったですね。歌に強い力を感じたので、それを支えようと思って、今回はリズム隊としてのベースになりました。
碌:優冴がAメロをだいぶ変えてきたんで、そっちに合わせて弾いていきましたね。ここでは、Bメロの激しさをほのめかすようなフレーズになっていたので、ギターもそれに合わせて一段階激しめに変えていきました。原曲とはガラッと変わったんですけど、自分としてはこの展開はありだなと思ったので、楽しくレコーディング出来ました。
陽:狂鬼さんが作ってくる曲だと、このギターはどっちが弾こうか、どういう掛け合いにしようかって、碌さんとよく話すんです。そこは常々やっている事なので、この曲もすんなりと出来ましたね。
──3曲共、最高の形に仕上がったのではないでしょうか。また、リリース後には、ゴシップとのカップリングツアーを始め、ライヴをたくさん行うんですよね?
狂鬼:碌生誕祭もあるし、スケジュールが良い感じに埋まってますね(笑)。新曲もどんどんやっていきたいし、今はまた、これとは別に新曲を作っているところなので、これからのライヴに入れられたらなと思います。
Interview:ERI MIZUTANI