Gt.HIDE-ZOU

Ba.Tsunehito

Vo.ASAGI

Gt.Ruiza

Dr.HIROKI

──待望のニュー・アルバム『Wonderland Savior』が出来上がりました。
ASAGI:手応えはかなりありますね。自分達としても自信作に仕上がったと思いますし、胸を張って最高傑作と言えるような良いアルバムが出来たなぁと。なので、今は達成感でいっぱいです。
──そもそも、このアルバムは、どのようなテーマを掲げて制作に入っていったのでしょう?
ASAGI:本作は、アリスの世界観をDならではの独自の視点で描いてみたいというところから始まったんです。あと、この作品をもって3部作が完結となるんですね。復活シングルとなった「HAPPY UNBIRTHDAY」、「MASTER KEY」、そしてアルバムのタイトル曲にもなっている「Wonderland Savior~太陽と月の歯車~」で3部作が完結となるんですけど、夢の世界を描いた「HAPPY UNBIRTHDAY」、現実の世界を描いた「MASTER KEY」、夢の世界が消えてなくなりそうなところに現実から夢の世界を救いに行く為に戦いに出るというところを表わした「Wonderland Savior~太陽と月の歯車~」、その武装して戦いに行くというテーマと、スチームパンクがすごくリンクしたので、アリス×スチームパンクの世界を今度はアルバムで表現してみようと思って制作に入りました。
──全編を通して、ワクワクするような内容に仕上がりましたね。本作は3タイプでのリリースとなりますが、通常盤Cに至っては全17曲(14曲+ボーナストラック)入りとの事ですから、これはとても聴き応えがあります。
ASAGI:作品を作る僕らにとっては、限られた時間の中でも最大限入れられる曲数で最高のものを作る、という前提で臨んでいったんです。だからこそ、胸を張って「これが最高だ!」と言える形がこれだったと言えますね。あと、ボーナストラックに関してはライヴバージョンでの収録という事もあり、ファンの声が入っているんです。これは前から本当にやりたかった事だったんですよ。今回、ファンの声が入った事で、曲に新たな命が吹き込まれたというか、ボーナストラックという意味合いで捉えてもすごく成立する内容になったと思います。
──ファンの事を考えて制作したというのは、本作には欠かせないポイントなんですね?
Ruiza:もちろんそうですね。バンドも僕自身も、ライヴやファンの事は考えて制作していきました。夏のツアーを廻って、ライヴを一緒に作っている感じだったり、熱だったり、そうやってダイレクトに感じた事がそのまま、録り音にも反映されていると思いますし、グルーヴにも影響しているんじゃないかなと思いますね。
──Ruizaさんは本作で「海王鯨島 亀毛海浜夢珠工場」を作曲されています。ここでもやはり、ライヴは意識されたのでしょうか?
Ruiza:テーマに合わせて楽曲を考えたりもするんですけど、こういう風にライヴで盛り上がったら良いなというのも当然考えましたし、自分の曲以外でもエッジの立たせ方だったり、ライブを意識しているところもありますね。
──それにしても、この曲で描かれている世界観は何とも素敵じゃありませんか。
ASAGI:曲を聴いて最初に浮かんだのが、海と工場だったんです。それで、大きな鯨の背中が島だとして、そこで海に住む生き物たちが工場を作り、その中でせっせと働いて夢珠というものを作っていくというイメージが、まず自分の中にあって。ちなみに、夢珠の基盤となるものは、それぞれの夢のカケラなんです。そこに色々なものを混ぜて夢珠が作られていくんですけど、アリスの世界にも牡蛎などが出てきますし、これはすごく良い世界観が出来たなと思いましたね。
──歌詞の世界と相まって、冒頭から惹き付けられる曲となりました。その点では、Tsunehitoさんが作曲された「Egg Supremacism」と「七色革命」でも同様の事が言えますよね?
Tsunehito:「HAPPY UNBIRTHDAY」と「MASTER KEY」、そしてアルバムの3部作でアリスという同じ世界観なので、その部分とスチームパンクという要素も考えて作っていったので、イントロもシンセの音だったり、惹き付けられる音だったり、聴いていてハッとする部分というのは自分の中でも曲作りの時に意識していました。あとは、ASAGIさんが歌詞を書く際、イメージが沸くものであるように、というところも意識して曲作りしていきました。
──どちらも、この位置に来て大正解だったと思います。
Tsunehito:曲の位置に関しては、ASAGIさんが「七色革命」はラストに持ってきたいと言って、歌詞を書いてくれたんです。曲調としてスッと入っていきやすい曲にもなっている思いますし、最後の位置に来たのは自分も嬉しかったですね。
──HIROKIさんは、本作が出来上がった今、どう感じていますか?
HIROKI:夏のツアーを廻りながらのアルバム制作だったんですけど、本当にバリエーション豊かな楽曲ばかりで、どの曲も自信作と言える仕上がりになっていますね。
──どの曲に対しても芯の強い音を出されていますよね?
HIROKI:そうですね。自分的にも各曲に合わせた音作りはしてますけど、1音1音、メロディに対してのあたり具合とか、歌詞で伝えたい事というのも自分の気持ちを音に乗せて表現するというのが自分のプレイスタイルでもあるので、そういったところでもこだわりを持って制作していったので、自信を持って出せる作品が新たに出来たと思います。
──でも、これだけの曲数が揃うと、周りから求められる事も多かったのではないですか?
HIROKI:今回、ビート感をすごく大事にしていきましたね。本作も、プロデューサーとして岡野ハジメさんに入ってもらったんですけど、歌や周りの楽器陣との兼ね合いを考えたうえで、ビートにしろ、リズムフレーズにしろ、そういったところはすごくブラッシュアップ出来て。シンプルにするからこそより伝わりやすいというのは、今回学ばせていただいたところではありますね。だから、すごく聴きやすさは出たし、より伝わるアレンジが出来たなと思います。
──なるほど。それと、新曲のいくつかは、既にライヴで演奏されているそうですね?
HIDE-ZOU:いつもは、作品が発売されて少し間を空けての披露というのが多いのですけれど、今回はすぐに披露したという事もあって、アルバム制作期間の気持ちを引き継いで新曲を演奏出来たと思うんですよね。やっぱり、この作品は最高傑作というだけあって自信もありますし、ドキドキワクワクするという意味でも、自分としてもすごく入り込みやすいんです。
──HIDE-ZOUさんから見て、この曲は実際にライヴで演奏したら、すごく化ける(変化する)だろうなと思うのはどれですか?
HIDE-ZOU:どう化けるかというのは、その曲としてそれぞれあると思うんですけど、今やっている曲たちはライヴでの楽しみ方もあったりしますし、まだやっていない曲たちもリリース後のツアーでやっていくと思うので、ライヴならではの楽しみ方を見つけてほしいし、それぞれの世界観を感じてもらいたいですね。そういった意味では、全曲化けると思います。
──今お話に上がったように、冬のツアーが11月3日の名古屋公演を皮切りにスタートします。今回のツアーはどのような内容になるのか、ヒントで構いませんので教えていただけますか?
ASAGI:そうですね、アルバムの曲は全曲披露していきたいですし、自分が思い描いていた以上の景色をいつもファンが返してくれるので、今回のツアーもそこはすごく楽しみにしています。それと、視覚的な面で言うと、今回のツアーグッズで、アリスの世界を彷彿とさせる“チェシャ猫のしっぽペンライト”というものを出しているんです。このアイテムを使用する事によってサイケデリックな景色を作れると思うので、「フューシャーピンクとフランボワーズの鍵盤」や「Psychedelic Horror Show」で非常に活躍するんじゃないかなと。あとは、メンバーの動きやファンとの一体感をこのツアーでは楽しんでもらいたいですね。
──そして、大晦日にはカウントダウン・ワンマン・フェスティバル“Mad Tea Party”が開催されるんですよね?
ASAGI:ツアーファイナルを兼ねて、サンリオピューロランドでやらせていただきます。僕たちとサンリオキャラクターの共演もありますので、これはきっと、前代未聞のカウントダウンライヴになると思いますよ。
Interview:ERI MIZUTANI