Dr.メト

Ba.恋一

Vo.綴

Gt.MiA

──11月2日にニュー・シングル「羽花」がリリースされますが、MEJIBRAYのシングル作品は、これで18枚目となります。18枚シングルを出してきて、それぞれに何か変化はありますか?
綴:何だろう。スタンスを変えているつもりは無いんですよ。でも、今回の作品で言ったら、「DIRTY PIG PHYCHO」とかは今だから作りたいと思える曲なのかなっていうのはありますけどね。やっぱり、自分の中での流行りっていうのがあるんですよ。それをすぐに出したいタイプなので、タイミングがずれたら作っていないと思いますね。
──恋一さんはいかがです?
恋一:実は、あったんですよ。
──何でしょう。聞かせて下さい。
恋一:今日、iPhoneを機種変しました(←嬉しそう)。
──音楽も私生活も最先端を取り込んでいると。とはいえ、それは本作の制作に関係無いような(笑)。
恋一:いやいや、そういうのじゃ無いんですよ。新しいの買ったから頑張ろうっていうのは気持ち的に重要なんです。でも、この事をみんなに言ったら、「あ、そう」って。
綴:メトの方が機種変するの早かったですからね(笑)。
──あら(笑)。
メト:………………。
るあな:「ホームボタンを失ったからしぶしぶ機種変したんだ」って言ってるよ。
MiA:普通、なくさないし。
綴:しかも、よく落とすからね(笑)。いっそのこと、固定電話にすれば。
──それこそ、なくさないように体に埋め込んでみては?
メト:………………。
るあな:「それ、ペッパー(ロボット)みたいで良いね!」って。メトもソフトバンクと契約してメットーとか作ってもらえばいいんだよ。
──想像しただけでも可愛らしい(笑)。メトさんはこれまでにシングルを18枚出してきて、何か変わったところはありますか?
メト:………………。
るあな:「5年もMEJIBRAYをやってるから、変化は無いとおかしい」って。「でも、そこは周りや聴き手が判断する事だと思ってるんだ」とも言ってるよ。
──MiAさんから見て、メトさんはどのように変化してきたと判断しますか?
MiA:確実に、変わってきたなと思いますよ。とは言え、そこは聴き手に委ねたいところでもあるので、僕からの意見は敢えて伏せておきます。みんなに、メトの変わってきたところを探してほしいですね。
──MiAさん自身、変わってきたところはありますよね?
MiA:そうですね。変えていきたいと思うからこそ、変わっているんだと思うんです。でも、制作に関して大きく変わったところは、要領が良くなったなって。
──本作の制作もスムーズでしたか?
MiA:はい。やりたい事とやるべき事がハッキリとしているので、ゴールが見えている分、そこに対してのあらすじをしっかりと書けばいいのかなって。そこは年々明確になっているので、より効率的な制作が出来ていると思います。
──それにしても、「羽花」は1曲の中でとても展開が多いですよね?
MiA:そうですね、割とマニアックだと思います(笑)。前作「THE END」が結構ストレートな曲だったので、ここではちょっと変わったというか、新しい風を吹き込みたいなと思ったんです。
──聴いて思ったのが、この展開の多さによく言葉を乗せる事が出来たなぁと。歌詩を書いた綴さんとしては、曲の第一印象はいかがなものでした?
綴:いつも、曲に合わせて歌詩を書く感じでは無いので、面白い曲が来たなという印象でしたね。ただ、次に来る曲がどんなものでも、この歌詩は書こうと決めていたので、曲が来てからメロディに合わせて落としていくという感じでした。
──相変わらず、歌詩に出てくる言葉使いがとても綺麗で。まるで小説のような仕上がりです。
綴:ありがとうございます。小説家デビューしようかな。
──ぜひ。そうしたら、先生と呼ばないといけないですね。
MiA:綴先生かぁ。
綴:何か、バカにされてる気分なんだけど(笑)。
MiA:あははは(笑)。
──ところで、「羽花」という言葉がひらめいたキッカケは何だったのでしょう?
綴:何だろう。でも、自然と出たんですよね。
──だからこそ、素直に書けたのかもしれませんね。メトさんは、この曲をどんなところに注目して聴いてもらいたいですか?
メト:………………。
るあな:「自分の演奏面で?」ってメトが聞いてるよ。
──そうですね。ライヴで注目してほしい点を教えて下さい。
メト:………………。
るあな:うんうん。メトはね、自分の演奏面というよりもラストのサビの展開が気に入っているんだって。だから、「バンドとしてのラスサビの展開を聴いてほしい」って言ってるよ。
──そこは、作曲したMiAさんのこだわりでもありましたか?
MiA:あぁ、そうですね。すごくアンニュイな感じは出したかったです。
──恋一さんのように?(隣で、買ったばかりのiPhoneをアンニュイな表情で眺める恋一)。
恋一:もう、早く帰って同期したくてたまらないです。
──取材中なのに、気もそぞろじゃないですか(苦笑)。
綴:車の中でおもちゃを開ける子供みたいなもんです(笑)。
メト:………………。
るあな:「人はこうしてダメになっていくんです!」って、メトが恋一に怒ってるよ。
恋一:完全に依存症です。
──でも、レコーディングもうまくいったし、最新のiPhoneも手に入れたし、今の恋一さんは最強ですね?
恋一:そう、最強なんです。
──良かったです(笑)。MiAさんは、この曲の聴きどころにどの部分を挙げますか?
MiA:聴いてくれる人が見つけてくれたらなと思います。僕自身、好きなところを挙げるなら、頭の部分とラスサビですね。自分がバンドで曲を作る意味とは何かと考えた時に、自分にしか無い発想を入れられたかなと。
──実に壮大なストーリーが描けている曲になったと思います。また、カップリング曲では違ったテイストを出してきましたね?
綴:「欲槽」は、とにかく暗いイメージで作っていきました。あと、サビが無いんですよ、この曲。何か、サビはいらないんじゃないかなと思って、敢えてサビは入れませんでした。
──この曲は、サビを入れなくて正解だと思います。綴さんの放つガテラルボイスも印象的でした。
綴:ここでは、使えるスクリームの種類はほとんど使ったかな。
──そこはライヴでも注目すべきポイントになると思います。しかし、これだけ声を張って、よく喉を痛めませんね?
綴:歌としてスクリーム系をやるより、ライヴでお客さんに「いけんのかー!」ってあおる方が喉が痛くなるんですよ(笑)。
──それは初めて知りました。恋一さんも、この曲は自由に演奏する事が出来ましたか?
恋一:うん。この曲は、予約しているiPhoneを待ちながらレコーディングしてました。
──だから、葛藤ともどかしさがこの曲に詰め込まれているわけですね?
恋一:そうなんですよ。
綴:それが案外、良いフレーズでね。
恋一:iPhoneが生み出してくれました。
メト:………………。
るあな:ねぇねぇ。メトが、「でも、この曲はライヴで表現するのが難しい」って。
──言われてみると、確かにそうですね。
メト:………………。
るあな:「このままだとライヴで表現出来ないから、どうしようかな」って思いながら、メトはこの曲のレコーディングをしていったんだって。「叩く事は出来るんだけど、ライヴで全体の流れを表現するのは難しい曲なんですよね」って言ってるよ。
──だからこそ、ライヴでの披露が楽しみです。
MiA:ライヴでは、感情の赴くままに演奏していきたいですね。きっと、曲が導いてくれると思います。
──「DIRTY PIG PHYCHO」は取材冒頭にも話が出ましたが、本当に今だからこそ出せる曲ですね?
綴:シャッフルの曲を作りたくて。前にもシャッフルの曲はあったんですけど、ちゃんと跳ねている感じのものを出したかったんですよね。それと、タイトルは、曲が出来てないうちからあったんですよ(笑)。恋一と、ヤバい言葉を探そうって色々と言い合っている中で、「DIRTY PIG PHYCHO」という言葉が出てきて。なので、そこに合わせて曲が出来ていった感じはありますね。
恋一:1番汚い言葉を組み合わせたらこうなったんですけど、こんなヤバいタイトルを誰が付けるんだって盛り上がってました。
──そういった発想、MEJIBRAYなら有りだと思います。
綴:面白いですよね(笑)。
恋一:この曲こそ、ライヴでどうなるか分からないですね。
──そこは、これから始まる全国ワンマン・ツアー「-NO MOUTH SLIVERS-」で変化していく事でしょう。
恋一:今回のツアーは1本ずつタイトルが違うんですけど、大阪公演が「DIRTY PIG PHYCHO」なんですよ。なので、ぜひぜひ遊びに来て下さい。
Interview:ERI MIZUTANI