Gt.さゅら |
Ba.LAYHA |
Dr.たつき |
Vo.春 |
──9月14日にニュー・シングル「ヘドロ」がリリースされたばかりなのに、早くも新作「ラストシーン」がリリースされる事が決まりましたね?
たつき:そうですね、いつの間か。
──随分と制作のペースが早くないですか?
たつき:そうなんです。今ちょうど「ヘドロ」のインストア・イベントを行っているんですけど、この時点で既に新作のリリースが決まっているのは連続リリースを除いて初めてなので、インストア期間中にも関わらず、気持ちが前に行きそうなところはありますね(笑)。
LAYHA:それで、インストアの最後に「11月16日にリリースの「ラストシーン」も宜しくお願いします」って言ってます(笑)。
──ちなみに、「ヘドロ」と「ラストシーン」って関連性はあるんですか?
春:関連性は、あると言えばあるし、無いと言えば無いですね。でも、両方の作品を関連付けて聴くと面白いんじゃないかなっていう感じですね。ただ、「ハルカ・モノクロ」のような曲って、案外、僕らがリード曲として出してこなくて。普通は、こういった曲がバンドとして直球なんだろうけど、僕らの場合は変化球なんですよね。
──「ハルカ・モノクロ」は、曲調だけで言うと爽やかなロックですよね。確かに、今までのSCAPEGOATのリード曲には無かったタイプと言えます。今まで、こうした曲調をリード曲に置くのは敢えて避けていたところはありますか?
さゅら:表題として避けていたところはありますね。
春:思い返すと、避けていたというより、タイミングを見計らってたという感じですね。
──では、このタイミングで出す事を決めたのは何故でしょう?
春:それこそ、今回は変化球にしようという感じだったので、それだとしたら今までに無いテイストのものを出していこうと思って制作に入っていきました。
──なるほど。それにしても、こうしたストレートな楽曲を変化球と言い切ってしまうところがSCAPEGOATらしいといいますか。
たつき:あぁ、そうですね。
さゅら:SCAPEGOATとしての見え方は変化球なのかもしれないけど、作曲した時点では、狙って変化球を出したというわけでは無いんです。元々、歌モノはカップリングでも出していたし、メンバーみんな色々な音楽が好きなので、自然と曲を作ったらこういう傾向に行き着いたという感じなんです。逆に、昔は激しい曲を作るのにどうしたらいいんだろうと悩んでいた部分もありましたからね。なので、元々みんなが持っていた部分を出していきつつ、余分なものは入れないようにしたんです。良い意味で、4人が力を抜いているというか。だから、こういった曲をMVも付けてリリース出来るというのは嬉しいですね。
──それだけに、演奏面で意識した事というと何ですか?
たつき:僕は、いつもと変わらずに演奏していきましたね。これまでも歌モノは出してきたので、昔からあった引き出しを開けただけというか。でも、最後の終わり方はみんなでこだわりましたね。それこそ、ドラム録りを一端中断してまで、よくある終わり方にはしたくないよねって話し合ったんです。結果的に、ラストが自分の中でも1番好きなところになりましたね。それと、ツインペダルの部分があるんですけど、片方の足で頑張ったんですよ。両足でやればいいじゃんって思うかもしれないんですけど、片足で踏むと微妙に変わってくるんですよね。そこは見えないこだわりでもあります。
LAYHA:ベースはずっと忙しくしているんですけど、あまり目立ちすぎると曲の印象が変わってしまうので、ストレートと言えばストレートに弾いていますね。あと、サビの2コード目は敢えてルートを外してサビの中で停滞感を出しているんです。そういう今までにやらなかった事をやって面白味を出していきましたね。
さゅら:ギターの録りは、繊細というか細かいところも多いので時間はかかりました。中でも、Aメロはギターがというか、全体の雰囲気が良いですね。あとギター・ソロは、普段あまりやらない事をやって。ここは、初めの段階で作ったギターのフレーズのままなんですよ。そこから変える事が結構多いんですけど、今回は変えなかったですね。
──3人共、聴きどころが満載ですね。
さゅら:そうですね。よく聴くと、要所、要所でこんな事をやっているんだというのが隠れていると思うので、そういう部分を聴いてほしいですね。
──歌詞に関しては、直球と受け取って良いですか? それとも、変化球と受け取った方が良いですか?
春:歌詞に関しては、よくある歌なので、そこをどう自分の言葉にしようかなというのはありましたね。多分、こういう曲の歌詞を書く時って、みんな同じような情景を想像して書くと思うんです。そこプラス、俺だったらこういうニュアンスで書くかなと意識はしましたね。より、奥に深く入ったようなイメージで書いた感覚はあります。もちろん、歌も曲を活かせるようにと意識していきました。あとは、「ヘドロ」からのこの曲なので、ニュアンスはどちらかと言うと、今までよりかは歌っぽくという感じはありました。その点では、変化球と言えますね。
──歌詞には何度も〈I HATE〉と出てきます。その部分がとても力強く聴こえたのですが、そこは春さんのこだわりでもありましたか?
春:そうですね。SCAPEGOATらしさじゃないですけど、ただシンプルに行くよりかは力強さも出したかったので、それを入れるとしたらこの部分かなって。おかげで俺ららしい曲になったなと思います。
──また、この曲はMVも撮影されるとの事ですが、中身はどのようになりそうですか?
春:MVのイメージは割と最初からあって。まだ撮影はしていないんですけど(取材は10月上旬でした)、演奏シーンにプラスしてメンバー個々のドラマシーンを入れたいなと考えているんです。簡単に言うと、この曲は失恋ソングなので、全員が失恋したていで演技してもらいたいなと。ただ、かっこつけているだけのイメージシーンだけにはしたくないと監督にも言っているので、出来る限り良いシーンが撮れるといいなと思いますね。みんなの演技も楽しみです。
たつき:大丈夫ですよ、演技力は。
LAYHA:撮影が数日後に控えているので、そろそろ役に入っていかないといけないなって。
さゅら:既に役作りを始めてるんだ(笑)。
春:でも、4つのショートムービーのダイジェストじゃないけど、それに近いイメージはありますね。
──今までにない出来上がりになりそうですね。また、作品Bタイプに収録されるカップリング曲「phantom」はSCAPEGOATの直球とも言えるのではないですか?
春:そうですね。
さゅら:いつも、曲は作り終えて100%良くなるんですけど、この曲もまた良いものに仕上がったと思うし、それだけカップリングにも自信があるのかなと。
──両A面的な気持ちで制作しているという事ですね?
さゅら:そうですね。作る時はどれが表題曲に選ばれても良いという気持ちで作っています。あと、この曲にはパワーコーラス的なみんなの掛け声も入っているので、そこを聴いてライヴ向きの楽曲だなって思ってもらえると思います。
──ライヴでこの曲を演奏する際、お客さんにはどのように盛り上がってもらいたいですか?
たつき:好きなようにやってくれって思いますね。曲自体が分かりやすいので、こっちから無理に提示する必要も無いのかなと。
LAYHA:ライヴで盛り上がっている景色が想像出来る曲なので、聴いた人もこういう曲だって一発で分かると思うので、思ったとおりにやってくれれば間違い無く盛り上がると思います。
──この2曲は、来年1月28日に行われるワンマン・ライヴに向けて、良い起爆剤となりそうじゃないですか?
さゅら:早く披露したい気持ちでいっぱいです。新しい曲が出来るとすぐに演奏したくなってしまうんですよ。
たつき:でも基本的に、新曲って早くやってない?
春:うん。発売前にやる事が多いかな。
たつき:今のところは「ヘドロ」の曲を演奏しつつ、いずれは新作の曲もやりたいですね。
春:これから全国ツアーも廻るので、それが「ラストシーン」のリリース・ツアーという形にはなるのかなと。そして、来年にはリキッドワンマンがあるんですけど、ちょっとずつ、こういう感じが良いんじゃないかというのは思い付いています。とりあえず、この間のWESTワンマンが直球だったので、今回はそれとは違う感じにしたいなという気はあります。あとは、観てくれる人に、半年間でここまで変わったかという印象を残したいですね。
Interview:ERI MIZUTANI