Gt.ZERO

Ba.緋遊

Vo.悠希

Dr.一朗

Gt.サトシ

──ついに、Initial’Lが始動しました。皆さん、今のお気持ちとしてはいかがですか?
悠希:初めての始動という感じですね。もちろん、Lycaonの時も始動だったんですけど、何となく始まったというところはあったので、今日から始動だ!という雰囲気ではなかったんですよ。でも、今回は始動日に合わせて準備をしてきたので、始動したなという気持ちが強いんですよね。
──Initial’Lとして動くことは、先にSNSを通して発表されました。正直なところ、緊張はありましたか?
サトシ:緊張というよりも、ファンの子がどんな気持ちで受け止めてくれるかなというのは1番気になっていましたね。
──でも、蓋を開けてみれば好意的な意見ばかりで。何より、Lycaonが解散してから1年が経ったにも関わらず、メンバーが変わらずにバンドを動かしてくれたというのが嬉しかったです。ちなみに、Initial’Lというバンド名の由来は?
悠希:色々なバンド名をメンバーで考えてはいたんですけど、どれもしっくりとこなくて。そんな中、ゆかりのある名前をバンド名にしようと。それで、Lycaonがあった上でこの5人が集まったということから、Lycaonの一文字を取って、新しいバンド名をInitial’Lとしたんです。ただ、Initial’Lに具体的なバンドコンセプトは設けてはいないんですよ。僕らが心掛けているのは、1つのことに縛られない音楽をやること。今は、楽しく好きなことをやれたら良いなと思っているんです。
──今まで以上に自由なところを見せてくれそうですね?
サトシ:何でも出来ちゃうと思います。
ZERO:それだけに、バンドマンや関係者を含め、早く色々な人に見てもらいたいというか。というのも、俺は誰にもInitial’Lが始動することを言っていなかったんですよ。だから、始動が発表された時には、バンド友達からLINEで結構メッセージが来ましたね。中には対バンのお誘いもあったので、それは単純に嬉しかったです。解散して1年も経っているのに、そうやって言ってくれるんだなぁって。
──この1年間で、音楽に対してやバンドについて色々と考えたのではないですか?
ZERO:それはもちろんありますね。むしろ、それしか考えていなかったです。それもあって、曲を作る上での考え方も変わってきたんですよね。今までは音楽理論にそこまで詳しくなかったんですけど、ちょっと調べてみるようになったら、幅も広がりましたし。このままクリエイティブな考えでいけば、もっと突き詰めていけるのかなとも思います。
──ギター隊にも良い変化が出てきそうですね?
サトシ:もちろん。俺はこの1年でどこまで変化したというのは、実際には自分自身から見て分からないところもあるんですけど、自分の納得出来るところまでやれているのかどうかは、今の頑張り次第だと思うんですよね。だから、まだまだだぞ!と言い聞かせながらやっています。
緋遊:サトシは昔から自分に厳しいからね。何ていうか、すごくストイック。
サトシ:自分との戦いでもあると思うんですよ、バンド活動って。だから、永遠の目標として掲げている“ロックとロックンロールの違い”を、俺はこれからも追求していくのみですね。
──リズム隊はいかがでしょう。それぞれに、この1年で変わったことはありますか?
緋遊:環境が変わったというのもありますけど、メンバーの関係性は全く変わっていないんですよね。そうした5人の関係性の良さを始動ライヴでも出せたのは良かったなと思います。正直、解散して数ヶ月はメンバーに合わなかったんですけど、その後に入ったスタジオでは久しぶりな感じがしなくて。
悠希:ずっと連絡は取っていたんですよ。音楽の話ではなく、どうでも良いことも言っていて。
一朗:ほんと、普通の話をしてたよね(笑)。
緋遊:そうそう、始動の話をするわけでもなく(笑)。でも、それがあったから、ずっと一緒にいる感覚ではあったんですよね。
悠希:だからこそ、新しいバンドを立ち上げる時も、わざわざメンバーを探す必要がないなって。
一朗:そうだったね。ただ、俺は、髭を生やすか生やさないかでしばらく悩みましたけど(笑)。
ZERO:割と真剣に悩んでいたよね。
一朗:アー写を撮る前日まで悩んでた。何か、ヴィジュアル系って、髭を生やすのがダメみたいなところがあるじゃないですか。でも、何でダメなんだろうって。
悠希:確かに。でも、俺がいるから髭生やしても大丈夫なんだよ。
一朗:あぁ、そういうこと。って、何それ(笑)。
──綺麗目とワイルドで、丁度良くバランスが取れていると思いますよ。
悠希:ですよね。言ってしまえば、表のセンターと裏のセンターみたいな感じだし(笑)。まぁ、そうやって外見的な部分も楽曲同様、1つのことに縛られたくないという想いはありますね。
──さて、先程お話に上がりましたが、Initial’Lは始動日にライヴを行いました。当日を振り返ってみていかがでしょう?
悠希:当日はインターネットの生中継も入っていたので、全国のみんながライヴを観られる状況だったんですけど、その中で誰も事前にInitial’Lの曲を聴いたことがなかったので、まずはどういう風にライヴをしようかと。でも、最終的には、あまり考えずに自分たちのライヴをとりあえず見せ付けようという想いでやっていったんです。
一朗:今までも、新曲をライヴで披露するということはありましたけど、やっても1曲ぐらいじゃないですか。今回は全てが新曲だったので、その点で最初はどうしようと思ったんですよね。
悠希:けど、実際にライヴをやってみると、安心感はありましたね。自分たちが始動日に向けて一生懸命やってきたことが出せるという喜びもありましたし。だから、緊張や不安は一瞬にして飛んでいって。ほんと、楽しい、嬉しい、という気持ちが強かったです。
サトシ:相変わらず、俺たちはライヴが好きなんだなと思いましたね(笑)。
──そして、11月30日には初のシングル「MOON LIGHT DOWN」がリリースされます。今回は3タイプでのリリースということもあって、様々な曲調の楽曲が揃いましたね?
サトシ:ファースト・シングルらしい作品に仕上がったとは思います。しかも、今までにないぐらい、選曲には力を入れたんですよ。
悠希:いっぱいある中から、タイプ別に組んでいったんです。
ZERO:イメージをそれぞれに分けて曲を入れていきました。
──その中でも、ずば抜けて良い曲が「MOON LIGHT DOWN」ですね。
サトシ:この曲は、最初に悠希がシンセで作ってきて。
悠希:自分としては、遊びで作っていたんですよ。それで、サトシにこの曲にギターを乗せてみたらどうなる?って言って渡して。それが始まりでしたね。
サトシ:ギターを乗せて、曲構成を考えていって。そうしたやり取りを経て原曲が出来ました。出来上がったものを聴くと、今までとは違うなと感じましたね。ギターの音に関しても、ちょっと大人になったかなって。バランスも冷静に見られるようになってきたし。曲の出したいところを意識しながら作れるようになってきました。
ZERO:自分にないところをサトシはたくさん持っているので、こういうのをやった方が良いんじゃないっていう意見も素直に聞くことが出来ますね。
一朗:ドラムは最初に録ってしまうので、あとはベースが合わせてよっていう投げ方を俺はしますけどね(笑)。
緋遊:で、はいはい、合わせるよって(笑)。
悠希:そうやって、個々の役割をそれぞれが分かっているので、やり取りもスムーズなんだと思います。
──それにしても、この曲はMVが独特ですね?
悠希:現実味があるシーンとそうでないシーンが混ざっていて、不思議な世界観ですよね。具体的な内容を言うと、映像の中に出てくる妊婦は、Lycaonを表わしているんです。そして、そこから産み落とされたものが僕たちとなっていて。
──そうだったんですね。でも、素敵です、過去を否定しないというのは。
サトシ:今までも、最高の作品を作ってきたという自信はありますからね。
悠希:これ以上のものはないという意味でも、“解散”という形でLycaonの“完成”を選んだんです。でも、僕たちにとってLycaonは母体でもあるだけに、今でも大切な存在なんです。だからこそ、過去を否定するのではなく、それを糧にして光が差す方へと手を伸ばしたいし、ここからまた、この5人で新たな絵を描きたいなと思います。
(Interview:ERI MIZUTANI)