Gt.未月

 Ba.棗

 Vo.翔梧

 Dr.ハル

 Gt.yukito

──6枚目のシングル「Lamplight=melody」は、アンフィルらしさが出ている作品に仕上がりましたね?
ハル:アンフィルらしさというのは、作品のテーマでもありました。
未月:本作の根底には、シングル「パロニリア」(2016.6.15リリース)と「Step bye step」(2016.8.17リリース)があって。「パロニリア」ではヴィジュアル系らしさを提示しつつ、「Step bye step」ではラフな衣装でシンプルな曲をやるという、両極端なコンセプトの下で楽曲をリリースしたんですよね。その2枚を経て、2016年最後のリリースとなる「Lamplight=melody」では、“アンフィルらしさとは、何か”というのを再確認しながら制作していったんです。あと、僕らは来年1月にバンド結成2周年を迎えるんです。だから、その前に原点回帰をしておきたいなという気持ちもありましたね。
──表題曲の「Lamplight=melody」はyukitoさんの作曲ですが、やはり良い曲を作りたいという気持ちはありましたか?
yukito:曲を決める時はみんなで持ち寄って決めるんですけど、今回が1番、どういう感じでアンフィルらしさを出そうかっていうのはすごく悩んだところではあります。前の作品に似るのも良くないので、新しい要素を入れようと思い、アコースティックギターだったり、R&Bやレゲエ感を曲中に入れていきました。
──アンフィルもとうとう、アコギが似合うバンドになりましたね。
未月:大人になりましたか。やったー(笑)。
──前の作品を越えたい、新しい事に挑戦したい、ということを目標にここまで頑張ってきたと思います。だからこそ、本作ではちゃんと目標が実行出来ているなと感じたんですよね。
yukito:今回は、選曲会が何度も続いていたので、これをみんなに聴かせてダメだったらまた新しい曲を作らないとなぁって、多少はプレッシャーがあったんですよ。
未月:そこまで難航した事はこれまでにはなかったですからね。
yukito:みんなそれぞれに悩んでいたと思うんですけど、「Lamplight=melody」が表題曲として決まったのは、キャッチーだったというのが大きかったのかなと。やっぱり、アンフィルの王道って、どんな曲でもキャッチーなところではあるので、そこは重視していた部分でもあるのかなって。
未月:振り返ってみると、「パロニリア」と「Step bye step」は両極端なコンセプトで出しましたけど、どちらもアンフィルらしさが出ているんですよね。それで、「Lamplight=melody」では、片方に寄ることなく、ど真ん中を突いた曲になっていると思います。
ハル:でも、曲出しして1週間も経たないうちにレコーディングということになったので、僕は早急にアレンジをして録っていきました。ただ、デモを聴いた段階で、こういう感じにしようというのはあったし、基本的にうちの曲ってみんなが録っていく中で変わっていくので(笑)、時間が限られていても慣れたものというか。思ったよりは、苦労せずに出来ましたね。
棗:最初の頃に出したシングルに近い雰囲気を持っている曲でもあると思うんですよ、「Lamplight=melody」は。けど、前に出したものを越えなくてはいけないという想いもあって、フレーズは色々と悩んだ結果、シンプルにしていきました。サビに入るまではそこまで動かしていないんですけど、それもサビがよく聴こえるようにと思ってやったことなんです。おかげで、サビが引き立ちました。それと、レコーディングにみんなが立ち会うようになったので、そこでも一体感は出ていると思います。
未月:立ち会った方がやり取りがスムーズなんですよね。
yukito:こういったシステムにしてからは、フレーズの修正とかもすぐにその場で出来るので、すごく円滑にレコーディングを進められています。
──なるほど。では、歌詞を書く際に意識したことは?
翔梧:歌詞は、2周年記念のワンマン・ライヴに向けて書きました。前作2枚が恋愛的なところを含め、結構雰囲気系の歌詞になっていたので、そこを踏まえ、今回は2周年を目前にした自分の気持ちを書こうって思ったんです。
──決意表明を提示しようと?
翔梧:そうですね。今年4月にやったWESTワンマンでは、挑戦や頑張っていこうという想いを表わしたんですけど、今回はそれ以上の絶対に揺るがない決意を出してみました。特に気に入っているのが、《メロディだけは世界中の誰にも奪えない》と、《失いたくない気持ちこそが 強さに変わる》なんです。これは他の人にも当てはまるかどうか分からないんですけど、僕はこの世の全員が自分のことを嫌いなんじゃないかって思っていた時期があって。でも、そういった気持ちって、自分にブレないものがあればどうにでもなるし、周りを見渡せば味方になってくれる人っていっぱいいると思うんです。そういった想いを歌詞で表現してみたんですよね。なので、読んで汲み取ってもらえたらなぁと。
──「Rusted Chain」は、yukitoさんの作詞・作曲となります。作詞に挑戦されるのはこれが初めてですよね?
yukito:はい。実は、「パロニリア」制作の際に、歌詞を書くのに挑戦したんですけど書ききれなくて。なので、今回はその屈辱を晴らす為に頑張りました。
翔梧:いつもは僕と未月が歌詞を書いているので、こうしてyukitoが歌詞をちゃんと書いてきてくれたのは嬉しかったですね。
yukito:まずは作曲から始めて、その後に歌詞をどうするってなったんですけど、曲の感じを活かしてストーリー性のあるものにしていきました。
未月:まさかの逃走劇っていう。
yukito:脱獄する感じがAメロから表われています。歌詞にあるbreak the chainは錆びた鎖という意味なんですけど、捕まった人が逃げていく様子が曲のスピード感と一緒に出ていると思います。あと、これは初めて話すんですけど、歌詞を書いている時がちょうど楽器隊のレコーディング中だったんです。それで、棗さんが演奏に苦戦している様子を見て、閉ざされた空間をテーマにしようって思ったんですよね(一同/笑)。
棗:えっ、俺が主人公だったの!? あー、だから、俺が録ってる時に笑ってたのか。
yukito:発想の元となりました(笑)。
──「セピア」は棗さん作曲ですが、とても綺麗なものに仕上がりましたね?
棗:全部ライヴ向けの楽曲じゃない方が良いよね、っていう話は選曲会の時にしていたんです。それで、元々自分が作っていた曲の中から、その雰囲気に当てはまりそうな歌モノの曲を後日持って行ったら、割と好評で。
未月:シングル3曲の中で、箸休め的な1曲になっていると思うんですよ。
翔梧:12月にリリースということもあって、こうした冬っぽい曲も必要かなって。すごく良い感じに仕上がったと思います。あと、僕は自分の世界だけで歌詞を書くのはやめようと思って、今回初めて、どういったイメージの曲なのかというのを先に作曲者に聞いておいたんですよね。その時、セピアともどかしい感じというワードをもらったので、そこに添った歌詞にしようと思ったんです。
棗:僕は色々な曲調を作るんですけど、どちらかというと早い曲の方が好きなので、こうした曲調は今までに通っていないところでもあるんですよね。だから、これが本当に正解なんだろうかって少しモヤモヤとしていて。そのもどかしさを歌詞にしてもらいました。
翔梧:楽しい曲や悲しい曲って答えが出やすいけど、モヤモヤしている状態を歌詞で表現するのって難しいなって。だから、あまり人の描写をせずに、街や影といった景色に焦点を合わせて、その情景が浮かぶように書いていきましたね。あと、サビの歌詞が全部一緒というのもポイントです。この言葉で完結させたいという想いから、繰り返して使ってみました。
──本作をリリースした後は、イベント・ライヴに多数出演。そして、来年1月22日には2周年記念ワンマンを新宿BLAZEで行うんですよね?
未月:はい。お客さんの期待に応えられるようなライヴにはしたいですね。
翔梧:あとは、ドラムソロが20分ぐらい?
ハル:いや、僕のトークだけで30分かな(笑)。
未月:前回のWESTワンマンが見せること重視で考えていたワンマンだったので、今回は見て楽しむのはもちろん、お祭りのような1日になれば良いなと思ってます。
(Interview:ERI MIZUTANI)