Ba.ユウト

Vo.和泉

aGt.maya

Dr.rei

──新しいアー写はとても素敵な仕上がりになりましたね?
和泉:そうですね。やっぱり、毎回、同じような感じでやってもつまらないし、何が変わったの?って思われてしまうのも嫌なので、今回も見てくれから変えたいなと思ったんです。それで、僕は中野の峰不二子になろうと思いまして。
──中野の峰不二子とは、斬新なアイデアです。
和泉:ナイスバディな女の人になりたいと思っている部分が常日頃からあるので、ナイスバディの象徴といえば峰不二子だなと。そして、中野区にそういった存在がいるかといえばそうではないので、それだったら自分がなってしまおうと思ったんですよね。
rei:今回、衣装に胸って入ってたっけ?
和泉:入ってます。
──徹底していますね! なのに、キラキラのヘルメットで顔は隠しているという。これについては、どうですか?
rei:顔を隠していると想像を掻き立てられる部分があると思うんです。大事なところは出さないというのが、想像力を保管するという意味でもセクシーに見えるんじゃないかなと、アー写に関しては思っています。
和泉:女形と呼ばれるヴィジュアル系はたくさんいると思うんですけど、大体が可愛らしいという感じなんですよね。僕は、敢えてそことは差別化を図りたいと思っていて。だから、見た目だけでなくすべてにおいて女性らしさを追求しているところはありますね。
──それも個性ですよね。おかげで、他のメンバーのかっこよさが引き立てられているなと思いました。
和泉:それも狙いなんです。ヴォーカル以外はまともなのにって言われる事が多いんですけど、これって僕がいるからこそじゃないですか! だから、心の中では僕のおかげだぞって思ってます。
ユウト&rei:そうっすね。
marya:そうなのか!?
──そうみたいです。というわけで、本題へ(笑)。12月14日にリリースされた1stフルアルバム『中野合衆国』は、とてもバラエティに富んだ作品となりましたね?
和泉:曲はもう、やりたい放題というか、色々なものを集めました。楽曲はバラエティに富んでいるんですけど、タイトルを見てわかるように、中野での出来事を中心に歌詞を書いているので、結果的に不思議なアルバムにはなっていると思います。
──ここまで中野しばりでこられると、逆に気持ち良いですよ。
和泉:個人的に、これは自分の自伝だと思っているんです。それもあって、中野以外では歌詞は書きたくなかったんですよ。だから、ツアー中で空いている時間があるにも関わらず、わざわざ中野に帰ってから歌詞を全部書きましたからね。こうした中野しばりの作品って、自分の中ではずっとやりたかった事だったんです。というのも、僕は中野にずっと住んでいるので、中野は今の自分の人生だと思っているんです。ただ、それを作品に持ってくるのはソロアーティストだったらまだしも、バンドで中野推しすぎるのもどうかなとは思っていたんです。けど、みんなに中野推しのアルバムどう?って聞いたら、良いよって。
rei:僕はバンドをやる前から和泉くんと仲が良かったというのもあって、中野にはよく遊びに行っていたんです。そういう意味では、中野は思い入れがある場所ですね。
──前に遊びに行った経験が今回の制作に役立ったというわけですね?
rei:いや、特にはなかったです(笑)。ただ、曲作りに関しては、そこはあまり考えずに作れたので良かったですね。それに、中野推しとは言っても、全曲に中野という単語が入ってくるわけではないので、そこは曲を通して、恋愛だったり人生の葛藤だったりをうまく代弁してくれたなと思います。
ユウト:まずは、和泉くんの自伝だと思わずに曲を聴いてほしいんですよね。僕は最初、歌詞を見るまでは自伝という事を知らなくて。後で歌詞を読んだ時に、これはそういう意味だったのかと見返す事が出来たので、そういった点でも、自伝だという先入観を抱かずに聴いてもらいたいんですよね。その方が、自分にも当てはめて聴く事が出来るし、後から歌詞を読んだ時に2度楽しめると思うんです。
──ユウトさんは中野に何か思い入れは?
ユウト:ないです(きっぱり)。
和泉:あはは。即答だ(笑)。
ユウト:けど、制作自体は先入観がなかったおかげで中野に飲まれる事なく、僕達らしさを残せたんじゃないかなと思います。
──確かに、4人全員が中野に思い入れがあったら、それはまた違った内容になってきそうですよね。
marya:それだと、ちょっと濃すぎたかもしれません。僕自身、中野に少し住んでいた時期もあるんですよ。でも、今は住んでいないので、思い入れは特にないんですよね(笑)。
和泉:中野って何が良いのかわからないんですけど、気付けばもう8年も住んでいて。でも、それって、町並みや色んな人間がいるのが面白いからなんだと思います。レトロなんだけど都心にあるっていうのも好きな部分ではあって。だからこそ、作品に出来たら面白いと思ったんですよね。
──アルバムならではのテーマだと思います。ちなみに、和泉さんが気に入っている曲はどれですか?
和泉:全部が流れとしてつながっているんですけど、しいて挙げるなら、6曲目「都会迷路」と7曲目
人生はマンネリだ」ですね。この2曲の流れはアルバムのメッセージ性がとても伝わりやすいと思います。
──この2曲をアルバムの真ん中に置いたのも、何か意味がありますか?
和泉:そうですね。流れの1番良いところに持ってきたというのはあります。だから、この2曲を聴いて何か感じる部分があれば良いなと思うんですよ。歌詞も綺麗事だけを書いているわけではないので、見た人からすれば、和泉ちょっとしっかりしてくれよって言われそうですけど(笑)、それでも共感してもらえたら嬉しいですよね。
──maryaさんは本作の中でお気に入りの曲はありますか?
marya:1曲目と12曲目ですかね。「中野行進曲」と「ユメ風船」に他の曲が囲まれているというのが、僕の中では熱い部分で。両方ともポップなんですけど、裏があるような楽曲になっているところが中野の町並みを表わしているかのようで好きですね。
──ユウトさんはいかがですか?
ユウト:今回のアルバムにはシングル曲が4曲入っているんですけど、その曲たちの前後の流れがすごく好きです。特に、5曲目「残響」から11曲目「二重人格」の流れが良いんですよね。7曲目「人生はマンネリだ」の後に「月姫」がくるんですけど、その流れも聴いていてすごく好きです。
──確かに既存曲の混ざりはすごく良いですよね。では、reiさんのお気に入りの曲はどれでしょう?
rei:シビレバシルで自分が初めて作った曲が、5曲目の「残響」なんです。どれも好きなんですけど、この曲も同じように良い感じに仕上がったなと改めて思いますね。
──それだけに、本作はシビレバシルの名刺代わりとなっているのではないでしょうか?
和泉:はい。これで今のシビレバシルは出せたと思います。
──アルバムの発売に伴い、ワンマンツアーも開催されます。この記事が出る頃には地方公演は終了していますが、各地で良いライヴが繰り広げられていそうですよね?
和泉:そうですね。
──そして、ツアーファイナルは来年となります。今年に引き続き、2017年もライヴを強化させた年になりそうですか?
和泉:ライヴはバンバンやっていきたいですね。ライヴはもちろん、音源や写真、見せ方1つ取っても、全部に対してリンクをさせたものが作品だと思っているので、どれもすごいなと思われたいんですよ。だから、すべてに置いて妥協したくはないし、1つ1つを納得できるものにはさせたいですね。だから、自分たちのやりたい事を貫きながら、3月14日のWESTワンマンを迎える頃には、『中野合衆国』を超えるものを作っていきたいと思っています。
──ちなみに、ツアータイトルとなっている『田中大輔~中野ブロードウェイ~』ですが、ここに出てくる田中大輔さんが中野区の区長だったとは驚きです。
和泉:実はそうなんです(笑)。それにしても、ツアーファイナルはどんな事になるのか自分でも楽しみですね。ここではきっと、シビレバシルに出会えて良かったという人もいれば、これは私にとって刺激が強すぎるという賛否両論が巻き起こると思うんです。というか、そういうライヴにしたいんですよね。やっぱり、バンドにとって登竜門と呼ばれるWESTに立つからには、そのぐらいの事をしないと自分自身が満足できないと思うんです。命をかけると言ったら大袈裟に聞こえてしまうかもしれないんですけど、しっかりと爪痕を残す気持ちで挑むので、ぜひ観に来てほしいですね。
Interview:ERI MIZUTANI