Ba.公大

Vo.昴

Dr.智也

Gt.杙凪

──カウントダウンライヴから幕を開けたRoyzの2017年。1月7日にはZepp Divercityでツアーファイナルを飾ることができました。振り返ってみると、「HELLO,ANTITHESIS」ツアーは一筋縄ではいかなかったのではないですか?
昴:今回、公大が体調不良と聞いたとき、僕としてはすぐに休ませてあげようとは思いましたね。その分、メンバー3人でツアーを廻るからには自分たちに出来ることをしようと。何か、そこに対して恐怖とかはまったくなかったんですよ。むしろ、先のことを見たいと思ったので、公大を休養させることを決めたんです。たとえば、僕が喉を痛めて休む可能性もありますからね。そうやって、バンドをやっている以上は順調に進まないことも予期せず出てくると思うんです。けど、前を向いてやっていくしか道がないし、何があっても止まることなんて自分たちが許さない。僕、「意味がない」って言葉がすごく嫌いで。だから、どんなことに直面しても、意味のあることにしないとなって思ったんです。
──こうしたこともあって、バンドとしての絆の深さを再確認したのではないですか?
一同:(無言で頷く)。
昴:ところで、休んでいる間、ツイッターとかでバンドの活動状況は見てたの?
公大:見てなかったなぁ。バンドとしても自分としても走ってきたのが、そこで1回止まったわけだから、どうしようっていう苛立ちや不安の方が大きかった。メンバーにも連絡を返していなかったし。
昴:あ、そうだよ。仕事が進まないから困ってるってツアー中に言いましたからね、僕(笑)。
──やっぱり、1人欠けてしまうとだめですね。
昴:だからこそ、余計にRoyzをしっかりと守らないといけないって思いました。最初は5人でやってきて、その後メンバーの脱退もあり今の4人体制となったわけですけど、4人になってから自分たちの意志がより固まってきたので、今回3人でツアーをやって、ファンの子はもちろん、スタッフの方にも本当に気にかけてもらいましたね。
智也:今回、ツアー初日に決起集会したんですよ(笑)。
昴:普段だったら、ツアー初日にご飯を食べに行くことってないんですけど、今回は本当に頑張らないとあかんぞって思って、スタッフと一緒に飲みに行ったんです。その後みんなでカラオケに行って、最終的には酉の市で熊手を買って帰ってきました(笑)。ツアーの初日に決起集会をやるのもなかなか良いなと思ったので、4月から始まる47都道府県ワンマンツアーも最初の日にご飯を食べようかなと企んでます。って、次のライヴだからやめておこうか。
公大:わーお(笑)!
──でも、こうして笑って話せるようになって良かったです。
昴:そうですね。
──1つの壁を乗り越えたからこそ、新作「RAVEN」は心に響きました。
公大:自分でも、良い曲が出来たなと思っています。
智也:ただ、PVの撮影日が迫っていたので制作期間が短かったんですよ。
公大:そうそう。それで、「VISUAL JAPAN SUMMIT2016」から帰ってきてすぐに作りました。前作のシングルで杙凪がカップリング曲でダウンチューニングをすごく入れてきてはまっているなと思ったので、そこを元にして「RAVEN」は作っていったんです。
──今までRoyzの曲はHiなイメージが強かったので、Lowを押し出した曲がこんなに似合うのかとビックリしました。
公大:うち、音源とライヴが結構違っていて。ライヴは思っているよりも激しいので、そこをシングルのA面でも出していけたらなって思ったんですよね。
昴:ライヴと音源を擦り合わせたというところはあります。
──歌詞では、今の想いを綴ったように感じられたのですが?
昴:何か、疲れ果ててますよね(笑)。でも、そういった部分も今しか出せないと思って、よし書こうと決めたんです。これまでに何曲も歌詞を書いてきたんですけど、僕、思い付かないと歌詞が書けないんですよ。でも、思い付かないなら、思い付くまでとことんやらないといけないし、今回も納得いくまで書き直しました。
──今までにないダークな感じですよね。また、そこに乗る楽器陣の演奏もとても良い味わいを出しています。
智也:今のRoyzのスタンスに合った、攻めの体勢を見せている曲だなとは思いますね。想いが溢れる感じではあるのかなと。どういう風にしたいかと考えた上で叩くとニュアンスって変わってくるんですよ。なので、この曲ではゴリゴリ、プラス攻めというところを考えてレコーディングしていきました。
杙凪:今回のシングルは色んな感情がこもっていると思います。それだけに、心情の変化が表われているんじゃないかなって。バンドとしても個人としても、昔の曲と今の曲では感情が違うだろうし、その上で僕自身も何が正しいんだろうって考えた時期があったんですよね。昔の曲はギターが2本あったから成立しているわけで。でも、今はシングルギターとして、この4人で作っていく音楽を軸にしていきたいので、この曲を始め、ギターが1本で満足出来るアレンジにしています。
公大:僕の粗末なギターデータをここまでしてもらえるなんて。
杙凪:たしかに、初めは歪みを上げすぎて歯切れが悪かった(笑)。
公大:よく、何とかしてくれたなって思います(笑)。僕はこの曲、Bメロが気に入ってますね。最近のRoyzが欲しがっているポイントを押さえられたかなって。あと、ベースは支えに徹しました。
──「PANDEMIC」も公大さんが原曲を持ってきたそうですね?
公大:これは作詞も担当しました。この曲のテーマは“理想郷”なんです。自分の価値観を遂行する為に悪いことに向かっていく人の過程を描いたんですけど、ちょっと面白い歌詞になっているなと思います。
昴:この曲は声に色気を出せるように意識していたので、敢えてかすれ声を出しているんですよね。サラッと歌える曲ではあるんですけど、そうならないようにニュアンスに気を付けていきました。そうしたら、歌い終えた後に顔が筋肉痛になっていて(笑)。でも、ちゃんと歌えたぞという勲章だなと思っています。
──杙凪さんが原曲を持ってきた「本能(仮)」と「Angry wuss Circus」は、公大さんの曲とはまるで異なるアプローチを見せていますね?
昴:「本能(仮)」が出来た背景として、杙凪から“昴の要望で曲を作ってみたい”という連絡があって。それで自分が欲しい曲の感じを文章に起こして返したら、こういう曲調になりました。
杙凪:4人で活動していている中で、僕と公大がコンポーザーとなって曲を作ってはいるんですけど、ライヴで1番言葉を発しているのは昴だから、昴から見て欲しい曲というのをやってみても良いタイミングになっているのかなと思って、まず要望を聞いたんです。
昴:かゆいところに手が届く1曲になったと。その分、ライヴならではの楽しみ方を探していきたいなと思います。
杙凪:「Angry wuss Circus」は僕が作詞したんですけど、曲のアレンジをしている時に歌詞が思い付きました。歌詞を書くとき、自分の中で決めていたことがあって。それは、最初に耳に入る部分の歌詞は簡単な言葉にすること。なので、どのサビもちょっとずつ言葉は違うんですけど、初めの部分は一緒なんです。それ以外にも自分の意志はいっぱい入っていますね。元々、この曲は「RAVEN」のデモからあった曲だったので、「RAVEN」と歌詞を絡めたくて、烏の天敵である鷲や鷹をテーマに、フリースタイルダンジョンでお互いに罵声を浴びさせるというバトルを描いていきました。
昴:ある意味、この曲は裏RAVENだと思います。
──4曲とも、早くライヴで聴きたくなりました。
昴:ただでさえ、曲が多くなってセットリストの並べ方に困っているのに、この作品が出来たことで全曲スタメンになってきたなぁって(笑)。
──47都道府県ツアーで確実に成長しそうですね。
昴:ヴィジュアル面を含め、やりたいことが出来てきているので、そこを噛みしめながらツアーをやりたいですね。せっかく、これだけの数あるし。
公大:新潟から始まるっていうのは僕たちとしても初めてですね。あと、今回も生誕祭はやります。
智也:生誕祭は、しょうもないことを頑張ってやろうかなって考えてます。僕は全力で笑わせにかかりますよ(笑)。
──ツアーファイナルは8月17日、中野サンプラザ。そして、翌月には8周年記念ワンマンが大阪で行われます。
昴:8周年記念ワンマンは、なんばHatchでやります。って、8年も経ったのかぁ。そう思うと、Royzもベテランになってきましたよね(笑)。でも、ファンと一緒に大人になってきたと思っているんで、8周年はもちろん、これから10周年に向けて走り続けていきたいですね。
(Interview:ERI MIZUTANI)