Gt.Z |
Dr.宏崇 |
Vo.マモ |
Ba.七星 |
Gt.楓 |
──レコーディングが終わるのはまだ先ですが(取材は2月に行いました)、最新ミニアルバム『日本アブノーマル協会』では、どんなことを打ち出したいと考えていましたか?
マモ:シングル「-SHAMBARA-」でR指定は第3期に入ったんですけど、本作ではその流れを組むというよりかは、全くの別物という感じで捉えてはいるんですよね。なので、別枠の世界観で楽しんでもらいたいなと。
──スピンオフのような作品になると思っていてもよろしいでしょうか?
マモ:そうですね。次もシングルで出そうとなっていたら第3期のままやっていたんでしょうけど、ミニアルバムにしようと決めた時から、別物にした方が面白いんじゃないかなと思ったんです。
──てっきり、「-SHAMBARA-」からの流れそのままに新作を作っているかと思っていたので予想外ではありますが、いつもながらに意表をついてきますね。
マモ:第3期に入ってバンドについて考える時でもあるので、自分的にはちょうど良かったかなと思います。
──アーティスト写真も既に公式ホームページに出ていますが、今回もかなり斬新ではないですか。
マモ:俺は、ファンから「ジャージ?」って言われましたけど(笑)。
──ちなみに、今回はなぜジャージを着用しようと思ったんですか?
マモ:最近ずっと衣装を作っていなくて。でも、ヴィジュアル系にとらわれずに何でも有りっていうのをここでは表現したかったんですよね。それで、ジャージを着てもヴィジュアル系でいられるかっていうのを重視しました。
──なるほど。楓さんは初期の頃を彷彿とさせる衣装ですね?
楓:そうですね、王道な感じです。衣装に関しては、単純に俺が好きなことをやっただけなので、作品の内容とリンクしているかと言われれば、それは別にないかなという感じですね。ただ、俺はめっちゃカチッと決めてるのに、マモはジャージっていう。そのアンバランスが良いんだろうなとは思います。
Z:今回、それぞれバラバラで良いんじゃないっていう話はしましたね。それで、メンバー各々の個性が立てば良いなと思って、俺はこういう風になりました。ただ、ジャージやられたら、あれ以上のアブノーマルはないですよ(笑)。かといって、ジャージに対抗して体操着でいくとかになると、また話は変わってきてしまうので。
──たしかに、かなり変わってきてしまいますね(笑)。
Z:なので、ジャージからバラけたものを選んでいたら、今の衣装になりました。
──七星さんはいかがですか、今回の衣装に関しては?
七星:最初にイメージしていたのは、宏崇が着ていた衣装だったんですよ。でも、結果として、注文したものとは違うものをスタイリストに持ってきてもらったので、それになったっていう(笑)。俺的にはもうちょっとヴィジュアル系っぽいのを着たかったんですけど。
──今回もなかなかのヴィジュアル系だと思いますけど?
七星:あれ、ヴィジュアル系ですかね。
──そう思います。他のメンバーとの対比によって、ヴィジュアル系という部分が浮き彫りになっているなと。
七星:なるほど。たしかに、そうですね。でも、俺、全身エナメルとか着たかったんですよ。この中にいたら面白くないですか。
──似合うとは思うんですけど、バンドとしてのまとまりがなくなってしまうような。そもそも、七星さんはエナメルの衣装って着たことないのでは?
七星:ほぼほぼないですね(笑)。何か、今回真っ黒のイメージがあったんですよ。そうしたらパンクなものを持ってこられたので、まぁいいかなと。
──精神面のロックさが表われているようにも感じられます。
七星:スタイリストが俺の内面を表わしてくれたんだと思います。付き合いが長いんで、俺のことをよくわかってくれているなって。
──宏崇さんは今回かなり攻めてきていますね?
宏崇:周りからはマッカーサーって言われましたけど。でも、それ、サングラスだけやん!って(笑)。俺、基本的にみんなが注文したものとは違うやつで良いって言ってるんで、今回もそんな感じでしたね。
──スタイリッシュな感じで素敵だと思います。
宏崇:でも、ズボンの膝下が紐でつながっているんですよ。ドラマーなのにそれっておかしくないですか。
楓:おかしくはないけど。
宏崇:あと、生地が厚いんですよね。線がイボイボのやつなんで。
楓:線がイボイボ!?
宏崇:これコーデュロイって言うん? それそれ。ライヴのことを考えないでこの衣装にしたんですよね。だから、ツアーは灼熱地獄だと思います。
──衣装にまつわる裏話も聞けたところで(笑)。それにしても、このアーティスト写真は、R指定ならではの反骨精神を見せてくれたと思います。
マモ:アルバムのタイトルを決めたときに、あの場所しかないだろうと思って撮りに行ったんです。
──それだけに、激しい曲が詰め込まれてくるのかなと予想してしまうのですが?
マモ:そうですね。そこは「-SHAMBARA-」からの流れもあってチューニングもダウンだし、全体を通して激しめかなぁと思います。ローテンポの曲もあるんですけど、音は低めですね。あと、今回はMVを変わった撮り方をしようと考えてるんですよ。通常なら、リード曲をまるっと撮るじゃないですか。でも今回はそうじゃなくて、せっかくのミニアルバムなんだから、曲をちょっとずつチョイスしていって全部つなげていってみようかなと。きっと、そういうのって観たことないと思うんですよ。
──敢えて今までにないことをやってみようというわけですね。ただ、今は手元にリード曲すらないので、それがどうなるか想像も付きません。
七星:取材が早すぎるんすよ。
──ですよね(苦笑)。ちょっとだけでもいいので、どんな作品になるのかヒントを下さい。
七星:え~、何だろう。でも、良い感じっす。バラエティ豊かな感じで色んな味がするミニアルバムになりますよ、きっと。
──それぞれ、これまでにない挑戦も見られそうですしね?
七星:そうですね。今回、全曲5弦ベースで録ろうと思っているので、俺の中ではチャレンジです。これまで頑なに5弦は弾かなかったので。拒否というか、曲に必要なかったからやってこなかったんですけど、「-SHAMBARA-」から必要になってきたので、今回もそこは活かしていこうかなと。
楓:俺は、アンプが変わったことですかね。レコーディング本番にぶっつけで変えてみたんですけど、自分が良いと思った音に近付ける為、試行錯誤しながらやってます。
Z:これは挑戦っていうのかな。今回、アンプをスタジオに送らなかったんですよ。というのも、どの機材でも対応できるようにしようと思って。なので、エンジニアさんにこの機材借りても良いですかって言ってやってますね。
──88箇所ツアーで鍛えられた成果が出ているのではないですか?
Z:あぁ、そうかもしれないです。あのツアーはとりあえず、音が出れば良いっていう気持ちでやってきましたからね。それもあって、現状はそんな感じで録ってます。
宏崇:俺としては、1つの大きなかたまりとして見るっていう。この言葉は人から聞いたんですけど、言われたときは何を言ってるのか意味がわからなかったんですよ。でも、曲のことを考えずにフレーズを付けるっていう印象を受けたので、今回敢えてダサいフレーズを付けてみようかなって。それで、これは普通なら付けないだろうっていうのを無理矢理ねじ込んだんです。よく聴かないとわからないぐらいのところなんですけど、1箇所だけ入れておきました。これはほんと一瞬なので、よく聴かないとわからないと思いますけど。
──マモさんは、本作の歌録りでどのような感情を乗せていこうと考えてますか?
マモ:喜怒哀楽で表現するとしたら、怒と哀かな。まぁ、そこはいつもどおりだと思うんですけど、コンポーザー的な立場から言うと、ヴォーカルだけに固執するっていうのはないです。だから、本作も1つの作品として考えると、いつもどおりの自分しか出せないというか。あと、歌詞を書いてて思ったんですけど、だいぶ良くなってきたなって。今回、すべて、自分ではなく他者に向けて書いているんですけど、流れや言葉づかいがいつもと比べて変わってきたと思うんですよね。そういう意味では、じょじょに成長していけているのかなと思います。
──完成を心待ちにしています。リリース後には、全国ツアー『非国民の日(祝)』が始まりますが、どういったライヴになりそうですか?
マモ:『-SHAMBARA-』ツアーは雰囲気重視でMCもなかったんですけど、今回はそうではない流れを作っていきたいんです。新曲はそれぞれに個性があると思うので、ライヴでも色々な顔を見せることが出来たら良いなと思いますね。
(Interview:ERI MIZUTANI)