Ba.明弥

Vo.ハロ

Dr.正人

Gt.夢人

──近況としては、5月6日と7日に2daysライヴがありましたね?
ハロ:楽しかったですね。今、3ヶ月連続リリースをやっていて、それぞれに異なったコンセプトの作品にしているんですけど、ライヴでコンセプトをわけるというのは初めてだったので、やっている僕らも楽しく2日間を終えることができました。
──ちなみに、新曲は披露したのですか?
ハロ:2日目に、第2弾の「哀愁エレジー」を初披露しました。
明弥:お客さんの反響もすごかったです。
ハロ:こういう曲好きだろうなと思っていたんですけど、実際にやってみて、やっぱり!っていう感じはありました。
──第1弾、第2弾に続き、第3弾もかなり違ったテイストの曲を持ってきましたね。連続リリースをするにあたり異なる趣向で見せたいとは言っていましたが、まさかこれほどまでとは。
ハロ:そうですね(笑)。
──良いところに着地をした感じがします。「哀愁エレジー」が振り切れた1曲だっただけに、この展開には本当に驚かされました。
明弥:元々、ベルは歌モノのバンドだと思うんで、1番良いところに着地したのが今回の2曲なのかなぁって。それに、バラードってあんまりシングル曲に選んだことがなかったし、かつ歌謡テイストというのを取り払ってみたときに、新しいベルの歌モノスタイルが生まれたなって思いました。
──歌謡テイストというのはベルのバンドコンセプトであるだけに、これまで出した曲はどれもその要素を含んでいました。今回はその要素は入っていないながらもすんなりと聴くことができて。それがまた面白いなと。
明弥:元々、メンバーみんなJ-POPや歌モノが好きで、歌謡という括り以外の曲も好んで聴いてきたんです。そこが今回の音に出ているのかなと思いますね。
──表題曲「僕たちは真っ直ぐに歪んでゆく」は明弥さんが作曲されていますが、品の良さが出ている1曲ですよね。前に、夢人さんが明弥さんの作る曲は姿勢を正して聴きたくなるという意味がわかりました。
夢人:そう、丁寧なんですよ。
正人:1回、神棚に上げてから聴かないと(笑)。
夢人:ほんとほんと(笑)。何か、この曲はあっきーがだいぶ温めてくれたみたいで。
明弥:ただ、メロは全然違うんですよ。ハロくんの今の歌い方を考慮した上でメロを変えていきましたね。歌謡という1つのテーマから、新しいベルに行くときのために取っておこうかなと思っていたので、ここで使えなくても今後使えればとは考えていましたね。でも、今のタイミングで良かったです。
──演奏面で、前作からの気持ちの切り替えは難しかったのかなと思ったのですが、いかがですか?
正人:うーん、どうなんだろう。逆に、元に戻ったっていうぐらいの感覚で作れたので、第2弾の方が切り替えは難しかったですね。
──前作と比べると、ドラムは手数が随分と減りましたよね?
正人:あぁ、そうですね。明弥さんから、この曲はゆったり感とか広い感じが大事だよって言われたので、はい!って(笑)。ドラムのレコーディングは一昨日終わったんですけど、ワンマン明けて次の日だったこともあり体的にはヘトヘトだったんですけど、無事に録り切りました。ライヴがあったおかげで無駄な力が抜けたっていうのはあったかもしれません。でも、最初のときに比べたら、どんどんベルに合った音作りができていると思いますし、そういう点では進歩しているんだなって思いますね。
──ベースのレコーディングは?
明弥:僕も昨日ちょうど終わりました。この曲はドラムもシンプルだし、ベースもシンプルなんですよ。でもやっぱり、シンプルなものに対して感情を乗せるのって改めて難しいなって思いましたね。レコーディングは時間かからなかったんですけど、それまでにどういう気持ちで弾こうかなっていうのは時間をかけましたね。今回は削ぎ落としてシンプルになったので、よりバンド感が出てきたなと思います。シンプルこそかっこいいですよね。
──そう思います。夢人さんのレコーディングはこれからですか?
夢人:そうです、まだなので頑張ります(笑)。この曲はギターソロを任せますって言われたので、そこをどうしようかなって思っている感じですね。でも、こういう曲は慣れているんで大丈夫だと思います。あとは、うちらがやればそれでいいっていうところもあるので、普通にやろうかなと思います。その方が変わったことをするよりも良いかなと。
──それにしても、この曲は不思議なタイトルを付けましたね?
ハロ:今回のテーマは歪んだ純愛なんです。純愛って真っすぐなものだけど、最近世の中を賑わせていた恋愛模様も当人からしたら純愛かもしれないんですよね。そういう風に、周りからは認められないけれど自分たちの世界で話が進んでいくというストーリーを描いたので、真っすぐに歪んでゆくという表現を使いました。
──主人公の末路が気になるところですが、敢えて結末は抽象的にしていますよね?
ハロ:そこは言い切っていないんですよね。その先に何があるかは、想像にお任せします。ヴォーカルのレコーディングは明日なんですけど、僕はストーリーを読む傍観者的な立場で歌っていきたいなと思います。
──カップリングの「トライアングル(仮)」は夢人さんの作曲です。
夢人:個人的にはずっとシングル曲を選んでもらっていたんですけど、あっきーと僕、どっちかがメインライターっていう見られ方をするのは嫌だったし、僕としてもこの曲をカップリングという意識では作っていなかったんですけど、2曲目という位置で聴いたときに自分の中でだいぶしっくりときたので、表題曲はあっきーの曲でどうぞってなったんですよね。
明弥:お互いに、表題曲もカップリング曲も作れるところがベルの強みでもあると思うんですよ。
夢人:うちはすごくバランス良いと思います。逆に、第2弾の方がカップリングなんじゃないかっていうぐらい、ぶっ飛んでましたよね(笑)。ベルからしたら、ある意味、今回は両方ともまともですね。この曲では、冒頭の導入からイントロにかけてを転調しているんです。いきなりグッとこさせてベルらしいリズムのかみ合いとか、メロディアスなヴォーカルとか、ギターソロが結構情熱的とか、どれを取ってもちゃんと角が立って聴こえるように作りました。起承転結ってどの物語でもあるんですけど、揺さぶりを曲の中でかけていくことでラストで感動じゃないですけど、さっきも言ったようにグッとくるっていう組み立て方をしました。平坦に見えるようで、ちゃんと考えています。
ハロ:曲を聴いてイメージを膨らませていったときに、花火が浮かんだんです。花火って全部が全部、綺麗に咲くわけではないんですよ。開かずに落ちてしまう花火のことを黒玉と呼ぶんですけど、そこを引き合いに出して、打ち明けられずに終わる恋っていうのを比喩で例えてみました。歌詞で三角関係を書こうと思ったのは初めてだったんですけど、《打ち上げる》と《打ち明ける》をかけていたりしています。
──この曲のレコーディングは、ドラムとベースが終わったところですね?
正人:そうですね。あっきーの曲は冷たい温かみという感じだったんですけど、夢の曲は情熱を前に出してという感じで受け取ったんです。その後で歌詞を見たんですけど、ドラムのフィルが花火っぽくなっていたので、これは得をしたなと(笑)。
夢人:棚ボタだね。
明弥:デモからベースはしっかりと入っていたので、そのフレーズを夢と話して活かしたいと思ったので、割と忠実に弾いていきました。サビでは動いているんですけど、この曲のテンポで指弾きで16分音符を弾くのはなかなか難しかったです。
夢人:そもそも、ベースを考える時点であっきーのベースが鳴っているので、投げて初めて完成するというところはありますね。あと、僕はこの曲を切ない感じで終わらせたかったので、冒頭のフレーズを最後に歪めてフェードアウトするっていうことをしているんです。バッドエンドで終わらせているんですけど、歌詞もちょうどそういう感じになっているので、リンクしていて良かったなと思います。
──余韻を残す終わり方になりましたね。
ハロ:曲の雰囲気に気持ちは作っているので、後はそれを乗せるだけです。世界観を壊さないイメージで僕は歌っていこうと思います。
──これで3部作は終了です。7月には全曲披露ワンマンも控えていますが、現段階での意気込みはいかがですか?
ハロ:3ヶ月連続リリースをやっていなかったら生まれていなかった曲もあるんですよね。そういう意味ではやって良かったなと思います。聴き手を飽きさせないという気持ちは大事だなと改めて思ったし、7月のワンマンはもちろん、イベントライヴに対しても、そして9月にはワンマンツアーを行うんですけど、
この作品があれば大丈夫という自信が付きました。
(Interview:ERI MIZUTANI)