Gt.佳衣

Vo.yo-ka

Dr.達也

Ba.翔也

──今年に入り、ライブに対して積極的な印象があるのですが。
達也:でも、数だけだと少ない感じはしますね。
yo-ka:確かに、例年に比べれば数をめちゃくちゃ打っているというのはないんですけど、より集中してやれている印象はあります。
──選んでいるという意味ではなく、絞ってライブをしている理由として、何が挙げられますか?
yo-ka:やはり、1本集中と言いますか。もちろん、ライブってバンドにとって大事なんですけど、その間にも制作があるので、それぞれに色々と考える時間が必要だと思うんです。なので、スケジュールを詰め込みすぎて感覚が鈍るよりかは、考えや感覚を研ぎ澄ませた方が良いものができあがるんじゃないかなと。そこで、2017年というスパンで物事を見たときに、これぐらいの時期に曲をたくさん作っておこうというのは考えた部分ではありますね。それを思うと、曲作りにおいても、ライブバンドとしても、最近は充実していると思います。
──やり方がスムーズになってきたというのも、大きく反映していそうです。
yo-ka:追われて潰されるのって嫌じゃないですか。だったら、それを操れるぐらいになりたいなと。
──確かにそうですよね。振り返ってみると、結成当初の頃はライブ1つやるのも悪戦苦闘していたのではないですか?
yo-ka:そうですね。
──ちなみに、昔のライブ映像を、今になってメンバーで観ることはありますか?
翔也:個人的には最新のライブが一番カッコイイ自信もあるので、勉強として見返す事はないですね。
達也:俺、初期の頃って観たことないんだけど、映像ってあるの?
yo-ka:あるよ。あるある。
達也:えっ、観てみたい。
──そういえば、ライブでお馴染みとなっている“お前らのマスターは誰だ!”という台詞は、yo-kaさんがいつぐらいの時期に言い出したのですか?
yo-ka:2011年のたぶん、6月ぐらいじゃないかな。初ライブが2011年1月だったんですけど、それからしばらく経って、DIAURAって何だろう、俺って何だろう、と考えるようになって。結局、バンドって自問自答の繰り返しなんですけど、そこでふと口をついて出てきたのが、“お前らのマスターは誰だ!”だったんです。元々、きっかけとなったのは「MASTER」という曲なんですけど、俺はきっとこの曲に期待をしていたんでしょうね。それだけ、高い理想を掲げて作っていた曲だったんです。でも、結成したてのバンドが普通に演奏しただけでは聴いている人の心には入っていかないじゃないですか。それなら、爆発する何かがほしいなと。
──そういった経緯があって、あの名言が飛び出したのですね。
yo-ka:ただ、こういったことを言うから、というのはメンバーには伝えていなかったんですよ。
佳衣:でも、そんなに驚きはしなかったですね。自然な流れというか、これがバンドの進んでいく道なんだなというのをすごく感じました。
──自ら、道を切り開いていったんですね。
yo-ka:というのも、僕らには先輩がいないんですよね。事務所的にも1番先輩にあたるのがDIAURAなので、そう考えると自分たちで見出していかないといけなくて。でも、それが逆に良かったんですよね。
──なるほど。yo-kaさんのように、それぞれにターニングポイントってあったと思うのですが、それはいつどんなときでしたか?
翔也:俺は、すごく時間かかりましたね。片鱗が出てきたと自分で思っているのが、渋谷公会堂に初めて立ったときですね。『FOCUS』というアルバムを作ったあたりから、髪の毛をバッサリと切りまして。何か、解放されたというか。それまで、変な責任感があったんですよ。DIAURAをやらなきゃっていう。それがなくなったのが、その時期ですね。
──髪を短くされたときは衝撃を受けました。
翔也:メンバーに相談することもなく、いきなり髪切ったんですよ。何か、シャワーを浴びていてふと思い立ったんですよね。もういいや、好きにやろうって。それはいまだに覚えています。
yo-ka:良いなと思いましたよ。似合っているのはもちろん、これで翔也のビジョンがクリアになったんだろうなっていうのがわかったので、どんどんやれって。なのに、今は髪が長いっていう。
翔也:一周、回ったんです(笑)。髪が短いときは、短くないと俺じゃないって思ったんですけど、今はそうじゃないというか。髪に左右されることもないかなって。そういう風に、気分でやれるようになったんですよね。何をやってもいいだろうと。
──最近では、メイクがまた濃くなってきましたよね?
達也:こう見ると、濃くなってきてますね。
yo-ka:『Triangle』を出したあたりが、1番落ち着いた感じがするんですよ。まぁ、今にして思えばですけど。当時、あの作品を出したときは、それが攻めだと思っていて。でも、そんな中でも佳衣はいつも攻撃的なんですよね。
佳衣:常に、見ている人たちを驚かせたいという気持ちがあるんですよね。そういった面で、音楽的にはもちろんのこと、ヴィジュアル面でも、次はなにが来るんだろうという気持ちを持たせたいなと。
yo-ka:そう思えたのって、「メナス」ぐらい?
佳衣:それぐらいかな。でも、1回目の渋谷公会堂のときに、髪をピンクにしたんです。それが自分の中では冒険でもあったんですよね。気合いを入れるというか、それですごく派手なピンクを入れたんです。そこからですね、エスカレートしていったのは。
yo-ka:確かに、そこから色々と変化が起きたと思いますよ。そうやって佳衣に変化があったからこそ、俺は逆に大人しい感じを見せることができたと思うんです。
──良い塩梅ですよね。では、達也さんは、“DIAURAの達也”として確固たるこだわりが生まれたのはいつぐらいですか?
達也:俺も、最初は自分を探していたのを覚えています。それを思うと、渋谷公会堂での初ワンマンが終わったぐらいかもしれないですね、変わっていったのは。何かのきっかけでこう思ったというわけではなく、色々な経験を重ねていくうちに、モヤモヤとしていたものが取れていたという感じですね。きっと、渋公以降、自信が持てたんじゃないですか。みんなと一緒に活動をして色々なところに向かっていったという。
yo-ka:それぞれに、ターニングポイントがあったんですよね。振り返ると、渋谷公会堂でワンマンができたのってバンドにとって早い段階だったと思うんです。でも、DIAURAも全部が全部うまくいったというわけではないし。足元がぐらついていたら確実にダメになる、というのも活動を進めていく中でわかってきたことなので、1つ1つ着実にやっていくことが、1番の自信になるんじゃないかなと。
──曲を通して、自信の表れが感じられますよ。また、イベントライブ「VISUAL JAPAN SUMMIT」に出演された際は、多くの評価を得られました。たくさんのバンドがいる中で、DIAURAはどのように個性を出していこうと考えたのでしょうか?
yo-ka:俺はバンドを始める前から、何かを意識して曲を作ったり歌を歌ったりというのがそんなになくて。だから、比較対象をいうのを設けないというか。こういうバンドが世間から望まれているからスタンスを変えてやってみるというのは、何か違うと思うんですよね。それよりも、バンドとして失敗をしたときに素直に受け入れられるかが大事だと思っていて。そういう気持ちを持ってDIAURAをやっているからこそ、悔いの残ることはしたくないんです。徹底的にやれば後から評価は付いてくる、そういった気持ちでやっています。
──そういった気持ちは、昔から変わらずですよね?
佳衣:昔はどこか自信がなかったんですけど、それって、自分にそれだけの力がなかったということだと思っていて。だから、自信を持つためには、それだけの何かを身に付けることが大切なんじゃないかなと。自分はギタリストとして派手にやるタイプではないけれど、自分は自分なりに時間かかってでもいいからやっていこうという思いで積み重ねていったところはあります。
──それだけに、最新両A面シングル「Noah/シャングリラ」も軸がぶれていないなと感じました。この作品が出たことによって、今後のライブが楽しみです。
yo-ka:豊洲ピットでのワンマンとは別に、これからイベントライブもあるんですけど、今は自分たちがバンドとしてどんどん貪欲になってきているなというのを感じるので、他のバンドがDIAURAを観たときに、おののいてほしいんですよね。でも、それは逆もしかりなので、自分たちも他のバンドから刺激を受けていきたいなと。そういった意識は常に大事にしていきたいですね。あとは、これまでと同じように、楽しみながら自分たちの道を見つけていきたいなと思います。
(Interview:ERI MIZUTANI)