Ba.ゼクス |
Gt.冬摩 |
Gt.キリ |
Vo.YUKI |
Dr.鈴音 |
──まずは、フル・アルバムを2枚同時にリリースしようと思った経緯から教えていただけますか?
キリ:去年から既に、今年の活動の時系列は考えていたんです。毎月ワンマンをやる中で会場ごとに新曲を出していったんですけど、売り切れてしまったところもあったので、それも作品に収録したいなと思ったし、違うコンセプトのアルバムを2枚出したら面白いんじゃないかというところから、制作は始まりましたね。結果的には、ベスト盤のような感じになったのかなという印象です。
──2枚あるから当然といえばそうなんでしょうけど、とても聴き応えのある内容になっていますよね。
鈴音:2枚アルバム作るってなったとき、メンバー全員特に驚きもしなかったんですよ。新曲6曲入っているんですけど、意外とそれぐらいなんだっていう感覚だったので、そこまで大変ではなかったですね。
キリ:前回ミニ・アルバムを出したときにバンドがガラッと変わったんですよ。それを軸に新曲を作っていったんですけど、バラエティに富んだものはやりたいと思っていたので、それをどうやって今までやってきたものと混ぜ合わせるかというのを考えながらアプローチしていった感じではあります。
──『LIBERI』『PARAIZO』と、作品タイトルを分けたことによって、制作が楽になるという点はありましたか?
キリ:わかりやすく言うと、歌モノのアルバムと、激しいライヴ向きのアルバムに分けようと思っていったので、そこはうまく、LIRAIZOのバンドとしての魅力を綺麗に分けることができたかなと。
──キリさんは、どの曲に特に思い入れがありますか?
キリ:振り返ると、新曲にも思い入れがあります。あと、収録されている中で1番古い曲は一昨年の12月に出ているので、思い入れというと結構ありますね。でも、トータルで考えると、12ヶ月を通して新曲を作っていたので、思い出すと、このときの公演でやったなぁとか、毎回印象はあって。やっぱり、新曲やるときって少し怖くもあるんですよ。
YUKI:確かに、新曲は緊張しますね。
キリ:それだけに、お客さんはどう受け止めてくれるんだろうっていうのはあったので、初出しですごく盛り上がってくれるとこっちとしてもテンションが上がるんですよね。
──作品を通して成長の過程が見られますよ。
キリ:まさに、それしかないと思います。ライヴとかやっていってアレンジが変わっていった曲もあったので、それはリ・アレンジをして、音源になっているものとは違うバージョンとして収録しています。
──だからこそ、全てにおいて調和が取れているんですね。では、ゼクスさんはアルバム2作できあがってみて、今どのような感想をお持ちですか?
ゼクス:作るにあたっては不安はなかったです。今回、僕は新曲を1曲しか作らなかったんですけど、前に書いた「アカイト」という曲があって、それはアルバムにも入っているんですけど、実はLIRAIZOに加入する前に作った曲なんですよね。ライヴでも結構やっている曲だけに思い入れは強いし、こうしてアルバムに入ったというのは嬉しいです。
──加入前に曲を作っていたというのは、すごいですよね?
ゼクス:加入するまでは曲を作ったということを言っていなかったんですよ。それもあって大事な1曲ではあります。
キリ:ゼクスのようなアプローチをする曲を書くメンバーがいなかったので、ゼクス加入後はいくつか曲を提供してもらっているんですけど、自分も曲を作る視点から見ても、やっぱり面白いですよね。綺麗なアプローチが入ることによってバンドとして広がりが出たなと思います。
──冬摩さんは2作通して、思い入れのある楽曲はありますか?
冬摩:新曲でいうと、今回自分で作った曲が入っているので、それは思い入れがありますね。あとは、「忘れないと誓う」って曲かな。12ヶ月連続で新曲を出そうってなって、メンバーが変わる中で出した曲だったので、この2曲は印象がありますね。
──同時に、プレイヤーとしての変化も感じられているのでは?
冬摩:曲を作ってみてという点では、そうですね。それこそ、前に曲を作ったのはゼクスと一緒にバンドとやっていたときだから、5年前ぐらい?
ゼクス:それぐらいだと思います。
冬摩:それだけ経っているから、やっぱり変わるよなっていうのはありますね(笑)。でも、久しぶりに曲を作ってみて楽しかったですね。それに、今年の頭に公約していたんですよ、“新曲を作る”って。その目標を自分に課していたので実現できて良かったです。
──楽曲それぞれに、歌が引き立てているなと思いましたよ。YUKIさんも本作を作ったことにより、ヴォーカリストとして成長できたのではないでしょうか?
YUKI:そうですね、これだけやると。今回のアルバムというよりは、12ヶ月連続でワンマンをやりつつ音源を出していたというのは大きいと思います。でも、そのときは、毎月のようにレコーディングをし、歌詞を書いていたので、本当に鍛えられましたね。レコーディング終わったと思ったら、すぐに次の作品に取り掛からないといけなかったので(笑)。
キリ:そうそう(笑)。だから、曲を作る人もすぐに上げてないといけないという。たまに、訳分からなくなっていたよね。
YUKI:これどっちの曲だっけ!?って。それだけ多くの歌詞を書いていたので、自然とネタも尽きてきてしまうと思ったんですけど、意外と出てくるもんやなぁって。今回、アルバムに入っている新曲に関しては、作曲者各々に曲のイメージを聞いていき、そこに自分なりの思いを当てはめて歌詞を書いていったので、どれも書きやすかったですね。
──ちなみに、曲のイメージというのは具体的なものだったのですか?
YUKI:いや、抽象的ですね。ワードだけもらって、そのワードから広げるという感じでした。自分としてもそのやり方は好きなんですよね。
──では、中でも気に入っている歌詞はどれですか?
YUKI:『LIBERI』でいうと、冬摩が初めて作った「『period』」ですね。自分のなかではバンドにも当てはめて歌詞を書いた曲なので、表題曲っぽい感じにもなっているし、伝わるものになったかなと思います。また、『PARAIZO』の方は、キリちゃんが書いた「絶対病的希求」っていう曲があるんですけど、それが僕的にはお気に入りですね。
──どれも良い曲だけに、どれが1番と甲乙付けがたいですが、それぞれの思い入れを聞くとまた違って聴こえるような気がします。
鈴音:僕、レコーディングって好きなんですよ。作品ができあがっていく瞬間が好きで。もちろん、ライヴも楽しいんでレコーディングよりもライヴが楽しいって思うときもあるんですけど、レコーディングは好きですね。あと、LIRAIZOは基本的に打ち込みがないのでドラムは録るんですけど、生音だとこうなるよなぁ、良いよなぁっていうのができあがるごとにわかるのが好きなんですよね。
──人間味がある音を出しているというところが、LIRAIZOの魅力だと思います。
キリ:そうですよね、打ち込みだと印象変わってきてしまいますよね。
──何だか、アルバム2作を一気にライヴで聴きたくなってきましたよ。
YUKI:そういう、コンセプト・ライヴってことですよね。
キリ:間違いなく、負担がかかるのはドラムですね(笑)。
鈴音:やりたくねー(笑)。
──これからライヴの予定もありますから、新曲は聴ける機会が増えそうですね?
キリ:そうですね。まず、9月にワンマンもあるので、そのときには新曲全曲できたらいいなぁというのはあります。
YUKI:この日は、キリちゃんの誕生日なんで大いにお祝いしたいですね。
──そのあと、11月には3周年ワンマンも開催されます。
鈴音:もう3年か。
YUKI:同じく、3年も経ったのかぁっていうのはありますね。それだけ駆け抜けた活動をしているなと。
鈴音:活動1年目は死ぬほどライヴをやって、2年目はワンマン展開をメインにしつつ、3年目の今はリリースを重ねながらライヴも多くなったので、もう3年かって感じがするんですよね。でも、やりたいことをやってきたので、それを1つに結び付かせるためにも、色々なことをこれからもやっていきたいです。
YUKI:それでも、ライヴが第1なところはあるので、お客さん含め、僕たちとどれだけ一緒に楽しめるか、お互いに楽しかったなぁって思いながら帰りたいっていうのは、3年目以降も大事にしていきたいところだなと思います。
(Interview:ERI MIZUTANI)