——無限回廊インタビュー初登場のMORRIGANの皆さん、本日はよろしくお願いします。まずは、バンドのコンセプト的なところから伺えたらと思います。
KULOE(Ba):えー、全てを闇に染める漆黒の……。
——いやー、コッテコテにV系っぽいですね(笑)。
KULOE:曲調はダークなモノだけではなく、歌モノあり爽やかに聴かせるモノありと、割と幅広いんですが、ルックスや雰囲気はかなりコテコテのV系だと思います(笑)。
ARYU(Vo):ルックスにはこだわってるので、みんなイケメンです。
——(笑)。MORRIGANって、ステージに棺桶が置いてありますよね? それこそコテコテのV系っぽいというか。「世界観がすごいバンドだなあ」って、初めて拝見した時に度肝を抜かれた覚えがあります。
KULOE:そうなんです。ライヴで俺は、ステージ上に置かれた棺桶から登場しています。普段からあの棺桶に、住んでいたり、いなかったりする体です(笑)。棺桶もびっくりされますが、お客さんとクマのぬいぐるみを投げ合う曲もあったりして、それもびっくりされますね。ライヴはかなり見応えがあると思います。
ARYU:俺たち、全員小学生の時からの同級生なんですよ。10年以上の付き合いで、長い間やってきたならではの一体感みたいなモノは、ライヴで出せているんじゃないかと思っています。
——GLAYみたいですね……!
ARYU:もう、本当に普通の幼馴染なんですよ。
PITTY(Gt):こせいゆたかなおともだち♪
SETSUNA(Dr):長年一緒にいすぎて、メンバーについて「どんな人?」とか聞かれても、逆に答えるのが難しいレベルですよ。
ARYU:普通の友達同士が、「バンドやろう」ってはじめたバンド。「MORRIGANって、東京のバンドじゃないの!?」って言われるぐらい、東京での活動も多いんですが、今も仙台在住ですし。
——それこそ“北海道のGLAY”みたいな、ご当地バンドって最近減っている気がするので、貴重な存在ですね。
ARYU:本当はもっと地元感を出していきたいんですよ……。 でも、ヴィジュアル系シーンってやっぱりどうしても東京がメインなので、なかなか難しいところです。「ある程度、東京で結果出さないと」と、日々頑張っています。実は今度リリースする『もしも黒い翼が生えたなら』という音源も、そういった上を目指す気持ちをこめて歌詞を書いた曲なんです。
——10月4日にリリースされるシングル、『もしも黒い翼が生えたなら』。こちらは同じ歌詞の曲を、“ANGEL ver.”と“DEVIL ver.”というアレンジ違いの2パターンで同時に発売との事ですね。大変面白い試みで、非常に興味深いです。
ARYU:「MORRIGANの曲をもっと広い会場で沢山の人に届けたい」「もっとMORRIGANを知ってほしい」「もっと高いところを目指したい」……、そういうフラストレーションをぶつけた作詞と、試みをしてみました。「何か話題性のある事がしたい」という気持ちが強かったので、CDショップや本屋に足を運んでみる、なんていう今までしなかった事もして、いろいろ考えましたね。『もしも黒い翼が生えたなら』っていう長めのタイトルも、最近の小説や映画によくある、長めで印象的なものに魅かれてつけています。『君の膵臓をたべたい』みたいな。
——“ANGEL ver.”と“DEVIL ver.”の2パターンで展開するという事は、何からインスピレーションを受けての事なのでしょうか?
ARYU:本屋の店先にあった小説の上下巻セットを見て、対照的な2つのものが並んでいるのって面白いなあって感じて、CDでもこういう事ができるんじゃないかなと思ったんです。あ、実は一番初めにジャケットから考えはじめたんですよね。「こういうジャケットなら目に付くな」って思いました。
——ジャケットから、音源の事考えるミュージシャンに初めて会いました……! いやー、ヴィジュアル系ならではの考え方で面白いですね。
ARYU:アー写も“ANGEL ver.”をイメージした白いものと、“DEVIL ver.”をイメージした黒いものの2パターンを公開したんですが、結構反響が大きいです。白い方が好きってファンもいれば、黒い方が好きってファンもいて、いろんな反応が届いて面白いです。
——なかなか斬新な発想ですが、メンバーの皆さんはそのアイデアを聞いてどう思われましたか?
SETSUNA:アー写の件はともかく、まずは歌詞と曲作りからはじめるじゃないですか。で、歌詞についてはAryuに任せてるので……。
KULOE:気がついたらこうなってたんですよ!
——(笑)。では、楽器隊の皆さんにはサウンドについて伺わせて頂きます。『もしも黒い翼が生えたなら』の聴きどころを教えてください。
PITTY:きょくわ、ぴてぃとありゅうでつくってます♪ さうんどわ……、“えんじぇるばーじょん”のべーすがかっこいい♡
KULOE:“ANGEL ver.”のベースラインは確かにこだわってますね。うねる感じのカッコいいフレーズを弾いてるので、よく聴いてみてください。こう、天使の羽が舞い落ちるようなベースラインを……。
一同:(爆笑)。
ARYU:“DEVIL ver.”は、デスヴォイスも多くて俺たちっぽい感じだよね。
SETSUNA:本当、どっちも選べないぐらい良いものができたと思います。
——カップリング曲についてもお聞かせ下さい。まずは、“DEVIL ver.”の『PREY』、ザ・プロディジーやD'espairsRayっぽいシーケンスが印象的な楽曲ですね。
ARYU:D'espairsRay聴いて育ってるので、影響はかなり受けてると思います。だからかな、比較的スムーズに完成した楽曲です。歌詞もかなりすんなり書けましたね。
SETSUNA:ダンサブルな楽曲なので、ライヴ映えするんじゃないかと思います。
PITTY:でびるばーじょんのほうが、2きょくともらいぶっぽいきょく♪
——“ANGEL ver.”のカップリングの『I depend on you』、これはかなり意外性を感じました。
PITTY:もりがんぽくないけどすてきなきょく♪
ARYU:アルバムに入ってる名曲バラードって感じのものができました(笑)。確かにMORRIGANっぽくはないですが、自信作です。歌詞も凄い良いものになったと思ってます。
——ライヴで披露した時の、ファンの方の反応が非常に楽しみですね。
ARYU:10月からはこのシングルを引っさげた主催ツアーも決まってるので、そこで披露できるんじゃないかと思います。
SETSUNA:このツアーで初めて福岡と岡山でライヴをするので、とても楽しみです。来年に大きい会場でのライヴが決まっているので、そこにも向けて沢山の人に見てもらえたら良いなと。
PITTY:がんばります☆
KULOE:まだ見ぬ景色を闇に染めるのが楽しみです。桃太郎ごと黒く塗り潰します。きびだんごも真っ黒ですよ。
——(笑)。最後に、無限回廊を読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。
SETSUNA:インタビュー初登場のMORRIGANでした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
PITTY:らいぶにあそびにきてね♪
ARYU: 初めて俺たちがインタビューしたこの無限回路を大事に保存して下さい。
KULOE:お前らを無限の闇の渦に巻き込んでいくぜ……!
一同:(爆笑)。

取材:高崎光