Ba.meN-meN

Gt.華那

Vo.ハヤト

Gt.ゆめ

Dr.チャム

──新作は、映像含め、とてもかっこいい仕上がりになりました。そもそも、どういった発想の下、表題曲の「DIRTY×DIRTY」が出来上がったのです?
ハヤト:今回も、衣装の打ち合わせが1番先で。元々は、柄を決めようっていうところから始まったんですよね。で、ボーダーって囚人服っぽいよねってなり、囚人っぽいMVを作ってみようかって。
──連想ゲーム的な発想だったわけですね。
ハヤト:そうっすね。なので、曲を作るのは後出しっていう形になるんですよね。結局、この曲もMVの撮影当日まで曲なかったんですよ。で、撮影ちょっと厳しいかなぁと思っていたら、朝の5時ぐらいにサビがふと思い付いて。
──何がきっかけで閃いたのでしょう?
ハヤト:何ですかね。でも、逆を言えば、何でこのタイミングまで閃かなかったんだっていう(笑)。でも、とりあえず、撮影として成立すれば良いなと思って一生懸命作りました。
meN-meN:何となくのノリさえわかっていれば、MVは大丈夫なので。
ハヤト:これを撮りたいっていうのがハッキリしていた分、撮影は1日で終わりました。
──レコーディングはすんなりと進んだのですか?
ハヤト:いや、修羅場でしたよ(笑)。
チャム:時間があった方が良いなとは思うんですけど、ずっとこういう感じでやっているので、決められた中で出来ることを今回もやりました。
ハヤト:でも、俺は、別に自分が歌っていて気持ち良い歌っていうのは楽曲を作る段階では考えていないんですよね。それよりも、バンドとして、チャム、華那、meN-meN、ゆめ、俺っていう、1人1人が納得できる何かっていうのを目指しているだけで。だから、良いものを作るという前提で、みんなが良いと思わないものを作らないといけないっていう感じはありますね。
チャム:この曲、MVを録った段階からアレンジは変わってるんです。最初にデモを聴いたときは分解して聴いてしまうので、すごく難しい、難解な曲だなと思ったんですけど、歌詞とメロがちゃんと付いてからはまとまった作品として聴けるので、スタジオでプレイをしていてもすごく気持ち良く聴けるようになりました。
──それぞれに、音がすごく良くなりましたよね?
meN-meN:今回、ベース違うんですよ。音の位置関係的に、公大(Royz)さんの持っているベースの方が曲に合うんじゃないかと思って、公大さんから借りてきて弾いたんですけど、いつもとは音が違うんですよね。もっとベースっぽい音がするというか。なので、新鮮な気持ちでレコーディングは出来ましたね。
ハヤト:meN-meNがずっとベース返して来ないんだけどって、公大言ってたよ。
meN-meN:つい最近、ちゃんと家まで持って行って返しました(笑)。
ハヤト:そもそも、ベースのキャラクターが違うんだよね。
meN-meN:そう。元々知っているベースではあったんですけど、こういった音も良いなって。だから、レコーディング用としては、新しくベースを持っていても良いのかなとは思いますね。まぁ、この曲がミリオンセラーいったら新しいベースが買えると思います(笑)。
──おかげで、ギター隊の音も引き立ったように思いますよ。
ゆめ:今回、アレンジがMV撮影後から大きく変わったんですけど、Aメロでずっと不協和音を弾き続けるというのが変わったところなんです。一瞬だったらピッチ感が曖昧でも気にならないんですけど、長い間弾くということで、力みすぎるとうわずってしまうんですね。なので、そこが1番難しいところではありました。
──ジャッジはご自身で?
ゆめ:完璧だという状態から、ハヤトくんに聴いてもらうっていうことが多いんですけど、まず、自分の中で聴かせるっていう段階に行くまでが大変というか。それもあって、完成してからも、もっと勉強していきたいなって思うところは色々ありますね。
──でも、課題がある方が、楽曲って面白く変化していきませんか?
ゆめ:そうですね。ギター的には、レコーディングで弾くのとライヴで弾くのって勝手が違うので、これからライヴでたくさん演奏するに向けて、どういう感じでいくかっていうのが楽しみです。
──華那さんは、「DIRTY×DIRTY」についていかがですか?
華那:やっぱ、この曲は難しい曲だなってずっと思っているんですけど、ギターフレーズが結構細かいので、そこを表現するのが難しかったですし、あとは、コーラスしながら弾くっていうのも意外と難しいんですよね。なので、今はスタジオに入って何度も繰り返し練習してます。サビがめっちゃ難しいんですよ。っていう話を、さっきmeN-meNと言ってたんですけど。
meN-meN:(急に目をそらして)いや、話してない。
華那:話したでしょ!
meN-meN:いや、普段全く話さないんで。
華那:嘘付かないの(笑)。
──結局、その問いに対して答えは出たのですか(笑)?
華那:演奏に集中しすぎると自分の声が聴こえなくなってしまうので、コーラスの練習をするときは、1回楽器を置いてコーラスだけするっていう。なので、どっちも細かくしっかりとやっていかないといけないねっていう話になりました。
チャム:今まで、サビでコーラスってなかったからね。
ハヤト:しかも、この曲のサビ、変拍子だし。でも、コーラスに関しては、ライヴでファンが歌ってくれるだろうっていう前提で作ってはいるので、みんなで歌ってくれたら嬉しいなって。きっと、音源よりはハッピー感が増すと思います。
──ちなみに、この曲を「DIRTY×DIRTY」というタイトルにした理由は?
ハヤト:曲が出来るよりも先にタイトルが付いたんですよね、自分の中で。撮影当日まで悩んだ中で、「DIRTY×DIRTY」というタイトルがあって。それはきっと、囚人服のイメージや、MVの世界観っていうのが先に出来ていたからだと思うんですけど、同じ言葉を繰り返すことに美学を持って、「DIRTY×DIRTY」と付けました。
──そんな中、生きるということに対してのメッセージが入っていますよね?
ハヤト:そうですね。実は、答えのないことを歌っていて。でも、おかしいんじゃないっていうことを遠回しに言っているんです。人の悪意を裁いているのが人っていうことに対しての違和感というか。MVで表現しているように、監獄の中でああいったことが起きているかどうかは実際にはわからないですけど、今の世の中あると思うんですよね。当事者でもないのに関係のない人が他人を裁いているっていう。罪を犯した人に対して他人があれこれ言うのに、俺は悪意を感じでしまうんですよね。なので、この曲の大元には、“人を呪わば穴二つ”っていうテーマがあって。俺は正論を言っている人だけが良いとも思えないし、だからと言って悪いことをした人が良いとは思えない。どっちもどっちとは言いたくないけど、良くないことは確かだなって。だから、答えのない感じで全てが終わっているんです。じゃあ、この曲のオチは何?って聞かれたら、それでも人は生きたいんじゃないかなって。答えは出ていないからボンヤリとしているんですけど、伝えたいことは深いです。
──明確ではないところが良かったです。また、カップリングも色々な曲を詰め込んできましたね?
ハヤト:今回はカップリングにも狙いがあって。僕らのリリースのペースからすると、新作を出すごとに新曲が4曲増えるわけですよ。でも、そうなると、ツアーでは今までやっていた曲が新曲を演奏することによって引かれるかもしれない。でも、俺は今までの曲もすげぇ好きだから、それらを邪魔しない曲を作ろうって。それが、「無能bot」と「ネジレ」なんですよね。中でも「ネジレ」は、食べ物に例えるとお新香だと思っていて。お新香って、お店入って単品で頼む人はなかなかいないと思うんですけど、お膳に乗っているとすごく嬉しい。まぁ、そんな曲です(笑)。それに、俺らのライヴって、お客さんを含めて一体感が出せると思っているんですけど、この曲に関してはバンドだけで表現出来るものかなって。もしかしたら、それをお客さんは退屈だと感じるかもしれないけど、こういう曲があることでライヴも広がるなぁと思ったので、未来への第一歩です。あと、「heroin(e)」はライヴ映えするだろうなと思いますね。この曲はコドモドラゴンっぽいなと思うんですけど、敢えてD typeの通常盤にしか入れなかったのは理由があって。別のタイプでコドモドラゴンの違った良さを感じてもらって、ここでまた、やっぱりコドモドラゴンって良いわぁって思ってもらいたいんですよね。なので、終わり良ければ全て良しっていう配置になっています。
──7周年を迎えたコドモドラゴンにとって、新曲は良い風に作用すると思いますよ。
ハヤト:7周年を迎えて、数字の面とかプレッシャーっていうのはもちろんありますよ。でも、俺の見えているビジョンをメンバーみんなで共有出来ているのが楽しいバンドだと思っているので、俺の目が黒い内は大丈夫かなと。あとは、それを綺麗事って言われないように、しっかりと上を目指していけば良いなって思います。
(Interview:ERI MIZUTANI)