Gt.楓

Ba.七星

Dr.宏崇

Gt.Z

Vo.マモ

──ニュー・シングル「毒廻る」は、6年前にリリースした「毒盛る」の続編と考えていいのでしょうか?
マモ:そうですね。僕ら、来年で9周年をなんですけど、たらたら9周年をやっても面白くないなと思ったので、字を変えて、苦執念としてR指定っぽくしたらどうかなって。それで、その1つの節目として、人気作の「毒盛る」の続編を出すなら今じゃないかなと思ってやりました。
──マモさんとしては、いつか続編を出したいという気持ちはあったのですか?
マモ:「毒盛る」を出した時点で自分の中では完結していたので、続編を出したいという気持ちはあんまりなかったんですけど、今でもライヴでやっているし、現在のR指定が違う表現で「毒盛る」っぽい曲ができたらいいなって思ったので作ったっていう感じですかね。
──「毒盛る」は、《毒を盛れ 憎いアイツに》という歌詞の内容でしたが、今回の「毒廻る」にはどのような背景があるのでしょう?
マモ:ただただ体の中に毒が廻るということではなく、背景としてあるものは、毒々しいものや世の闇は、また巡って同じことを繰り返しますよっていうことを表現したかったんですよね。それで、このタイトルになったんですけど、最初はタイトルどうする?って話も出たんですよ。それこそ、「猛毒盛る」っていうタイトルも候補としてあって。でも、それをやってしまうと、前作の「毒盛る」がなかったかのようになっちゃうじゃないですか。新作の方がパワーアップしてしまって。そうなると、「毒盛る」は今後ライヴでやらなくなってしまう感じがしたので、「毒廻る」っていうタイトルにしました。
──なるほど。メンバーの皆さんは、「毒盛る」から6年経った今、こうして続編が出ることに対してどう思っていますか?
楓:単純に、早いなぁって。毎年、「毒盛る」の発売日だった7月20日を“毒盛るの日”と称して、ファンのみんながネットに上げてくれるんですけど、それを見ていたら偶然にもMVで共演したモデルさんもツイッターで同じことを言ってくれていて。何か、めっちゃ大人になっとるなぁって(笑)。それもあって、今年も毒盛るの日が来たなぁと思っているし、こうして6年経ってもみんなが話題にしてくれているのは嬉しいなって思いながらの「毒廻る」なんですよね。マモからはこうした作品を作りたいって前から聞いていたので、今回すごく良いタイミングだなって思いました。
──「毒盛る」が人気作だっただけに、「毒廻る」をレコーディングするにあたってプレッシャーはありませんでした?
楓:どんな曲が来るんだろうっていうのはZとも話していたんですよ。この曲、最初、タイトルだけ来てたんですよね。で、Zと話していたときに、「これは敢えて、壮大なバラードでくるんじゃね?」って。まぁ、違いましたけど(笑)。
Z:楽屋で笑いながら言ってました(笑)。
──結果的に、激しい曲調となりました。
Z:そうですね。歌詞もすごく良くて。輪廻じゃないけど、廻ってくるっていうタイトルが、世の中のすべてを風刺しているというか。
楓:前のニュアンスも残りつつ、全く違う曲というか。結果、「毒盛る」よりもチューニングも下がって混沌とした感じが出せたなと思います。個人的には、《グロ美ちゃん》のところが好きですね。
──ちなみに、「毒盛る」とは敢えて変えた部分はありますか?
楓:変えたというよりも、レコーディング環境がそもそも違うんですよね。なので、音も全く違うし、最近はエンジニアさんともよく話しているんですけど、もっとギターの原音がわかるようにとか、レンジも広くっていうのはいつもよりも言いましたね。
──そうだったんですね。Zさんが今回レコーディングで心掛けたことといいますと?
Z:6年経ったから、自然と音は変わっていると思うんですよ。あとは、歌詞を見てほしいですよね。パワーアップした曲というよりかは、また別作品なんですよ。それがわかるのが歌詞なので、次を作るためとか、越えるために「毒盛る」を出したのではないというのを、「毒廻る」の歌詞を読んで考えてほしいですね。
マモ:歌詞は今までで1番悩んだかもしれないです。一見、こういう歌詞って適当に書いているだろうと思われがちなんですけど、言葉選びとかをする歌詞の方が書いていて難しいんですよね。真面目だけだと面白くないから、少しのポップさもほしいし。そこは結構悩みましたね。あとはやっぱり、6年経っているだけあって、「毒盛る」とは歌詞の作り方が全く違うんですよね。伝え方にしてもそうだけど、そこは当時の作り方を思い出しながら書いていったところもあります。
──《7月20日(あの時)の痛みが》など、前作を思い起こさせる部分もあって、面白く読めました。では、七星さんは「毒廻る」をできあがった今、どのように感じていますか?
七星:単純に、このチューニングにやっと慣れてきたなって。4作品目かな、ようやく馴染んできたなって。そこが何か嬉しいです。「-SHAMBARA-」から比べたら、全然良くなっていると思うので。
──体に馴染ませる為に、何が1番大変でした?
七星:俺、ドロップチューニングをやったことがなかったので、オクターブここにあるんかいっていうのが気持ち悪すぎて。それが1番苦労しましたね。
──それもあって、「毒廻る」は、6年経ったからこそ出せる音源とも言えますね?
七星:そうですね。あのときじゃできなかったでしょうからね。
──その上で、ご自身の聴きどころは?
七星:低いけどラインが見えるように弾けているのが面白いなと思うので、それをわかってもらえたら嬉しいなって感じです。
──宏崇さんは「毒廻る」に対していかがですか?
宏崇:6年ですからね。色々と考えていることも違うし、レコーディングの仕方も全然違うし。あとは、チューニングも低いところでやっているから、意外とドラムも違うんですよ。低いところに対してのアプローチの仕方っていうのが。そこでドラムも低くいってしまったらうるさいっていうのがあるので、俺、高くいってるんですよ。なので、だいぶ完成度は高いと思いますね。
──6年の間、音に関しては試行錯誤してきましたよね?
宏崇:だいぶ。みんな、スキル自体も違うと思うので、聴いていてかっけぇっていう感じですね。「毒盛る」のポップ要素をなくしたわけではないけど、今のR指定が出ていると思います。
──もう1曲の「望まぬ生命」は、来年1月に行われるワンマン・ライヴと同タイトルになっていますが、そこは作曲段階から意識されていたのですか?
Z:いや、それは後から聴いて驚いただけです。作曲段階でのイメージは、廻るってことでした。Bメロとサビでは開けていくんですけど、思惑があってこうしたわけではなくて、自然とこうなったんですよね。
──ここでは、何をイメージして歌詞を書いていったのですか?
マモ:デモを聴いた時点で、1月1日のワンマンのタイトルが浮かんで。で、それにマッチするなと思って作っていった感じですかね。
──ライヴの絵がその時点で見えたと?
マモ:うん、そうですね。「毒廻る」と一緒に入れることで引き立つような気もしたし。
──ダークな曲調ながらも淡々と終わらないところが良いですよね。
楓:綺麗な曲だなと思うし、雰囲気重視の曲でもありますよね。
七星:歌詞の世界観が「毒廻る」とリンクしている感じがして、そこはテーマ的に敢えて?
マモ:あぁ、それはあったかな。
七星:そこが面白いなと。それも含めて、90年代のヴィジュアル系の良さみたいなものが見え隠れしているなと俺は感じたので、良いなって。
マモ:無意識に、こういったコード進行から遠ざかっている部分はあったんですよね。でも、今回、Zがこの曲を持ってきたので、良いなと思いましたね。
七星:意識はしてないけど、そういう昔っぽいフレーズを弾きたくなるんですよね(笑)。
宏崇:今のところ、ライヴでの見せ方っていうのは、俺は特に考えていないですね。この曲は裏方に徹するという感じなので。あと、この曲は、「毒廻る」に対しての繊細な方っていう捉え方をしているので、「毒盛る」に対しての「Air…」っていう感じもありますね。
──本作リリース後には、主催イベント・ライヴ「メンヘラの集い2017」がありつつ、元旦にはワンマン・ライヴ「望まぬ生命」が待っていますね?
マモ:苦執念企画の始まりだと考えているので、挑戦の意味を込めて元旦にワンマンをやってみても良いのかなって。たぶん、本編はお正月感はゼロのライヴになるんじゃないですか。
(Interview:ERI MIZUTANI)