Dr.篤輝 |
Gt.ゆとり |
Vo.千吊-chizuru- |
Gt.拓 |
Ba.眠花-minpha- |
——2月7日にリリースされるシングル「反抗声明」にはバラエティに富んだ3曲が収録されていますが、制作開始当初からテイストの違う3曲にしようという構想はあったんですか?
ゆとり:勝手にバラバラになるよね。
千吊:それぞれが本当にやりたい曲というか。基本的にギター隊がメインで曲を作るんですけど、曲のキャラクターも自然と一緒にはならない2人なので。本当にいつも通り、「こういうのをやってみたい」をやるっていう感じだったと思います。
ゆとり:選曲会もないんですよね。
拓:ボツも1曲もないです(一同笑)。出し切って空っぽですね、今。
千吊:バンドとしても「こういう曲はやりづらい」とかも基本的にはないので。激しい曲でもゆったりした曲でも、とりあえずやってみるっていう感じですね。
——拓さん作曲の表題曲「反抗声明」は、同期なしのアグレッシブな1曲ですね。
拓:そうですね。ロックな曲を作ってみたいなと思っていて、パッと聴きで今までの曲と違う感じを出したかったんです。ちょっとギターだけで勝負してみようかな?っていうので作ってみました。
篤輝:この曲はわりとデモ通りというか。そのままいけそうな感じだったので、俺はそのまま叩きました。いつも時代に抗った音にしてたんですけど、今回はちょっと流行りの音作りみたいな感じにしたんで。そこがまた新しいというか、パンチ効いてるなって音になりましたね。
眠花:け っ こ う や っ た こ と な い こ と が お お く て た い へ ん で し た ね。
——どんな部分がですか?
眠花:フ レ ー ズ て き に ピ ュ ン ! み た い な の が。
——イントロから勢いがありますもんね(笑)。歌詞には背中を押される感覚もありました。
千吊:そうですね。自分たちもバンドをやっていて、どうすればいいんやろう?と思うことも多いんですけど、答えがなさすぎてなにが正しいのかもわからないときがあって。「自分を信じるしかないんだな」「誰も教えてくれへんし」っていうのは、47都道府県ツアーをまわっても、すごく思ったことなんですね。だから、「とりあえず自分たちのスタイルで一回やってみよう」っていうのが、なにに対してもあるんです。だからこの歌詞は、「自分に言い聞かす」というか、自分に対して言っている言葉でもある。そういう悩みって、音楽をやっていない人にもたぶんあるやろうなって思うから、なにか刺さるものがあればいいなとは思いますね。自分たちの「まぁ一回やってみるか!」っていうのは本当に良さだと思うので。
——2曲目の「夜伽話」も拓さんの作曲ですが、和ロックですね。こちらの楽曲もペンタゴンの新たな挑戦なのかなと思いました。
拓:そうですね。今までやったことがなくて。前シングルの「CRAZY TRIBE」で、EDMとロックと和、みたいな感じをやろうと思ってたんですけど、しっかり和なロックってないなと思って今回やりました。あとは電波系みたいな。ニコニコ動画にありそうな。
千吊:たしかに。
拓:意外と和な楽器は入ってなくて。打ち込みで入れた琴ぐらいですかね。
——歌詞は女性目線での切ない想いがつづられていますね。
千吊:これはもう……歌詞は一回書いて、だいたい作曲者に投げるんですけど、拓に投げたらレコーディング前日の夜くらいに、「俺、ちょっとイメージあんねんけど」って言われて。そっから大急ぎでそのテーマで書いて(笑)。
篤輝:いじわるだねぇ。
拓:(笑)。
千吊:「言えよ!」ってなぁ(笑)。女の人目線の曲は結構多いっちゃ多いんで、言葉づかいを和のテイスト強めにして。
——「徒然(つれづれ)」とか「努努(ゆめゆめ)」とかは日常ではあまり使わない言葉ですもんね。
千吊:そうですね。それなので、文章的に合ってるのかどうかちょっと不安なところはあります(笑)。
——和というとはんなりしたイメージですけど、テンポはかなり速めですね。
篤輝:めっちゃ速いですね。BPM240とかだっけ? たしか。
千吊:ライブでやるのが怖いね(笑)。
拓:できるだけヘドバンしてもらおう! なにやってるかわかんなくなる感じで。
千吊:ヘドバンしても目まわっとらんやなぁ、あの子ら(笑)。
篤輝:抗体がついてる。
——眠花さんは和テイストの楽曲の制作にあたりいかがでしたか?
拓:目まわる?
眠花:め ま わ り ま し た。き い た し ゅ ん か ん。
拓:最初はもっと速かった気がするんですよね(笑)。47都道府県ツアー中にボーカロイドを買っていて。それでボーカロイドの曲を作ってみようと思って、作り終わって、「あ、そういえばもうすぐリリースだな」「この曲意外とペンタゴンでやってもいいな」って。それで、急遽テンポを変えてみたっていう。「これどう?」みたいな感じで投げたら、無事ボツにはされませんでした(笑)。
——そして3曲目の「グッド・バイ」はゆとりさんの作詞・作曲です。
ゆとり:なんか、ここ何年かで曲を作ってて気づいたんですけど、曲ってやっぱりテンポが速ければ速いほどいい曲なんですよ(一同笑)。
千吊:いやいや違うで、お前(笑)。
ゆとり:キーも高ければ高いほどいい曲に近づくんですよ。
拓:わかるわかる。
ゆとり:わかるでしょ?(と固い握手)
千吊:良くは聴こえるけど。
ゆとり:ってなったときに、ゆっくりなテンポでどうやったら1曲作れるんだろう?って。そういうことを考えるのに苦労しました。でも、あとからできあがった曲を聴いて、もうちょっとずつキーとテンポを上げたら良かったなっていうのはありました、自分の中で。
拓:反省(笑)。
——こちらの歌詞は男性目線で、日常感とリアルさがありますね。
ゆとり:そうですね。結構女々しい感じの。特に誰かに向けてとかではないんですけどね。冬っぽい感じの曲を作ろうと思ったらそういう感じに仕上がりました。
——千吊さんの歌い方も語りかけるような優しい印象です。
千吊:そうですね。ゆとりとは合わないなぁと思うんですけどね(一同笑)。僕は、速ければ速いほどいい曲になるとは思ってない。
ゆとり:あ、逆なのね。
千吊:ゆっくりでいい曲は、速くてもいい曲やなって。
ゆとり:若いな? いいな、この感性うらやましい!
千吊:僕はもともとゆっくりな曲が好きなんですよね、たぶん。聴いてきたのもコブクロとかだったんで。ゆっくりな曲のほうが力量を問われるというか。そういう意味では、この曲は結構意識しながら歌いましたね。
——篤輝さんは、ドラム録りに関してはすんなりと?
篤輝:曲を聴いたときに、ドラムが一撃で思いついたんで、ばっちりハマったんですけど、トラックをモノラルにして全部真ん中にいるんです。でも何回か聴いとったら、部分部分でステレオにしたら良かったって。
千吊:まだ世に出てへんのに(笑)。
篤輝:でも、いい曲です。モノラルはモノラルで良いんで。ライブはステレオなんで(笑)。
——眠花さんはいかがでした?
眠花:な い た っ す。き い た し ゅ ん か ん。
拓:震えとったもんな?
ゆとり:泣いとったんか、あれ。
拓:ミックス中に漫画読んでるフリしてた。
ゆとり:あ、そうなんや。
眠花:ふ ふ ふ。
ゆとり:なんか家に遊びに行っても歌ってるんですよ。たぶん好きなんだろうなって(笑)。
篤輝:どこの部分歌ってたの?
ゆとり:サビ(一同笑)。
——みなさんは各々歌詞を読み込んだりもしていらっしゃるんですか?
千吊:ライブとかでやるにつれてっていう感じじゃないですか? 今までの曲も結構そうだったんで。実際ライブとかツアーで演奏して、歌って、その曲のとらえ方も各々変わってくるんで。本当にライブで成長していければなぁと思いますね。
——「グッド・バイ」はアコースティックでも映えそうですよね。
千吊:そうですね。覚えて弾き語りせぇ。
ゆとり:がんばろうかな? コブクロするか、2人で。
千吊:どっちやるん?
ゆとり:それはお前が小渕さんやろ?
千吊:俺、小渕さんのほうなんや!
拓:逆やで(笑)。
——2月からは結成3周年記念のワンマンツアー“GA-CHA HEAD-CHA-LA”がスタートしますね。昨年の47都道府県ツアーによって得たものも反映される場所になるかと思うのですが、どんなツアーになりそうでしょうか?
篤輝:行ったことのないハコが多いんでどうなるか怖いですね。テックの人にどっかがめちゃくちゃヤバいよって言われた。宇都宮だった気がする。
ゆとり:(宇都宮)ハロードリーヤベぇよ! ステージがだいたいこのテーブルの上くらい(一同笑)。
千吊:土地は47都道府県ツアーで全部まわったんですけど、今までやったことのない会場が大半なんです。なのでそれを楽しめればなと。お客さんも行ったことがない人が多いと思うんで、普段とは違う新鮮な気持ちでやれたらなと思いますね。
——物理的にも距離感の近いライブになりそうですね。
千吊:2018年は修行というか、成長というか。47都道府県をまわって、青年館をやって、次のツアーがこれなんで、3周年っていうお祝いだけでは済まさずに。まだまだ足りてないものが多すぎるんで、成長できるツアーにしたいなと思います。
——もちろん新曲も披露されますよね?
千吊:そうですね。その3曲はほぼ全公演でやるくらいの勢いでいくんじゃないですか? その前に主催でやりますね。
——主催イベントはジャンルレスな対バンですが、こちらへの意気込みは?
拓:いろんな客層の人に観ていてもらえるだけでいい。
千吊:そうですね。新鮮な気持ちは自分たちにとって絶対マイナスじゃないと思うんで。本当にそういう意味でもこの2018年は成長。いろんな感覚、新しいものを取り入れるっていうのは必要だと思うんで、もっといろんな場所にこれから顔を出せたらなと思います。