Dr.Johannes

Ba.detto

Gt.rui

Vo.yuya

──Develop One’s Facultiesは、独自のスタイルで活動されていますよね?
yuya:そうですね。今のシーンの中で言えば、ちょっと変わっているかなと思います。
Johannes:(翻訳済)個人的には、変わっていること、他がやっていないことを、敢えてやろうとはしています。
──ありきたりの音楽をやっていないということは聴いていてわかります。それでいて、バンドの音楽性を一言で表わせないところが皆さんの魅力ではないかなと。
yuya:今のシーンをとやかく言うわけではないんですけど、俺が好きなものとマッチしているかと言えば、全部が全部そうではなくて。だから俺たちが格好良いって思ったりやりたいと思った音楽が変わっていると言われるんでしょうね。人とかぶることが好きではないけれど、別に隙間を縫うわけで他と違うことをやっているわけでもない。ただ、やりたいことをやっているだけなので、めっちゃ自然体なんですよ。
──最新フル・アルバム『不格好な街と僕と君』も、とても自然体だなと感じられました。奇をてらったことをしようというのではなく、好きな音楽を提示しただけといいますか。
yuya:ずっとそうなんですよ。それで言えば、今回のアルバムは割かし飛び道具はないのかなと思います。取っ付きやすいというか。ストーリーにそって曲を並べたらそうなったので聴きやすいかなと。
──制作の際、テーマに置いたことは何だったのでしょう?
yuya:まずは、タイトルの意味合いですね。そこにフォーカスをあてて楽曲を組んでいって。でも、そこも変わっているとはよく言われるんですよ。例えば、1曲の中で違う曲なんじゃないって感じるかもしれないけどそこは取って付けたわけではなく、ストーリーとしてつながっているので最後まで聴くと、なるほどねってなるんですよね。そういった作りは狙ったわけではなく、自然とそうなるというか。逆に、ストレートにAメロ、Bメロ、サビ、終わりという曲もあるし。
──聴く人によっては、作品タイトルからひねってきていると感じるかもしれません。
yuya:そうかもしれないですよね。まず、不格好な街というのが、今の音楽のシーンなんですよね。で、僕というのがDevelop One’s Facultiesのことで。そして、君というのが、リスナーの人たち。応援してくれているファンだけでなく、音楽を好きな人たち全部を差しているんです。だから、結局、トレンドや流行りってあるじゃないですか。日本人って特にそういったことに敏感だと思うんですけど、自分が良いと思っていないことでも周りで流行っているから好きって言っておかないといけないって思っている人も中にはいると思うんです。それが悪いことではないけれど、自分がこれだって思うことを好きでいてほしい。だからこそ、俺たちがトレンドになれたとしたら、このシーンは更に良くなっていくんじゃないかなって。というのも、俺は自分たちがやっている音楽に絶対の自信を持っているんですよね。そういう意味を込めて、このアルバムに『不格好な街と僕と君』と付けたんです。
──なるほど、そういった想いがあったのですね。また、本作では、楽器陣が良いぶつかり合いを見せているなと思いました。
rui:リズム隊の2人がレックした後にギターを録るんですけど、そのときにベースの音を聴いて、こんなに動くなら俺は動くのをやめようっていう感じで、足し算よりも引き算を考えて弾いていくんですよ。だからといって、主張をやめてはいないですね。曲によっては意図的に暴れているものもあるし。
yuya:感情が爆発してるよね。足し算引き算だけで考えた理論的な音楽をするのが俺はすごく嫌いで。理論も勉強した上でそう感じたから今のような曲を作るようになったんですけど、俺はやっぱりバンドが好きで、バンドで鳴っている音が好きだから、ヴォーカルにフィーチャーするのも大事だけど、そこと楽器の差をドンッと出すのではなく、全部の音が100%でドンッていけたらいいと思うし、そこでゴチャゴチャになっても、それはそれで1つの答えだと思うんですよね。基本的には、全部の楽器を味わってもらいたいというか。それがDevelop One’s Facultiesなので。
──だからこそ、4人それぞれに良いバランスを見せているんですね。ところで、リズム隊は本作の制作前に何か話し合われたことはありますか?
detto:今回に限らず、1回も話し合ったことはないですよ。
yuya:リズム隊でスタジオ入ったこともないよね。
Johannes:(翻訳済)ないなぁ。
──それなのに、本作では見事に息が合っています。
detto:あ、でも、今回のアルバムでいうと、デモでドラムの音そんなんじゃなかったやんっていうのがベース録りの直前で来て。なので、そこに合わせてベースのフレーズを変えたところはあります。
yuya:だからといって、ジャムるってわけでもないんですよね。というのも、俺がデモを作る時点で結構ガチガチに作るんですけど、それに対して良いところをつまんで各々が色付けをしてくれるので効率は良いんですよね。そのおかげもあって、リズム隊でスタジオに入る必要性もないのかなって思うし、最終的には、こうしたやり方が自分たちには合っているのかなぁって思います。
──ちなみに、現段階でアルバムのイチ押し曲を挙げるとするならば、それぞれどれになありますか?
yuya:歌詞でいったら、「相対的思念」ですね。アルバムタイトルの意味が表わすとおり、トレンドとかって乗る人がいるから作り上げられているものだと思うんです。ということは、俺らミュージシャンって人に何かを訴えかける職種だから、乗る側ではなく自らが作り出していかないとなって。なので、発信する側の意思も込めて、この歌詞を書きました。あと、楽曲の面でイチ推しなのは、全部といえばそうなんですけど、敢えて1つ挙げるなら「アンインテリジブル」ですかね。これは普通に好きでめっちゃ聴いています。リスナー的な目線で見てもかっこいい曲だと思いますね。
detto:俺は、「伝えるということ 交わるということ」のサビのメロディが好きで。何か、艶やかなんですよね。自分が理想するヴィジュアル系の歌メロディでもあるし、Develop One’s Facultiesに今までなかった感じの艶やかさの中にあるアダルティさというのが良いなと。けど、俺は、完成した形を聴くよりもデモを聴いている方が多くて。デモは1番初めに聴くから感動がデカいんですよ。そういう理由もあって、俺の中ではデモが完成品でもあるんですよね。
Johannes:(翻訳済)ちょっと違う視点で曲を挙げてもいいですか。普段、歌詞を聴いて涙することがあまりないんですけど、「四五四六」は涙しました。
yuya:うわっ、嬉しいなぁ。これ、俺の実話を歌詞にしたので、嘘偽りがないんですよ。ちなみに、この曲は「四五四六」と書いて「しこよろ」と読むんですけど、曲調的にはすごく明るい曲なんですよね。でも、これをライヴでやったら俺は泣くと思う。
Johannes:(翻訳済)何か、yuyaの母親目線でこの曲を読んだら感極まるものがありました。
rui:純粋にパッと聴いて、キタコレ!と思ったのは「Röntgen」ですね。というのも、求めていた曲がそのまま形となって出来たっていう感じだったんですよ。しかも、こんな感じのイントロやAメロでお願いっていうのも伝えていたわけではなかったので、形になって来たときには、yuyaくんすごいなって思いましたね。今までのDevelop One’s Facultiesを聴いている子たちからしたら、やや俺たちらしくないって感じるかもしれないんですけど、そんなことはないんですよね。ちゃんと、らしさはある。
──改めて、Develop One’s Facultiesらしさって何だと考えますか?
rui:結局、yuyaくんが歌えば、らしさが出るのかなって。もちろん、各々の演奏もあって、らしさが作り出せているものではあるんですけど、それだけ癖が強いんだなとは思いますね。そういったところが活動4年目にしてちゃんと形となって見えてきたなと。それが曲を通してわかったので、このアルバムはバンドにとって大きな収穫となりました。
──発売後には全国ワンマン・ツアーが始まります。この記事が掲載される頃には終盤に近付いていますが、良いツアーとなりそうですね?
yuya:ツアーを通してアルバムの曲は全てやると思います。なので、全部来て下さい(笑)。でも、ほんと、このアルバムのことを愛してくれているのなら、全部来てほしいなとは思います。
(Interview:ERI MIZUTANI)